テラーノベル
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リリア💙🤍
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放課後の教室は、いつも少しだけ特別だった。
「ねぇ、今日も残るの?」
窓際の席で、本を閉じながら彼女が言う。
「まぁな」
ぶっきらぼうに返すけど、本当は違う。
ただ――彼女と話したいだけだ。
夕焼けが教室を赤く染める。
その光の中で、彼女は少しだけ儚く見えた。
「ねぇ」
「ん?」
「もしさ、私がいなくなったらどうする?」
突然の言葉に、思わず顔を上げる。
「は?なんだよそれ」
「いいから、答えてよ」
少し笑ってる。
でも、その目はどこか真剣だった。
「……探す」
少し考えて、そう言った。
「どこに行っても?」
「どこに行っても」
彼女は一瞬、驚いた顔をして――
「そっか」
小さく笑った。
その笑顔が、やけに胸に残った。
それから数日後。
彼女は、学校に来なくなった。
最初はただの欠席だと思っていた。
でも、一週間。二週間。
誰も、理由を知らない。
「転校したらしいよ」
クラスメイトの何気ない一言。
それだけで、全部終わった。
放課後。
気づけば、また教室に残っていた。
誰もいない席。
彼女がいた場所。
「……どこだよ」
拳を握る。
約束したのに。
どこに行っても探すって。
なのに――
どこに行けばいいかも分からない。
その日の帰り道。
ふと、見慣れない道に足を踏み入れていた。
まるで、引き寄せられるみたいに。
細い路地。
古びた街灯。
その奥に――
「……あ」
見つけた。
彼女が、立っていた。
「……やっと来たね」
いつもの笑顔。
でも、どこか違う。
「なんで…いなくなったんだよ」
息が少し荒い。
「探したんだぞ」
彼女は、少しだけ困ったように笑う。
「うん、知ってる」
「は?」
「だから、来てくれたんでしょ?」
その言葉の意味が分からない。
ただ、嫌な予感だけが広がる。
「ねぇ」
彼女が一歩近づく。
「約束、覚えてる?」
「……探すってやつか」
「そう」
彼女は頷く。
そして――
「でもね、それ叶えちゃダメな約束だったんだ」
「なんだよ、それ」
笑えない冗談だ。
「私はもう、“こっち側”の人間じゃないの」
その瞬間、空気が変わった。
街灯の光が、揺らぐ。
「……どういう意味だよ」
彼女は少しだけ目を伏せる。
「事故、あったの。あの日」
言葉が、頭に入ってこない。
「だからね」
顔を上げる。
その表情は、泣きそうなのに笑っていた。
「本当は、会えないはずだった」
「……じゃあなんで」
「約束したから」
一歩、また近づく。
「探すって言ったでしょ?」
喉が、詰まる。
何も言えない。
「でもね、もう時間ないの」
彼女の姿が、少しだけ透けていく。
「おい…待てよ」
手を伸ばす。
でも――
触れられない。
「最後に会えてよかった」
「ふざけんな」
声が震える。
「勝手にいなくなって、勝手に終わるなよ」
彼女は少しだけ目を細める。
「……ごめん」
その一言が、全部だった。
「でもね」
ふっと、優しく笑う。
「ちゃんと探してくれたでしょ?」
涙がこぼれる。
止まらない。
「だから、もう大丈夫」
姿が、どんどん薄くなる。
「お前が大丈夫じゃねぇよ…!」
叫ぶ。
でも届かない。
「好きだったよ」
最後に、彼女はそう言った。
「――じゃあね」
光の中に、消えた。
一人、残された道。
静かな夜。
「……遅ぇよ」
ぽつりと呟く。
言ってほしかった言葉。
伝えたかった言葉。
全部、もう遅い。
それでも――
胸の中には、確かに残っている。
あの放課後も、あの約束も。
消えないまま。
君のいない明日が来る。
でも俺はまだ――
その生き方を知らない。
コメント
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いつも、THE恋愛という文を書いているのに対して、さっき読ませていただいた文は切ない感じでした。 それも、いつもと違う部分だったのですが、 いつも女の子sideなのに対して、今回は男の子sideだったところです!やっぱり、個人的に男の子sideが好きです! 今回も、、めっちゃ良かったです!!