テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
Sara
220
煙草 ▹▸ gtus
※恋人
※事後
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「…ガッチさん」
「あれ、うっしー?体大丈夫なの?」
「痛いに決まってますが?誰のせいだと思ってます?」
呑気にベランダで夜景を眺めてる恋人にイラッときて怒りを含めた発言をする。
「そんな事言わないでようっし〜」
「ガッさんのせいじゃん」
抱きついてくるガッチさんに抵抗しようも体が痛いからされるがままになる。がっちりと抱き締められ、仄かに街中でよく吸う匂いがする。
「…くさい」
「えぇ!?」
「煙草臭い。なんで?」
「あー、これ?」
そう言って出してきたものは火のついた煙草で一瞬にして背筋が凍る。
「あっっっ、ぶな!?」
「大丈夫だよ。気を付けてたから」
「気を付けてたらいいって訳じゃなくない!?」
咄嗟にガッチさんから離れてしまったがガッチさんはあまり気にしなかったようでベランダの柵にもたれかかっていた。
「てかなんで煙草、?ガッチさん吸ってなかったくない?」
「んー?10年以上前は吸ってたよ?」
「…へぇ」
「……」
「え、だから何」
吸ってた事実だけを話して黙ったガッチさんにいつも通りツッコミをしてしまう。
「なんか急に気になってね。味?が」
「だからって…」
「やっぱ苦いね。1箱買ったけどもう1本で十分かも」
野菜も食えないくせに何してんだと呆れながらも絵になっているガッチさんに目を奪われる。
「……見惚れちゃった?」
「は」
図星を突かれて思わず体が固まる。そして即座に否定をする。バレたくないがために。
「い、っやいやいや!?そんなことないですけど!?」
「…そっか〜」
「ぇちょ、っ」
分かりやすくしょんぼりとするガッチさんに驚いて俺までも分かりやすく反応をする。
「そんな落ち込むことないじゃん…」
「うっしーのことだもん。そりゃ落ち込むよ」
鼻を触りながら不貞腐れる姿は先程の絵になっていた姿とは大違いで可愛く見えてしまった。だけどガッチさんはまた1度だけ煙草を口に咥え直してゆっくり息を吐いた。白い煙が夜の暗さによって輝くように見え、夜の中に溶けていく。
夜景との相性良すぎんだよ。
「本当に見惚れてないの?」
「見惚れてない」
即答をする。ガッチさんの先程とは違う少し低い声に反応しながらもバレたくないの一心ですぐに返答してしまった。
「ふーん、」
ガッチさんは少し笑って今度はわざとらしく煙を溜める。そして口を開いて先程の様に吐くのかと思えば突然俺の方を向いてきた。目の前が一瞬にして薄白くなる。
「っ、ガッ…さ、」
吐き出された煙が顔にかかる。ケホケホと少しむせながらガッチさんの方を見ると俺が嫌がってるのを見てなのかお気に召したようでにんまりとした笑顔だった。
「俺と言った通りでしょ?」
「…なにが、」
「苦いって話」
「あぁ……そりゃ当たり前じゃん」
突然の行動に呆れ、睨み付けてみるとガッチさんは少しだけ目を細める。そして、俺はこの行為の意味を思い出す。
「でもさ」
近付いてくるガッチさんから離れようと1歩下がると気付いたようで手首を軽く掴まれる。
「嫌そうな顔じゃないけど?」
そりゃ、この行為の意味を知ってるからで…
と心の中で言い訳をするが顔に出てたということで体が熱くなる。それと同時に煙の匂いと体温が一気に近付く。
「こういうの…」
先程よりも近い距離で、もう1度息を吐かれる。
「……慣れたら、癖になっちゃうよ?」
今度は逃がさない。
そう遠回しに言われた気がした。
「っ、そういうの…」
掴まれた手首を離させようとするも力が入らない。
「…やめ_」
「なんで?」
食いつくように声を被せてくるガッチさん。だけど何も分かって無さそうな顔でそう言ってくるものだから1人で浮かれてたんだと顔が熱くなる。
こういうのが1番タチ悪ぃんだよ。
「…知らねぇの?ガッチさんは」
「なにが?」
「…これ」
煙草を指差すと理解して無いみたいだがまた咥えて再度顔に煙を吐かれる。
…わざとだろ、これ。知っててやってんだろ。
「こういうのどういう意味か知ってんの?」
一瞬、1秒だけ間が空く。
「……さぁ?ただのイタズラなんじゃないの?」
