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セカキク短編集

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セカキク短編集

16 - 噂のアレ

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2024年09月15日

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「うわぁ……………

これが〝噂のアレ〟ですね…………」

菊は辺りを見て呟いた。

視線の先には壁一面真っ白の部屋、部屋の天井の隅には監視カメラ、開かない扉…………。

そう、勘の良い読者様方はお気づきであろう、


〝〇〇しないと出られない部屋〟である。


菊はある複数人に誘導されてこの部屋に入れられた。もちろん抵抗する余地はなかった。顔見知り、というか知り合いだったからだ。

「漫画では見たことありましたが………こんな感じなのですね…………凄い………」

と、菊はまるで自分がその餌食になるのも気づかずに、他人事のように感心の言葉を口にする。

すると、室内にアナウンスが入る。

「Attention please!

今から本田菊の〇〇しないと出られない部屋をやるんだぞー! あ、えーと………やる………」

「……………」

絶対あの人ですね……と、流石の菊でも勘づく。

「まずは壁にあるスイッチを探してくれ」

菊は聞いたことがある声の言うことを聞き、早速探し始めた。

だが、先程のようにこの部屋は装飾も何もなく、部屋中が白だ。

「一体どこにスイッチがあるのでしょうか…………… わ………、、!」

壁にもたれた瞬間、菊の頭の部分が当たっていた所の壁が凹んだ。というか、元々薄く切れ目が入っており、もたれたことで押されたようだ。

「……! もしかして………!!

あ、ありました………!!スイッチ……!!!」

するとまた別の声でアナウンスが入った。

「よくできたね〜!!!菊えらい〜!!………え?そんなことあとでいい? え〜?台本進めろって?」

丸聞こえである。菊は苦笑するしかなかった。

「ん゙ん゙…………じゃあ中にある物を出してくれ」

「は、はい………」

スイッチによって壁のみに見えた所が観音扉のように開いた。

中には、キャスター付きの大きいハンガーラックが2台。ラックには服が掛かっているようだ。

菊は嫌な予感とともに冷や汗が出てきたが、とりあえず出した。

案の定、だった。

ラックには服が50程ありそうだ。その服はメイド服、ナース服、チャイナ服、ミニスカートの警察服、露出の多い服、胸を見せるような服、ゴスロリ服、その他諸々、という感じだ。

「はぁ…………見たことある衣装も何着か………………」

一体誰の趣味なのでしょうか……と考えたが、察しは付く。もう想像したくもない。

「………この服を着ろ、というのですか………、、?」

「もちろん無理には着させないよ〜、でもね、もし出来なかったら着てもらうよ?」

「……! 何をすれば良いのですか…………………!?」

少しの希望を見いだし、イヴァ…………じゃなかった、知らない(?)人物に問う。

「僕たちの着たことある服を当ててもらうの!

うふ、簡単でしょ?」

この部屋は〝服を当てられないと出られない部屋〟であった。菊は絶望である。そんなこと無理に決まっている。第一、これほど服がある中で当てられるはずがない。

菊は地面にへたり込んだ。

「まあまあ、そんな落ち込まないでよ、ね?ヒントは匂いしかないかもしれないけどさ?

………だけど、当てられなかったらその服着てもらうからね♡お兄さん楽しみ♡」

と、菊に追い打ちをかける。


「仕方ない………です……………

………日本男児たるもの、一発で全問正解して差し上げますよ……!!!」

菊の目に闘志が宿った。




結局そんな都合の良いことにはならず、何度も何度も着替えをした。

やっと扉が開く。菊は駆け足で部屋を出た。出た先にはよく知っている犯人たち。

「菊、頑張ったあるね!!」

「楽しかった〜!♡」

「………もう懲りごりですよ……………」

フリフリスカートのフランス人形のような格好の菊がうなだれた。

「しょうがないだろー?、何てったってここはセカキ─────」

「メタいこと言うんじゃねぇよ、消されるぞ」

「こっわ……てか誰にだよ…………!?!?」



この世界に───────。

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