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『BLACK cat school』〜スクールライフは恋と波乱!?〜
5時間目 競技決めは波乱だらけ
2年生になって1ヶ月が経った。今日は2週間後に控える体育祭の競技決め。
個人種目の場合最低でも2つは競技を行うことが決められていて、クラスでは2つの競技に出る。そして部活動を含めたら大体みんな、5、6個の競技に出ることになる。
個人種目の競技
パン食い競走
障害物競走
借り物競争
綱引き
玉入れ
仮装リレー
この中から2つ選ぶ。
クラス種目の競技
大縄跳び
二人三脚
大玉送り
タイヤ引き
騎馬戦
棒倒し
この中から2つ選ぶ。
部活動の競技
部活動対抗リレー
と、言ったところだ。なかなかユニークなのが多い。そして今は昼休み。競技を決めるのは
5、6時間目。私は空き教室に呼び出されそこにはみんながいた。
『種目の話し合い?』
『はい。華さんはどの個人種目に入るか確認しておきたくて。』
『うーん…。借り物競争と綱引きかな。
体力には自信あるし、借り物競争ってお題が何が出るかワクワクするし。』
『なるほど…。運動神経のいい華さんなら確実に勝てるな。』
『そういうみんなは何にするの?』
『あ〜それは…。』
『まだ悩み中ってところだな。』
『そうっすね。どれも面白そうっすし。』
『まぁ確かにね。でも悩むだけあれだよ。せっかくの体育祭だし楽しまないと。』
『えぇ。そうですね。』
『……。』
実はこの話し合いは無意味。この時既にみんなは布石を打っている。そして競技決めの5、6時間目に差しかかる。
『まずは個人種目を決める。1人2つまでな。』
『華、競技決めてるの?』
『うん。借り物競争と綱引きにしようかな。』
『それなんだけどさ、うちらと同じにしない?』
『え?ミサキ達と?』
『うん、せっかく仲良くなったし同じ種目に出たいなって。』
『なるほどね…うん、もちろんいいよ!』
『やったぁ!』
『じゃあ仮装リレーとパン食い競走でいい?』
『うん、もちろん。』
『ニヤッ。計画通りっす。』
(利用するようなことをして申し訳ないっすけどね。悪く思わないことっす。華さん。)
話し合いの始まる少し前。
『あ、アモンくん、話って?』
『俺のファンクラブの3人に俺からのお願いっす。聞いてくれるっすか?』
俺は3人をうるうると見つめた。
『う、うん!も、もちろん!』
『良かったっす。実は華さんと3人を同じ種目にして欲しいんす。競技はパン食い競走と仮装リレーっす。』
『その2つにすればいいの?』
『はい。もしも借り物競争に参加されたら俺が華さんを選べないっすから。参加者は誘えない決まりなんすよねこれだけは俺らでも覆せなくて。』
『え?』
『いや、こっちの話っす。とにかくそういうことで。もし無事に出来たら俺からご褒美をあげるっすよ。』
と、俺は耳元で囁く。
『ギュンッ( >ᾥ< )💘』×3
『『『もう既にご褒美です……っ。』』』
3人とも買収完了。
『これで華さんのパン食い競走の可愛い姿と仮装リレーで恥ずかしがる衣装を聞かせて照れてる顔が収められるっす。いや〜我ながら天才っすね。次はボスキさん達の番っすよ。』
『あぁ。任せとけ。』
廊下の影に隠れていたハウレスさんとボスキさんに声をかける。
『…どうしてもやらないといけないのか?』
『これも俺らの為だ。諦めろ。ハウレス。』
『く……っ。』
『お前のところのファンクラブの会長…
確か借り物競争のクジの係だったよな?』
『…あぁ。ベリアンさんが調査済みだ。』
『それと運のいいことに俺のファンクラブの会長もなんだ。2人で頼めばイチコロだな。』
『はぁ、荷が重いな。』
俺達はくじ引き係の2人の所へ向かう。
『借り物競争のクジはこれでいいわね。』
『えぇ。ありがとうミオリ。』
『それにしてもカオルはユニークなくじを考えたわね。』
ボスキファンクラブ会長 カオル
『ふふ、これとか特にいいでしょ? 』
『外の体育倉庫に置いてこないとね。』
と、廊下を歩いていたらハウレス様とボスキ様に出会う。
『その前にちょっといいか?』
『『!?』』
『す、少し2人に用事があるんだ。』
『ハウレス様…っ!\ボスキ様…っ!』
『2人にしか頼めないことだ。』
『わ、私達にしか…?』
2人が距離を詰めてくる。
ドンッ!
