テラーノベル
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智Side
「ん゛ん゛、ふっ‥あっ‥」
「気持ちいい?良かったな、らん♡」
じゅぽ‥。深く咥え込むと中でピクピクっと反応するものがまた太さを増す。
藍の腰が軽やかに揺れ動く。そのせいで喉奥を刺激され不覚にも声が漏れそうになるが‥グッと我慢した。
声を出すわけにはいかない。
俺の精一杯の抵抗のつもりだった‥。
「智さん、上手だから気持ちいいね。でも、そろそろこっちにも集中しようか?」
俺の口に嬉しそうに腰を上下する藍に苛立ちがあるのか‥その後はかなり乱暴に抉るような律動が繰り広げられる。
その度に藍の白い身体が揺れる。咥えこんでいる俺にもその揺れがダイレクトに伝わり、気をつけなければ歯を当ててしまうところだった。
慎重にしなければ‥。また藍を傷付けたら、小川からの怒りを買ってしまう。
優しく丁寧に、喉奥まで頬張る。
そして、
両方からの刺激により‥
藍が達するのに時間はさほどかからなかった。
「やぁぁ‥イク‥‥‥んんっ、、」
口腔内に青臭い匂いが広がる。すぐに顔をあげ、小川の顔を見つめた‥
ジッと俺の顔を凝視していたが、口腔内に出されたモノをゴクリと飲み込んでみせると‥優しい、いつもの笑みを向けてくれた。
堪らず、そのまま小川に口づける。ご褒美が貰えると分かっていたから。
丁寧に口腔内を弄られ、身体が喜ぶのを感じる。ご褒美の時の小川は特に優しく、快感を与えてくれるから‥それを身体に叩き込まれている俺はもうその時点で激しく興奮し、自身の陰茎も屹立していた。
「よく出来たね♡智さん、」
耳元で囁かれ、また熱いキスを交わす。ああ‥キスだけで溶けそうだ。
気持ちが良い。
小川も気持ち良さそうだ。熱く潤む瞳をおもむろに閉じると‥藍に挿入しているものをさらに荒々しく突き上げ‥
何度か大きく打ち込んだ後‥熱を解き放った。
と、同時に藍の身体がビクンと飛び跳ねる。その藍の内部から小川がゆっくりと自身を引き抜くと‥
こぽぉ‥と受け入れていた部分から、白濁が零れ落ちた。
「あっ、ゴム忘れてた‥」
妖しく笑う小川を見ながら‥俺はそっとキスをする。
嘘が下手だよな‥
そう思うがあえて言うまい。上機嫌の小川にこの後、慰めて貰うのだから‥この身を‥
藍Side
「‥ん‥‥‥」
微かな肌寒さに目を覚ますと、カーテン越しから陽光が差していた。もう夜は明け、日が高く昇っているんだと気づかされる。
(俺‥どうしたんやっけ‥)
ゆっくりと起き上がるが、酷い頭痛と腰の痛みが尋常じゃない事に気付く。そして、あまり見慣れない景色をぼんやりと眺め‥
小川さんの家だと気付くのに時間を費やしてしまった。
昨夜は、小川さんと寝たんだっけ‥。段々と蘇る記憶に‥胸が苦しくなりまたベッドへと沈み込む。
もう取り返しがつかない‥自分の手首に薄っすらと残る縛られた跡を眺め、どうしていいか分からなかった。
このまま消えたい‥そんなふうにさえ思ってしまう。
祐希さんに合わせる顔なんてないやん‥
鼻の奥がツンとする。じわりと目頭が熱くなり‥その時不意に、ガチャッと扉が開いた。
「起きた途端に泣いてるの?子供だな‥本当に‥」
「なっ、なんで‥智さんが‥?」
呆れたように俺を見つめるのは‥ココにいるはずもない智さんだった。
呆然とする俺を見ながら‥タオルを差し出している。
「いたら悪い?小川の家だから俺も来るに決まってるじゃん‥」
事も無げにそう言い放ち、タオルをなかなか受け取らない俺にそのまま頭上に放り投げる。
「それよりさ、シャワー浴びてくんない?すげぇ格好だから‥気付いてる?」
カーテンを勢いよく引っ張り、窓を開けながら智さんが言い放つ。
格好‥?
