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諸君、私はハヤト=ライデン。偉大なるロザリア帝国の大企業ライデン工業の社長兼主任設計士である。

さて前置きは捨て置こうか。私は転生者である。まあ、それは以前話したな。私はこの世界で思う存分趣味の兵器開発に邁進しているのだが、後悔がないわけではない。そのうちの一つが、『ドール』。或いは『フロイライン』と呼ばれる人体改造兵器である。先に言うが、私は一切関与していない。だが切っ掛けを与えてしまったのは事実なのだ。

事の始まりは、ロザリア帝国の宿敵。南の大国アルカディア帝国の魔道兵の存在だった。私も耳にしたは時はファンタジーの極みだと面白く思ったものだが、政府は何を思ったか我が社に魔道兵の再現を依頼してきたのだ。

冗談ではない、私は仮面のバイク乗りを作った秘密結社ではないのだぞ。改造人間など専門外だ。

だが、当時は政府に認められて重工業化に向けて邁進しており、政府からの要請を簡単に断ることはできなかった。

そこで私は帝国に私の知る限りの医療技術を開示した。とは言え私は工学博士。医療など一般人より多少知る程度の知識しかなかったが、人体解剖図などは帝国にとって驚異的なものだったらしく帝国の医療は飛躍的な発達を果たした。それをもとにして、政府が何をしようが私の知ったことではないからな。

それだけならば良かったのだ。少なくとも改造への道を示したのだから。だが、この公表を見ていた男が居たのだ。そう、ハースペクターと言うマッドサイエンティストだ。

奴は私と同じ転生者だ。忘れる筈もない。当時世界中で数多の人体実験を繰り返した狂人。最後はヨーロッパのどこかで捕まって処刑された筈だ。世界を震撼させた奴だからな、世辞に疎い私ですら知っていた。

そんな奴が何の因果かこの世界に来て、私の公表した人体図やアルカディア帝国の魔道兵を知ってしまった。

それからの奴の動きは早かった。マッドサイエンティスト何て呼ばれてるが、奴は一流の医者でもあったからな。そこらの病院に飛び込んで改革を押し進めて有名になり、政府お抱えの医師に成りやがった。わずか三年でな。

そして奴は政府の後ろ楯を良いことに、思う存分研究に明け暮れた。どれだけの犠牲が出たか、考えたくもない。数年で奴は『ドール』を作り上げやがった。何で未成年の女子しか使わなかったかは、知るわけがない。どうせロクでもない理由だろうさ。

紆余曲折を経てドール、フロイライン計画は頓挫したが、野郎はわざと技術を流しやがったから堪らない。乱造品が溢れかえった。とんでもない数の子供を犠牲にしてな。

兵器作りに邁進してる私が言える立場ではないが、奴に機会を与える切っ掛けを作ってしまったのが大きな悔いだ。私は、奴の素性を知りながら放置したんだからな。

計画頓挫後奴が何をしているかは分からない。まだ政府お抱えの医師をやってるみたいだが、奴が満足する筈もない。また何かやらかすだろう。今となっては、私に直接火の粉が降りかからないことを願うだけだ。

あんな男をこの世界に呼び寄せた神様なんかに祈っても効果は期待できないがね。

さて、懺悔とは他に驚いたこともある。それは、ここ数年帝国貴族が好むと言う野菜類だ。何度か耳にしたことはある。とてつもなく美味しくて、しかも大振りなのだとか。

ターラン商会が独占的に扱っており、庶民の手にはできない程の高値で売買されている。それらの野菜を使った料理を提供できるのは、貴族にとって社交界でのステータスなのだとか。

さて、そんな、野菜類だがターラン商会が挨拶の手土産に持参してきた。手広い商売をやっているターラン商会と我が社は当然深い繋がりがあり、贈り物は双方行っている。今回はその一環なのだとか。

繰り返すが、私は転生者である。現代日本で数百年に渡り改良されてきた食材の味を知っている。この世界の食事は日本と比べて質素だ。調味料は無いし、調理法も少ないもの。

はっきり言って不味い。食べねば死ぬので食べているが、不味いのだ。かといって私に調味料の再現など無理だ。無論、料理などしたこともない。

だが、このターラン商会の野菜類は何だ!瑞々しくしゃきしゃきとした歯応えは紛れもなく日本で食べていたものだ!懐かしさと美味しさに涙してしまった。まさか、作ったものは転生者か!?成らば是非とも会いたいものだ!私の食生活のために!

この日を境に、私はターラン商会、その裏にある農園に関心を寄せることに成った。

暗黒街のお嬢様~全てを失った伯爵令嬢は復讐を果たすため裏社会で最強の組織を作り上げる~

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