2人に壁ドンされてしまう。
『そのクジとは別に…もう何個かクジを作って欲しいんだ。』
『もう1つ……?』
『あ、あぁ。18枚…好きな人と書いたクジを
入れて欲しい。』
『俺達が競技に出た時だけその箱を出すんだ。』
『わ、分かりやすいように…厚紙で書いてくれると助かる。』
『わ、分かりましたわ!』
『ボスキ様の頼みならいくらでも…!』
『あぁ。ありがとな。』
『笑った顔も素敵です…///』
『か、感謝する。』
『戸惑った顔も素敵です。ハウレス様…///』
こうして不届き者が排出されていく…
続いて仮装リレーの衣装についても既に布石が打たれている。
『それで俺達が駆り出されたのか。』
『そうみたいです。俺達のファンクラブの会長が衣装を用意する係みたいで。』
『なるほどね。まぁ俺とフェネス君なら大丈夫だよ。』
『うーん、不安です。』
『さて、衣服室に行こうか。』
『はい。』
『渡された予算で衣装を揃えるのは大変だね。』
『まぁ充分だと思う。ド〇キとかで買えば沢山買えるよ。』
『それもそうだね。』
『一気に買うと大変だから分けて買おうか。』
『うん。』
コンコンっ。
『ん?誰だろ。』
『はい、開いてますよ。』
ガラッ
『2人とも忙しい時ごめんね。』
『べ、ベレン君…っ!?\/ フェネス君…っ!?』
※ファンクラブによって呼び方は様々です。
『衣装のことについて2人に頼みがあってね。』
『衣装?』
『う、うん。2年生の華さんって人知ってるかな?』
『は、はい。吹奏楽部の副部長ですから。』
『あれ、2人とも同じ部活?』
『は、はい。華さんにはいつもお世話になってますから。』
『それなら話が早いね。華さんの衣装について今日は2人に話があるんだ。』
『華副部長の衣装…』
『うん。華さんにはメイド服を着させて欲しい。』
『メイド服…ですか?』
『うん。絶対かわいいと思うよ。』
『俺達のお願い…聞いてくれる?』
『『上目遣い…っ!!もちろんです!!』』
『ふふ、ありがとう。』
不届き者はどんどん排出されていく。
それを知らないのは当本人だけ。
(華ごめんね…アモンくんに頼まれたら
断れない。)
(華さんごめんなさいね。ハウレス様のあの顔を見たら断れませんわ。)
(ボスキ様の望みを叶えてこそファンクラブとしての役目ですわ。悪く思わないでくださいね、華さん。)
((華副部長ごめんなさい……。
会長として推しからの頼みは断れないです。)
『よし、これで個人種目の競技は決まったな。次はクラスの種目だ。みんなで話し合いで決めてくれ。』
『うーん、どれも楽しそうだけどね。』
『棒倒しとか楽しそう!』
『騎馬戦もいいじゃん。』
(華さん楽しそうっすね。本番どうなるか知らずに……。)
執事たちはこの時全員計画通り( ≖ᴗ≖)ニヤッとしていた。
次回
6時間目 体育祭練習はお祭り騒ぎ!?
コメント
2件
毎回キャラが言ってそう…!ってなるのすごすぎます…💓 あまり、あくねこの夢小説読まないのですが、ぷちさんのは見てしまいます💓