その時になって‥俺はようやく自分の姿に気付く。裸のままの自分の身体は腕だけじゃない‥無数の赤い跡が散らばり、所々にこびりついたものがある‥これは‥匂いで分かる。精液だ‥。
そう気付いた途端、慌てて起き上がるも‥腰の鈍い痛みでベッドから勢いよく転げ落ちる。
「痛っ‥‥‥‥」
打ち付けた痛みも重なり、身体中が痛い。しかも、よりによって智さんにこの醜態を晒しているという事実に‥打ちのめされそうだった。
顔をしかめていると‥不意に手を差し出される。
「あ‥あざっす‥」
礼を述べるが‥どうも声が掠れて上手く話せない。昨日は‥そんなに声を出したんだろうか‥記憶がない。
「別にいいよ。それにしても酷い声だね?まぁ、昨日は盛大に喘いでたもんな‥笑えるぐらい‥」
「えっ‥なん‥で、それを‥」
頭が真っ白になる。昨夜の記憶が途切れ途切れの俺にはいつ智さんがやってきたのかすら分からない‥
「覚えてないか‥まぁ、そうだよね‥でも、安心したら?お仕置きは終わったから‥」
「お‥仕置き?‥」
「俺の前で小川に抱かれたんだよ‥忘れたの?元々そういう約束だったろ?」
「えっ‥‥‥‥」
約束は覚えている。抱かれた事については‥小川さんが祐希さんに電話を掛けたところまでは覚えているが‥その後が思い出せない。智さんはその後に‥来た‥?。それなら、記憶がない間、ずっと智さんは見ていたんやろか‥
分からない‥
思い出せない‥
ぼんやりと何故か祐希さんの事なら思い出すのに‥
祐希さん‥
あれは夢やったんやろか‥
祐希さんの温かい手で抱き締められていた気がしたのに‥。そんな事をぼんやり考えてると‥
「‥ところでさ、いつまでこうしてんの?シャワー浴びなよ?」
いつまで経っても動かない俺にしびれを切らし、床に座り込む身体を智さんがぐいっと引っ張り上げようとする。だが‥その時、
下半身に力が入ったおかげで‥不意にドロっと漏れ出す感覚に身震いしてしまう。
「えっ!?」
咄嗟にペタンと床に座り込み無意識に隠そうと思ったが‥そんな俺を見て智さんが冷笑する。
「ははっ、それで隠してるつもりなの?」
「なっ、なん‥で‥」
「昨日、散々小川に出されてたもんね‥」
そう呟く声に‥嘘だと叫びたかった。小川さんはゴムをしていたはずだ。それは覚えている。
でも‥確かに‥体内から零れ落ちようとしているこれは‥
間違いなく‥
精液だった。
その残骸が太ももを伝って滑り落ちていく‥
痛む身体を引きずって何とか浴室に辿り着くと、熱いシャワーを頭上から浴びた。
色んなものを洗い流したかった。
ゴシゴシと洗うと、少しずつ頭がハッキリとしてくるが、それでも‥ある記憶だけがすっぽりと抜けている。
どうやっても、思い出せない。
記憶がない間、俺は何をしてたんやろ‥。
何故こんなにも思い出せないのか‥
散々記憶を辿るが‥それでも思い出す事は出来なかった。
‥そうやって、考えを巡らせていると‥
不意に浴室の扉が開く。
「らぁん♡起きたの?」
‥小川さんだった。
にこやかな笑顔で近づく。それも全裸で‥
「なっ、なんで‥」
「智さんから、藍はシャワー入ったって聞いたから。手伝うよ?」
「ええよ‥一人で入れるし‥」
‥なんだか気味が悪かった。普段と変わらない表情のはずなのに‥何故か‥
だから、小川さんの手を制し、慌ててシャワーを浴びようと手を伸ばす‥が、それを掴む前に‥
「ん!!やぁっっ!?」
突然、小川さんの指が敏感な部分に触れる。いま、一番触れて欲しくないその場所に‥
「やっだ、いや‥さわら‥んで」
「大丈夫だよ、処理するだけじゃん?このままにしてたら藍がキツイだろ?‥」
「いや‥自分で‥でき‥る‥」
「出来ないって。俺、奥に出したから‥言う事聞くよね?」
「やっ‥」
痛む身体をキツく押さえられ、身体が強張る。その瞬間を狙うようにして、二本の指が中に侵入する。
まだ充分に解れていたその部分はすんなりと受け入れていく。
「はぁ‥あったかいね、気持ちいい♡」
中のモノを掻き出そうとしているのか、小川さんの指が上下に動き、時折、二本の指を最大限に開くからそのたびに身体が反応してしまう。不覚にも熱が集中してしまいそうになる‥。
俺の身体‥どうしたんやろ‥。
「ほら、出てきたっ♪」
嬉しそうに呟く小川さんの声に‥堪らず拒むように頭を振った。見なくても分かる‥足を伝い落ちる感触に‥鳥肌が立った。
「きも‥ち悪い‥」
思わず声に出してしまう。
「ごめん‥昨日ゴムつけ忘れてさ‥藍って中に出された事ないの?」
「‥あるわけ‥ないや‥ん」
祐希さんは律儀だから、いつも必ず装着して行為に及んでくれていた。
お互いの身体の事を気遣うように‥
「そっかぁ‥ふーん、これも俺が初めてなわけか‥」
でも、
何故か小川さんは嬉しそうに笑う。
自ら吐き出した欲望が排水溝に吸い込まれるのを凝視しながら‥
お仕置きは終わった‥そのはずなのに‥
言いようのない不安感だけは‥
いつまでも消え去る事はなかった。
コメント
6件
小川くんの考えがよく分からなくなってきた… ほんとに複雑過ぎて読んだあとの余韻(?)がすごいです! 続きが楽しみです!
一番お仕置きされてるの藍くん(笑)確かに可哀想ではありますけど、でもこの後きっと藍くんは幸せになると信じて今は頑張ってもらいましょう(笑) 次回も楽しみにしてます!
最初から最後まで見させてもらいました、途中感動して泣いてしまいました😭これからがとてもたのしみです!!応援しています!