戦局はますます熾烈を極めていた。雅也と加藤の黒潮軍は、坂本竜馬軍と新政府軍、そして残党軍の四つ巴の戦いに巻き込まれ、各勢力の思惑が交錯する中で、戦闘は終わる気配を見せなかった。
雅也は、異能「切断」を駆使して敵の進行を阻み、戦場で絶大な力を誇っていた。しかし、そんな雅也の目の前に立ちはだかるのは、決して簡単な相手ではなかった。
坂本竜馬の強さは、単に武力だけにあるわけではない。竜馬自身が持つ銃の力が、戦局を大きく変えていた。雅也は一瞬の隙を見せたが、すぐに自分の異能を使って立ち直る。
「お前の剣、ええのう。でも、これが切断や。」
雅也の声が戦場に響き渡ると、彼は一気に敵軍の前線へと駆け寄り、「切断」を放つ。空間そのものを切り裂き、瞬時に目の前の坂本軍を引き裂いていく。
竜馬はその場で踏み止まる。「切断か…だが、俺には負けん。」
竜馬の目が鋭くなり、天雷剣を一振り。空間が震え、雷のような光が走り抜ける。雅也はその衝撃を直前で回避し、反撃を開始する。しかし、竜馬の動きは素早く、雅也の異能の限界を試すような攻撃が続く。
新政府軍の兵士たちもまた、異能に頼ることなく、訓練された兵士たちの力で戦場に立ち向かっていた。西郷隆盛率いる部隊は、その圧倒的な兵力と戦術で雅也と加藤の軍を苦しめていた。
新政府軍は、雅也の後ろを取り、包囲網を作り上げようとしていた。しかし、雅也はその状況を逆手に取り、異能を発動する。
「これが、切断や。」
雅也の言葉と共に、再び空間が切り裂かれ、すぐさま敵の包囲を突破する。目の前に広がる新政府軍の陣地が、異能の力で瞬く間に崩れ去った。
その間にも、残党軍はいつでも奇襲をかけられるように準備を整えていた。彼らは定められた陣地には入らず、常に動きながら戦局を観察し、どこに隙間があれば即座に突入するという手法を取っていた。
その突然の攻撃に、雅也の軍も加藤軍も一時的に後退を余儀なくされる。しかし、雅也はその背後にある“絶対的なを引き出し、戦場に新たな戦力を加える。
「切断の力、見せてやる。」
雅也はその一言で再び空間を裂き、攻撃の矛先を変え、残党軍を驚かせる。残党軍の兵士たちは、その瞬間に何が起きたのか分からず、ただ目の前の空間が崩れる様子を目撃していた。
激しい戦闘が続く中、雅也の力が徐々に軍を制していく。しかし、その中で何度も雅也は自身の限界を感じていた。異能「切断」は強力ではあるが、使いすぎれば体力が消耗し、次第に効力が薄れていくことがあるのだ。
そして、戦いの最中、雅也の前に再び坂本竜馬が現れた。
「切断は強い。しかし、俺はもっと強い。」
竜馬は、雅也に向かって剣を振り下ろす。雷のような衝撃が戦場を揺るがし、雅也はその一撃を避けることができず、わずかに傷を負う。しかし、その瞬間、雅也は「切断」を全力で放つ。
“空間そのものを切る”
一瞬の間に、竜馬 の一閃が止まる。それは、物理的な戦いではなく、異能による空間の裂け目であった。竜馬はその衝撃でしばらく動けなくなり、雅也はその隙に一気に決定的な一撃を放った。
「これが終わりだ、竜馬。」
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