テラーノベル
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岩本照という、最強の軍師を得て。
阿部亮平の、四度目にして(おそらく)最後の戦いの準備は、着々と進められた。
問題はどうやって自然に「お泊まり」のシチュエーションに持ち込むか。
阿部は数日間、完璧なタイミングを窺っていた。
そのチャンスは、あるオフの日の夜に訪れた。
二人で食事をした帰り道。
夜風が心地よく、他愛もない話をしながら並んで歩く。最高のシチュエーションだ。
「…佐久間」
「んー?」
阿部は心臓が早鐘を打つのを感じながら、できる限り自然な声色を装った。
「この後、特に予定ないんだよね?」
「うん、ないよー!帰ってアニメ見るだけ!」
「そっか。…あのさ」
阿部は一度、ごくりと喉を鳴らす。
そして練習通りに、完璧なセリフを口にした。
「今日、うちに泊まっていかない?」
その言葉に佐久間は、ぱちくりと目を瞬かせた。
そして、次の瞬間。
「え、いいの!?やったぁ!!」
阿部が予想していたよりも遥かにあっさりと、そして満面の笑みで彼は快諾した。
「じゃ、阿部ちゃんちで、アニメの続き見る!!コンビニで、お菓子とジュースも買っていこうぜ!」
何の疑いもなく嬉しそうにはしゃぐ佐久間。
その、あまりにも無防備で純粋な姿に、阿部の胸は罪悪感で少しだけチクリと痛んだ。
(…ごめん、佐久間。今日だけは僕を許してくれ…)
しかしもう後には引けない。
全てはこの長い戦いに、終止符を打つためなのだ。
阿部は心の中で佐久間に謝りながら、静かに、そして力強くガッツポーズをした。
(よし、完璧だ…)
第一段階。クリア。
獲物は見事に罠にかかった。
あとは、最高の舞台(ベッドの上)で、軍師・岩本照から授かった最強のキラーフレーズを叩きつけるだけだ。
阿部は、これから始まるであろう、甘く、そして激しい夜の戦いを思い描き、逸る気持ちを必死に抑えながら、佐久間と共に夜のコンビニへと足を向けたのだった。
コメント
6件
今起きたー!
続き見たい見たい!!! お願いします🙇
阿部ちゃん張り切るのもいいけど、コンビニでお菓子買うことぐらい楽しんだ方がいいんじゃない? 続き楽しみにしてます!!