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―――あの騒動から3ヶ月
私達はすっかりあれを忘れかけていた頃。
そんな中、朗報が私の耳に飛び込んできた。
「なぁ、亜衣奈。知ってるか?」
「何なに?雷くん。」
「俺達6人に加えて、もう一人仲間が増えるらしいぞっ!」
「えぇ!?誰だれ!?」
「それは… 知らねー。」
そう嬉しそうに話しかけてきたのは、いつもクールな雷くん。
あまり表情を変えない彼だけど、今回だけは喜んでいるようだった。
――でも、仲間が増えるだなんて… 異例の事態。
嬉しいけど、少し心配でもある。
みんなにはもうそれを伝えているらしく、随分騒がしくなっていた。
そしてそんな私達の元に、新人はやって来た―――!!
「…こんにちは…。」
恐る恐る家のドアを開けて入ってきたのは、夏の爽やかさを感じさせる男の子だった。
彼は家をキョロキョロ見渡している。
さっきまで騒いでいたみんなも、急に静かになった。
―――彼はしばらく時間を置いてから、家に入ってきた。
「えっと… 俺の名前は、『七星 天星(ななほし てんしょう)』って言います。よろしくお願いします―――。」
「よ、よろしくね…!」
真っ先にそう声をかけたのは、明らかに緊張を隠せていない 蘭ちゃんだ。
流石、グループのリーダーだ。
「えぇ… 私達も、一旦自己紹介しようか――!」
「うん――!」
そして私達は、それぞれ軽く自己紹介を終えた。
「んと… 天星くん、だよね――?」
「あ、はい…。」
なかなか空気が和まない私達。
そこで、話題を少し変えてみることにした。
「天星くんは… なんでここに来たの?」
「あぁ、それは―――。」
――遡ること数ヶ月前
俺は、この「忍者里」にやって来ていた。
この里は 俺の隣の里で、なんとなく散歩をしていたら、ここまで来てしまった。
最近地元に飽きたというのもあってか、いつの間にか刺激を求めて歩いてきていたようだ。
そして俺は、そこで一件の家を見つけた。
その家というのが――― この、ナンバーの家だった訳だ。
その家はとても広く、名前の表札が玄関に貼ってあったのだが、それが6つもあって驚いた。
俺は思わずそれを見ると、「一川」「二十里」「三枝」「四ヶ浦」「五宮」「六倉」と、どの名前にも数字が入っている事に気付いた。
「…(そういや俺の名前も『七星』だから、一応 七 って入ってるなぁ…)」
「(しかもちょうど6の次の7だし… なんか、楽しそう―――!!)」
そんな思いを寄せたこの里は、俺がよく訪れる場所となった。
――だけど、まだ心残りがあった。
このナンバーに、入りたいと…。
入ることは不可能かも知れないが、ダメ元で聞いてみるのもありかも知れない___!
俺はそう思い、ネットで必死に探して応募をしてみたのだ。
するとなんとOKを貰い、この家に遊びに来る事になった。
そして… 今に至る。
「という感じなんですけど―――」
「ほぉ、確かに「七星」だもんね!良い仲間だ!」
「これから仲良くなっていこうね!」
「は、はい…っ!」
「あ、敬語じゃなくて良いよ!仲間でしょ?」
「分かった!じゃあ、よろしく!」
〘よろしく〜!〙
そして私は、どんどん天星くんと親しくなった。
「ねぇ、天星くん!」
「何ー?」
「なんか、呼んで欲しいあだ名とかあるー?うち、あだ名で呼ぶの好きなんだよね!」
「あー… 自由に決めてくれて良いけど。」
「ほんと!? じゃあ… しょーくん!」
「良いよ?」
「やった!ありがと!」
「うんっ!」
彼は輝かしい笑顔で話してくれて、本当に素敵な人だ。
でも――― こんな中でも、また悲劇は起こった____。
―――翌日
「……あれ?もみちゃんは?」
「あ… 紅葉ちゃん、居ないね…?どこ行ったんだろ…。」
「もしや―――」