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国境を抜けた後、ミリエットたちは近くの村で用意されていた馬と馬車に乗り換えた。
そして、街道を移動すること一週間――。
「……ん」
微かな揺れと共に馬車が止まり、うたた寝をしていたミリエットは目を覚ました。
「すまない、起こしたか」
「ヴォルフラム、様……?」
顔を上げると、ちょうど馬車の中を覗き込んだヴォルフラムと目が合う。
ミリエットは慌てて姿勢を正した。
「ごめんなさい。私、眠ってしまって……」
「疲れているのは当然だ。アルタール王国に入ってから、ろくに休憩も取らずに移動し通しだからな」
「でも、それはヴォルフラム様たちも同じです」
「俺たちは慣れている。……少し出られるか。君に見せたいものがあるんだ」
「見せたいもの、ですか……?***********
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