私は、金色の花畑の上で目を覚ました。
「ここは…?」
あたりを見回すと、辺りは薄暗くて何も見えなかった。
「ここは、どこなんだろう?」
だんだん不安な気持ちになってきたその時、
「OHHH YESSS!」
突然、四角い箱のような形のロボットが飛び出してきた。頭?には探検帽をかぶっていて、片手にマイク、もう片方の手には自撮り棒を持っている。
「本番組『遺跡を探検しまショー』も、そろそろ佳境!
ということで、こちらの方にインタビューしてみましょう!」
そう言って、ロボットは私にカメラとマイクを向けた。
「こねこちゃん、名前は?」
「アリス…」
突然のことで頭が真っ白になったけれど、なんとか声を絞り出した。
「アリス!いい名前だ!」
ロボットは両手がふさがっているのに、器用にパチパチと拍手している。
「ところで、こねこちゃん。キミは、どこからきたの?」
そう言って、ロボットは再び私にマイクを向けた。
「えっと…地上から!」
「HAHAHA!こねこちゃん、面白いこと言うね!
地上から来ただなんて、まるでキミはニンゲンみたいじゃないか!」
ロボットは、まるで面白いジョークを聞いたかのように笑い出した。
その後、ロボットはピタッと止まると、私のことをじっと見た。
「ん…待てよ…?薄オレンジの体、頭には髪の毛…
もしかして、キミ、本当にニンゲン…?」
「そうだよ、私はニンゲン!」
私は胸を張ってそう言った。
「そんな…ボク、本物のニンゲンに会っちゃったよ…」
ロボットはそう呟いた。だが、すぐカメラに向き直ると、
「なーんて、嘘だよ!これはニンゲンじゃなくて、ただのツクリモノ!びっくりした?
という訳で、本日の『遺跡を探検しまショー』はおしまい!
See you next time!」
明るく言って、強引に番組を終了させた。
「あの、ロボットさん、もう番組はいいの?」
「ニンゲンが映るなんて、放送事故だよ!
地底の王アズゴアは、地底に来たニンゲンは誰でも殺すと宣言しているんだ」
それを聞いて、私はゾッとした。一瞬とはいえ、テレビに映ってしまったのだ。私は殺されてしまうかもしれない…。
「まあ、ほとんどのモンスターはニンゲンがどんな姿を知らないから大丈夫。
とりあえず、ボクがキミをかくまってあげるからついてきて!」
「うん、分かったよ。ロボットさんについて行く」
行くあてもないので、このロボットについて行くことにした。
「おっと、ボクにはメタトンって名前があるんだ。メタトンって呼んでくれると嬉しいな」
そう言って、メタトンはライトのパネルをチカチカさせた。