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春風

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春風

3 - 第3話 接近(Side Y)

2026年02月16日

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初めてキラキラの配達員のお兄さんを見てから、彼は密かに私の推しとなった。


よく荷物が来るので顔を合わせる機会も多くなった。


相変わらず手越さんとは会話をするけど、推しのお兄さんとは「お荷物お届けにきました!サイン下さい!」『は〜い、ありがとうございます。』など形式的なもののみ。


でもそれだけでもイケメンを拝めて元気がでていた。



手越さんや他の人はサイン無しで置いていくのだが、彼は必ず「サインお願いします」と言っていた。すごく真面目なんだろうなという印象を受けていた。



そんな感じで数カ月がたった。



コンビニでデザートを買い家までの道を歩いていると、トラックに乗っている彼とすれ違った。


「あ!」と思い思わず笑顔で両手を振った。


彼もこちらに気付いていて、ハンドルを両手で握ったままペコペコと頭を下げている。



手振り返してくれなかったな…。


と、勝手に少し淋しい気持ちになった。いやそれよりも両手をブンブンふったのは馴れ馴れしかったかもしれない…!と若干のやらかした感を覚えたが、もう今更なので気にしないことにした。



その翌日、彼が配達に来てくれた。


昨日の今日で…!とちょっと恥ずかしかったが、いつも通り『ありがとうございます!』と荷物を受け取った。



「あの…!」


彼が口を開いた。



「こないだ、実は手を振られる前から綺麗な立ち姿で気付いてて!手を振ってくれたの嬉しくって…!あれすごい可愛かったです!!」



…ビックリした…!

可愛いと言われる歳でもないし、こんなかっこいい子にお世辞でもそんなこと言われるなんて…!



『あはは!いやいや!何言ってんの〜!お兄さん見つけて思わず手振っちゃったよ〜!!』…というようなことを言ったと思う。

テンパっていてあまり覚えていない。



「すごい可愛かったです…!」



その後のことはほんとになにを話したか覚えていないが、部屋に戻ってから自分の心臓がうるさかった。



イケメンってすごいなぁ…きっといつも褒められているから他人に対してもサラッと褒めるということが出来るんだなぁ…。私だったらきっと‘お前に言われても’とかキモがられるかなぁとか考えてしまう。


きっと人の悪意に晒されてないから素直にああいうことを言えるんだろうなぁ。


と、イケメンはすごいなとバカみたいな感想を抱いていた。






後日荷物が届いた時になにを思ったのか、いつも通りお礼をいい荷物を受け取ってドアを閉めようとしたくせにもう一度開いて



『お兄さんかっこいいよね♪』


と言ってしまった。



自分はバカかほんとに…。

自分のバカさ加減が嫌になったが、


「え!ありがとうございます!!!」と満面の笑みのお兄さん。


その返しでやっぱりイケメンはかっこいいと言われ慣れてるんだなぁと感じた。



『誰かに似てるって言われない??ズンドコの人とか言われたりする??』


誰かに似てる気がして聞いてみた。ズンドコより似てる人いる気がしたが正解が出てこない。



「あ、V6の人に似てるってよく言われます。格闘技もやってる人。」


『あー!!そうだ〜!!』


…とスッキリしたところで、『あ、ごめんね仕事中に引き止めて。えっと…寺田くん…だっけ!』



「とんでもないです!話せて嬉しいです。はい!!あきらっていいます!寺田あきらです!!」



『あきらくん?って呼んでいいのかな。ステキな名前だね。』


「ありがとうございます!自分もゆうさんって呼ばせて下さい!」




私のバカな行動と発言が吉と出たのか、推しの彼と下の名前で呼び合えるようになった。


もちろん推しの位置なので恋愛としての好きではなく憧れという感じだった。


アイドルの推し活をしたことはないけど、きっとこういう感じなんだろうなぁ…と思っていた。


自分の気持ちにも相手の気持ちにも鈍い私はその時ほんとに自分の気持ちを分かっていなかった。



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