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そうこうしていると…
キーンコーンカーンコーン…
授業の始まりの鐘が鳴った。
担「はーい、みんなおはよう。
今日の1限は宿泊学習の班決めだ。
初対面の者も多いだろうから…出席番号で決めてもいいが、どうする?」
担任の進藤先生が生徒を見渡し余計な提案をしてくる。
今日も爽やかな先生だわぁ。
じゃなくて…
先生、出席番号順はダメだ。
それは夕海と一緒になれないから困る…!!
蒼「はーい、先生」
そのとき、後ろから声がした。
担「えーっと、白鳥…蒼のほう」
席の名簿を見ながら先生が蒼くんに耳を傾ける。
蒼「先生、ここは自由に決めちゃっていいと思います。
昨日の交流タイムで仲良くなってる人たちもいます。
まずはそういう仲を深めるのなんて、どうですかね」
蒼くんが手を挙げて発言する。
うんうん。同意。
てか蒼くん、そういうタイプね。
所謂優等生、的な。
みんなの視線が蒼くんに集まる中、私も振り返ってみる。
ばちっと、目が合った。
青い瞳が、薄い唇が、弧を描く。
ばっと、思わず目を逸らした。
あれが王子スマイルってやつ???
破壊力えぐっ!!!!
周りのみんなは気づいてなさそう。
そりゃ、こんな微笑み見せつけられたら黙っておけないよね。
にしても…
うーーーーん。
ナイスアイデア白鳥蒼様。
これはウチの学級委員長、決まった気がする。
担「そうか、そうだな。みんなもそれでいいか?」
はーい。
問題なっしんぐ。
教室のあちこちからそのような声が飛び交う。
担「じゃあ残り30分、みんなで話あって決めてくれ。
それから班長もな。
班長は30分経ったら俺のところにきてくれ。
それぞれお世話になる家の人を決める」
お世話になる家の人…????
このときはまだ、宿泊学習の内容なんてこれっぽっちも分かっていなかった。