夢主の設定
名前:オリヴィア・グレイソン
容姿:飴色の髪/青い瞳
第104期のみんなと同期。
成績は座学も実技も真ん中より上くらい。
訓練兵時代のお話。
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糖分補給
座学の成績が悪く、夕食抜きで勉強するよう教官に命令されたコニーとサシャ。
「うう…おなかすいた……ごはん……」
「言うな。余計に腹が減るだろうが」
昼間は実技の訓練でエネルギーを消耗したのに、夕食も食べられず、このまま朝を迎えるのか。
しかも夕飯の香りが残る食堂で勉強。拷問だ。
これが1週間も続くなんて。
1日目、2日目、何とか乗り越えた2人だったが、早くも3日目には空腹も疲労もイライラもピークに達してしまっていた。
その晩。
コニーはイライラしながら、サシャは意識を朦朧とさせながら、教則本と向かい合っていた。
サシャに関しては、だらしなく机に伏せて、本の空いているスペースに「肉」という文字を書いたり、肉の絵を書いたりしている。いくつも。
「はあぁ……」
大きくため息をついたコニー。視線の先には時計の文字盤。
今日の分の勉強を始めてまだ1時間も経っていない。
『2人とも、お疲れ様』
柔らかな声の主を見ると、同期のオリヴィアが何かを持ってこちらに向かってきた。
…スン…スンスン……ふがっ!!
鼻を鳴らして勢いよく身体を起こすサシャ。
「これは!ごはんのにおい!!」
『しっ!サシャ声が大きい!』
オリヴィアが慌ててサシャをなだめる。
「どうしたんだ?これ」
コニーが指さした先には、お盆に乗せられた2人分の食事。
『お腹すいてるでしょ?量は足りないだろうけど全然食べないよりかはマシだと思って。残り物で作ってきたの』
そう言いながら机にお盆を置く。
神様…!
女神か…?
オリヴィアの背後から光がさしているように見えた2人。
サシャは早くもヨダレを垂らしてお盆の上の食事を見つめている。
コニーも隣の芋女と同じような顔はしまいと、口を閉じてゴクリと唾を飲み込んだ。
『1週間も夕食抜きで夜中まで勉強なんてきついよ。ごはんはちゃんと食べなくちゃ。はい、どうぞ。お口に合うか分からないけど』
すぐさまがっつきたい衝動を必死に抑えながら料理を口へと運ぶコニー。
横目で見ると、サシャは口元を汚しながら光の速さで料理を口に入れていた。
「「うんっまっっっ!!!」」
見事に声が重なる2人。
『ほんと?よかった〜』
オリヴィアが嬉しそうに笑う。
「オリヴィアさんんん!!あなたは命の恩人ですうぅぅ!!」
サシャが大泣きしながらオリヴィアに感謝を伝える。
「マジでうめえ!お前料理得意なんだな!」
コニーも夢中で食べ進める。
『嬉しい。実は食事当番毎日したいくらい、料理するの好きなんだ〜』
オリヴィアは机に頬杖をついて、自分の料理を口に運ぶ2人をにこにこしながら見つめている。
あっという間にお皿の中が空っぽになった。
やはりオリヴィアが言ったように量は物足りないと感じたが、空腹に耐え続けて朝食を迎えるより遥かにいい。
「あ〜おいしかった~!」
「マジでうまかった!オリヴィアありがとな!」
『ふふ。よかった。ちょっと待っててね』
そう言ってオリヴィアは一旦その場を離れ、少ししてから戻ってきた。
その手には、オリヴィアの髪と同じような色をした、透き通る物体。
『甘いもの食べれば脳の栄養になって勉強も捗ると思って。飴を作ったの』
棒についた飴を2人に差し出す。
すぐさまガリッボリッと音を立てて飴に齧りつくサシャ。
透き通った飴をランプの光にかざして「ぉわ〜綺麗だなぁ〜」と眺めてから口に入れるコニー。
いちいち違う反応を見せる2人を見て、オリヴィアは可笑しそうに笑う。
「これもめちゃくちゃうまいな!」
「ですね!」
『素朴な味だけど美味しいよね。お砂糖に少しのお水を垂らして火で炙ればできるよ』
「そんな簡単に作れるのか〜!」
遅めの夕食と甘いものを食べてすっかり元気になった2人。
『よかったら勉強教えるよ』
「いや、さすがにそこまでしてもらっちゃ悪いですよ」
「珍しくサシャがまともなこと言ったな」
『気にしないで。コニーともサシャとも一緒に訓練兵卒業したいもの』
天使かな!?(これは脳内で叫んだ2人)
結局サシャとコニーは、その晩オリヴィアに勉強まで見てもらった。
教官に命令された時間になったので、その日の勉強を終えて解散する。
「マジでありがとな!オリヴィア!」
「ほんと、命の恩人ですよ!ごはんも飴も美味しかったです!」
『よかった。教官には内緒だからね?』
「おう!」「はい!」
部屋に戻る途中の廊下でオリヴィアが口を開く。
『ね、もし2人がよかったらなんだけど、明日からもお夜食つくって届けてもいい?』
「マジで言ってんのかよ。それはもちろんありがてえけど」
「私はいつだってごはん大歓迎ですよ!」
『やった。2人が美味しそうに食べてくれるの見てて、もっと作りたいなって思っちゃった。自分が作った料理を美味しいって言って食べてもらえると幸せな気持ちになるのよね』
またしてもオリヴィアの背後に光がさして見えた2人。
それから教官に指示された日まで、毎晩食事を届けて勉強も見てくれたオリヴィア。
途中、実技に疲れて腹を空かせ、意識を朦朧とさせたサシャが、「あめーーー!!」と叫びながらオリヴィアの頭に噛みつきそうになった時は、コニーも3人の事情を知る仲間たちも大慌てでサシャを取り押さえた日も。
あの日からすっかり胃袋を奪われてしまったコニーとサシャは、 オリヴィアが食事当番の日は勝手にメンバーに加わって手伝うようになった。
そして味見と称してつまみ食いし、食事当番のメンバーから怒られるまでが1セットとなった。
end
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