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和泉。
お前、この一ヶ月何考えてたんだ?
あと一ヶ月で死ぬかもしれないのに、ずっとワシに何でもないふりして隠し通して、それで全部隠して死のうとしたのか?
ワシ、なんにも知らなかった。和泉にひどいことたくさん言った。9月になったらああしようとか、来年もまた来ようとか、なんにも知らないでひどいことばっかり言ってた。
和泉が、今日いきなりワシにぎゅーした理由も、すごくよくわかった。もうすぐ死ぬなんて、ストレスどころの騒ぎじゃない。誰でもいいから抱きしめたかったんだ。
緑さんたちに全部聞いて、ワシはまた泣いてしまった。
『わ、ワシ、なんにも気づかなかった、ずっとのんきに暮らしてた、和泉、和泉すごく大変だったのに』
しゃくりあげながら言うと、緑さんに背中をなでられた。
「和泉さん、千歳ちゃんにだけは気づかせないようにしてたのよ、仕方ないのよ」
『でも、でも』
みんなに囲まれて泣いてたんだけど、病院の看護師さんらしき人が来た。
「和泉豊さん、このまま入院になります。ご本人、意識しっかりしてらして手続きはある程度ご自身でできるので、入院に入り用なものを持ってきていただけませんか」
『い、和泉大丈夫なのか? 治るのか?』
「今、容態を見るためにICUです。ですが安定しているので、様子見つつ検査して、異常がなかったら一般に移れると思います」
『あいしーゆーって何?』
「集中治療室のことです。でも容態は安定していますよ」
ワシは、顔を拭ってがんばって泣き止んだ。和泉は、病院に任せれば大丈夫な状態になったんだ。ちゃんと入院生活送れるようにしてやらなきゃ。
『入院セットって、何持っていったらいい?』
「こちらのパンフレットにまとめてあります。あと、スマホの充電器も必要でしょうね、和泉さん、服にスマホ入ってましたから」
看護師さんは、しっかりしたパンフレットをくれた。とりあえず、これに書いてあるものを持ってけばいいのか。
狭山先生が言った。
「僕も車出してますんで、千歳さんのこと家まで送りますよ。入院セットすぐ作れるなら、作った後またこの病院まで送ります」
『うん、ありがとう、シャンプーとか以外はすぐ揃えられそうだからお願いしたい』
ワシはパンフを読みながら返事した。
とりあえず、和泉をしっかり治してやらなきゃ。それで……和泉が元気になったら、和泉と、ちゃんと話がしたい。
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コメント
1件
みぅです🤍🥀 千歳ちゃんの気持ち、痛いほど伝わってきた…。和泉くんの病気知らされて、ずっと隠されてたショックと、自分が何も気づけなかった後悔、泣きながらも「入院セット持っていく」ってすぐ動ける千歳ちゃん、すごく強いなって思った。和泉くんが元気になったらちゃんと話したいって思えるところ、本当に尊い。重いテーマだけど、温かさもあって、静かに胸に響く話でした🌙