この年の夏は俺にとって
忘れらない呪い(おもいで)だ
皆誰しも得意、不得意がある
絵、音楽、勉強、プログラム、ゲーム
だが俺には何も無い
勉強もスポーツも平均
これといって得意な物も好きな事も無い
我ながらつまらない人生を送って居ると思っている。
冴えない人生を送る俺は馬鹿なんだな
でも死にたいとは思わない
こんな俺にも親友と言える存在が居るからだ。
「あ~あ、恋人欲しい」
「まだ言ってるのかよ葵」
俺らは幼なじみで小さい頃からよく遊んでいた。
可もなく不可も無い関係
「まぁ確かに、俺らも高校生いい加減恋人の1人や2人欲しいものだな」
「…………お前先月彼女と別れた分だろ」
「まぁまぁ」
こいつ……茜は女癖が悪い
付き合っては別れるを繰り返す
まぁクソやろうだな
当の本人は合わないとか何とか言ってるけどよく分からない。
まぁ茜は顔面整ってるからモテるのだろう
うらやましい感じはある
俺らは今年でこの高校ともお別れ
寂しいような、嬉しいような
「なぁなぁ、そういえばさ俺気になってたんだけどな
あそこの席のえぇっと連君?だっけ?
あの子が学校来た所見たこと無いけど
葵何か知ってるか」
「……俺が知ってると思うか?」
「いや~まぁ確かにそうだな」
連という男は入学式やイベントにも来ない奴で何故来ないのかどういう見た目なのか全く分からない。
噂では中学の時に虐められてトラウマで来れないとか、親がネグレクトとか何とか
まぁよくある感じで広まっている
多分こいつとは一生関わらない存在なのだと思っていたのだが…
「悪いな葵このプリント連に届けに行ってくれるか?」
何でも今まで連の弟が来てプリント等を届けていたのだが修学旅行で届けられないからと
でも何故俺なんだ
「あの、何で俺が?」
「お前が一番家から近いからだ」
災厄だ、なら茜でも良いだろ
そんな事を思いながら思い足取りで
先生に貰った地図で歩いた先は大きな
病院だった。
「何で病院」
何処か悪いのだろうか、
そんな事を思いながら入って行く
受付の看護師に話をして
教えてもらった部屋へ行くとそこには
窓から見える景色を眺める青年がいた
「君は、」
怯えているのか警戒しているのか
声のトーンが少しおかしかった
「俺は、葵その、プリント届けに来て」
「そっか、ありがとう」
肌の色は生気が無いような見た目で
他人に興味の無い俺でも少し心配になった
「ごめんね、俺のせいでわざわざ来てもらって」
連は申し訳無さそうな声で謝って来たが
何故謝るのかよく分からなかった
「何で謝るんだよ」
「迷惑だったでしょ、合った事も無い奴にわざわざプリント届けるなんて」
確かにそんな事は思ってたが
言われるのは何か嫌だな
「別に迷惑とかは思ってないが」
「本当に?、本当に迷惑だって思ってない?」
「あぁ」
連は安心したのか暗い顔から少し明るくなった。
良かった。何て事を思っていると
「ゲッホ、ゲッホ」
「大丈夫か!?」
「う、うんごめんね」
まただこいつはすぐに謝る
「謝る必要あるのかよ」
「……」
連は驚いたようなでも少し悲しい表情で
「俺がする事は皆を不幸にする」
「誰がそんな事言ったんだよ」
連はうつむいて苦しそうな声で言った
「父だよ」
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