笑いながらそう言ってくるガッチさん。その言い方に余計腹が立つ。
「……はぁ、もういいよ。意味分かってないならやんない方がいいよ。俺以外にはね」
軽く溜息をついて視線を逸らす。
「え、なんで?」
「…勘違いするから」
小さく、独り言程度に言ったのに。
「……へぇ」
すぐ近くで小さく笑いを含めた声。
「…勘違い、ねぇ」
煙草を持っていない片手で軽く顎に指をかけられて無理矢理顔を上げられる。周りは暗くて顔はよく見えないはずなのにタレ目な鋭い目はしっかりと見える。それを見て俺は息を飲んだ。
「じゃあさ、」
顎から頬に手は動いてこそばゆくて少し反応をする。それだけが理由ではないだろうけれど。
ガッチさんはふ、と笑いを含めながら俺の瞳を覗いてこう言った。
「…してるの?勘違い」
その言い方に、少しだけ引っかかる。
「……してないですけど」
恋人なのに、“勘違い”って何だよ。
そう思った瞬間、口を塞がれる。
「っ——」
煙草の味。
一瞬にして口内に広がるいつもと違う苦味のあるキスに、思わず眉を寄せる。
「……にが」
「でしょ」
先程と同じような軽く笑う声。それが、妙に腹立つ。
「…何がしたいの」
「別に?」
もう一度近づいてくる気配に、今度は少しだけ顔を背ける。
「やめて」
「なんで?」
「……煙草くさいから」
半分本音で、半分は誤魔化し。苦いものはいけるとしても、煙草は別だ。
「ふーん」
少しだけ間があって、
「じゃあやめる」
あっさり離れていく。
その方が、困ってしまう。
「……は?」
思わず声が出る。
「なに?」
「いや……」
引き止める理由なんて、ないのに。
「……別に」
視線を逸らすと、くすっと笑われる。
「なに、うっしー」
さっきより優しい声で、
「もう一回してほしい?」
揶揄うような声。
こういう時のガッチさんが1番嫌だ。
「……別に」
視線を逸らしたまま答える。素直に言うわけない。言えるわけが無いのだ。
「へぇ」
少しだけ間があって、足音が近づく。かと思えば俺の後ろにある窓を開けた。
「じゃあいいや」
そう言って、本当に距離を取ろうとするから。
「……待って」
気づいたら、服の袖を掴んでた。自分でも何がしたいのか分からない。
「なに」
振り返るガッチさんの顔が、さっきよりずっと近く感じる。
「……いや、別に」
離そうとしても、指に力が入らない。離したくないと何処かで叫んでいる自分がいる。
「煙草くさいんじゃなかったの?」
「……それは、そうだけど…」
図星を刺されて、言葉に詰まる。少しだけ笑う気配。
「ほんと分かりやすいね」
指をほどかれて、そのまま手を取られる。逃げる暇もなく引き寄せられて。今度は、さっきよりゆっくり口を塞がれる。
「……っ」
また、この味。
苦いはずなのに、さっきより嫌じゃない。むしろ
「……慣れてきた?」
ほんの少しだけ離れて、低く囁かれる。何度も聞いた声なのに、毎回の様に反応してしまう。
「……っ、うるさい」
否定する声が、弱い。これが本音じゃないと分かりやすく伝えているようだった。
「ふーん」
今度は笑いを隠さない。
「じゃあもうちょい慣れよっか」
逃がす気なんて最初からないみたいに、もう一度距離を詰めてくる。
結局、いつも通りガッチさんに流される。
また、長い一夜が始まっていく。
苦い匂いが、まだ消えないまま。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
🥷さんの周年が4/18(今日)だと知り、爆速で仕上げました。(1時間くらい)
この前アンケートを取ったgtusの物語ではありません。こちらの方が…早くできそうだったんで…👉👈
取り敢えず今回初めての🥷🐮だったのですが如何でしたか?
最近『煙草を顔にかけられる』というシチュをよく目にしたので折角なら、と作りました✌️左からのお誘い…普通に誘うんじゃなくて遠回しに伝えるっていうのがこのシチュの良さだと思ってます😌💕
口調をあまり捉えれていないのは🔝4の中だと🦀さんだけなので今回は上手くいったと思いたいです…😖
えー、🥷さん17周年おめでとうございます!
これからも頑張って欲しいですね…🥺
イラストも…上がってると思うので、其方も見ていただけると嬉しいです🤗💕
コメント
2件
gtさんってなんか煙草似合うよなぁ… お誘いに素直に乗らない(乗れない)us可愛いぜ…🫶ツンデレ正義