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🧠あきめると🍥
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窓から差し込む、嫌気が指すくらいに眩しい朝。私は大嫌いなシスター服に腕を通して、鏡の自分にため息をついた。
扉を開け部屋を出ると、少し薄暗い、広い廊下。向こうからメガネ姿のシスターが歩いてくる。
「アルビナ聖教国」という場所の中心に位置する教会。一部では、「忘却の街」と呼ぶ者もいる。教会に来て懺悔すれば、嫌なことを忘れられて、神の御加護を受けられるからだと言う。馬鹿らしい理由だ。神なんて居るはずがないのに。ここに居るやつは全員馬鹿だ。じゃあどうして私はここに居るのか、なんて…私だって分からない。
ここには数人のシスターと、数人の信徒。今向かってきているやつ…セラは、ここにいるシスターでは最年長…の1個下。副リーダー的なやつなのだろう。
「おはようレラ。今日も貴方が白くありますように。」
意味わからない願いをして、私の名前を呼んでくる。
「おはようございます」
少し素っ気なかっただろうか?私はこいつの笑顔を見て覚えた作り笑いで返事を返す。
セラはにこりと笑うと、他の部屋へ挨拶に向かう。
その後、私は食堂に向かった。そこには、長い前髪で片目が隠れているやつがいる。
「レラさんっ、おはようございます!」
「ラナ。おはよう」
私はこいつが嫌いだ。ここのシスターの中で一番の馬鹿だと思う。小さい時から運が良いらしく、そのせいで神の存在を本気で信じてしまってるのだ。残念なやつだと思う。本をよく読むくせに頭が悪くて、必死に私に話しかけてくる馬鹿なやつ。…でも私はこいつの作るご飯が好き。
「一緒にご飯食べませんか?」
そのまま私はラナの誘いに乗り、一緒に食堂へ向かう。そこにはいつも通り素敵なご飯が置かれていた。向かいから1人の信徒が話しかけてくる。
「レラ様、ラナ様、おはようございます!」
ここの教会には信徒も住んでおり、共にご飯を食べる。クソみたいなシステムだ。
(あれ?)
いつも食堂の席の一番奥の真ん中に座っている、シスターの中での最年長の人間、ミナがいるはずの場所には今誰も居なかった。
「ラナ、ミナはどこ?」
ラナに聞くと、ラナは少し頬を赤くして、幸せそうに話し始めた。
「ミナさんは、神様の元へ召されましたよ。とっても、名誉な事ですよねぇ。」
恍惚とした表情で語るラナについ顔をしかませてしまう。
(あぁ、また居なくなってしまったのか。…でもシスターが?)
定期的に信徒から人が消えていき、周りは神の元へ行ったのだと喜んでいるが、そんな訳がない。殺されたんだ。誰かに。今まで私はミナを疑っていたのだが、ミナが死んだのだとなれば、一体誰なのだろう?いや、でも次の被害者が出るまでは…
「一体誰が?」
「誰がって、何がですか?」
「…あぁ、いや…」
つい声に出てしまっていたが、何とか取り繕う。取り繕えていたかはいいとして。
途端に、教会の大きな扉が開かれる。
ギィ…と重い音を立てて入ってきたのは、ボロボロの…少女?だった。こちらと目が合ったと思うと、ふっと倒れてしまった。
「大丈夫!?」
「大丈夫ですかぁ!?」
ラナと私は少女に駆け寄る。少女の後ろから、小さな双子のシスターが顔を覗かせる。この子供達は信徒ではなくシスター。少し陽気なのがクララ。すこし引っ込み思案なのかクレア。2人はツインテールを靡かせて教会の所へ入ってくる。
「2人とも、この人はどうしたの?」
「この人は、教会はどこにあるのかわたし達に聞いてきたの。だから、教えてあげてたんだよ!」
クララはにっこりと笑って答えた。
「で、でも倒れちゃって…大丈夫かな?」
心配そうにクレアが少女の…いや、少女という程幼くも無いかもしれない。15歳にも、18くらいにも見える。なんと呼ぶべきなんだろうか?横でラナが緊急治療をしていた。
「…あ!目、開きましたよ!」
言う通り、その人はゆっくりと目を開かせた。
「…シスター?」