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「さっき隆二は出て行ったよ、日本に帰った」
父が静かに言った、リーファンは、一瞬聞き間違いではないかと父の厳しい顔を見つめ、それから震える声で聞きかえした
「今、なんて言ったの?」
父は緊張した表情をくずさない
「私が出て行けと言った、でないとアイツを殴り殺していたから」
その一言に彼女は殴られたようなショックを受け、あとの言葉は耳に入らなかった
「どうしてそんな事を彼に言ったの?父さん!私達愛しあっているのよ!私は彼と結婚したいわ」
「まさにお前がそう思っている事が出て行かせた原因なんだよ」
リーファンはワナワナと全身を震わせて、立ちあがった
「分かりました!私も彼の後を追います、ここを出て行くわ、 もう彼とは離れられないの、パパはわかってないのよ」
リーファンは荷造りをしようとすかさず二階へ駆け上がろうとした、今からならバスで追いかければ空港にいる彼に間に合う、ああ・・・可哀想な隆二、父に反対されてしかたなく私を諦めたのね、私の考えは違うと、早く行って伝えなきゃ
「待ちなさい!リーファン!」
咄嗟に父に後ろから羽交い絞めにされる
「いやよ!嫌!私は隆二の所へ行くわ!パパなんか大嫌い!」
青ざめた顔の父がリーファンに叫ぶ
「アイツはお前が追いかけるほどの男ではない!お願いだから父の話を聞いてくれ」
「嫌よ!いやいや!父さんなんか嫌いよ!隆二と私の仲を裂くなんて、そんな事誰にもさせないわ!私は隆二を愛してるの!愛しているのよ!」
父の腕を振りほどいてリーファンが部屋のクローゼットから大きなスーツケースを泣きながら取り出した
大学入試様に買っておいたスーツケースだ、早く彼を追いかけなくては、必要なものは日本で買えばいい
「リーファン!荷造りなんかやめなさい!」
父がリーファンの一張羅のワンピースを取り上げた、リーファンが泣きながら叫んだ
「どうしてパパは私達の邪魔をするの?どうしてそんなひどい事をするの?日本へ行くわ!私、隆二と幸せになるわ、今は無理でもきっといつかパパにも理解してもらえる―」
「お前はアイツの所へいっても絶対に幸せになれない!」
「だからどうしてっっ!!」
興奮してるリーファンが大声で怒鳴った、すると今まで優しかった父が驚くほどの大声で彼女を地獄へ突き落す言葉を発した
「アイツは日本に妻も子供もいるんだ!お前とは結婚する気なんかないんだよ!」
・:.。.
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