降ってくる物を見れば分かる。天界は豊かなんだろう。
「生物は不思議なもんだ。生きる “環境”に適応して姿形を変えていく。降ってきた廃棄物の中には下界では確認されていない種の死骸が混ざっている。人も同じ。生きる “環境” が違えば人間性も違ってくる。俺は “下界人” でお前達は “天界人” だがどうしてだ?どうして俺と同じ目をしている?」
他が戦っている間、ラムレザル達は武器を交えることなく淡々と会話を続けていた。
「ジャバーが言っていた。お前は俺と同じニオイがすると。あんな奴だが人を見る目はある。だから余計興味が湧いた。俺が直接出向きたくなったんだ」
「…ハッ、何が出向きたくなったんだ?じゃあワタシはなんだよ?オマケか?」
「欲しい物は何がなんでも奪うと言ったな。」
「ああ。言ったな」
「俺はお前が欲しい。もうあんな関係ではなく、しっかりと、対等な関係が俺は欲しい」
今でこそ敵同士の2人だが過去にそういう関係になっている。
諸事情で一時的にラムレザルから離れたがそれを許さなかったゾディル。ラムレザルを手に入れるための準備を着々と進めていたのだ。
「ヤダね。上を落とすとか出来ることかどうかもわかんねぇ事にワタシらを勧誘してる時点でお断りだね。だろ?ルド」
「…そ、そもそもオレはオレの意思でオレがぶっ飛ばしたいヤツをぶっ飛ばしに天界目指してんだよ。勝手に同類にしてあいつら巻き込んでんじゃねぇ!!」
ルドはそうはっきりと言いきった。
「なぁ…ゾディル。普通って何だろうな。」
「…」
「どんな “異常” でも麻痺すれば “日常” にそして “常識” になる。抗えば “異端” になる」
ラムレザルは足元に来ていたゴキブリを掴みあげると手の中で弄くり回す。
「”薬” になる常識もある。けど、イカれたヤツが作った常識は誰にも気付かれず触れられず蝕み続けた結果が “猛毒” だ。」
ラムレザルはゾディルの方へと足を向けゾディルに近寄る。
「このご時世誰が猛毒かも分かんねぇ。手っ取り早く猛毒による幻覚から一瞬戻す方法は… “衝撃” を与える」
ラムレザルはゾディルの目の前に立つとゾディルの手の上にゴキブリを置いた。
「……便利だよな衝撃って。強制的に内側を引き出せる最短手段だ。ルドもジャバーと会って引き出された。ワタシは___」
【とうの昔に引き出されている】
「でもそうだとしたら…ジャバーの相手をしてるうちのやつも引き出せる可能性があるわけだ。」
「…いいのか?その衝撃に耐えきれないと死ぬんだぞ」
「死ぬも生きるも本人次第…ワタシには祈るしか道はねぇよ」
「(あ〜…こいつもじゃ。こいつもあっち側じゃ…天才側じゃ)」
フルパワー状態になったジャバー相手にザンカは少し羨ましい気持ちになっていた。
「(あんなんフツウ勝てるわけなかろうが。なんじゃ “本気じゃなかった” ってなんじゃ “抑えとった” って。そう見られたくてそう言っとる奴らはアホほど見てきたけど本物はもう目が純粋すぎてわかってしまうんじゃ。はぁ〜〜ほんま… “凡人は何やっても天才には勝てん”…)」
ザンカは一息付き、再度武器を構えてジャバーに飛びかかった。
「(だからこそ “勝ち甲斐” があるのぉ!!)」






