休日 2

日曜日。

土曜日から泊まっていた渡辺。

今、目黒から足のチェックをされている。

目黒ー腫れてる。

渡辺ー・・。

目黒ー何で隠すかな？

渡辺ー蓮、ごめんって。

目黒ーこんな時だけ名前で呼ばない！

渡辺ーぶ〜。

目黒ー連れて行かないよ？

渡辺ー行くってば！

目黒ーテーピングしっかりとするから、引きずるよ？

渡辺ーう〜。

目黒ー巻き終わったら、連れて行くから。

渡辺ーん。ありがと。

結局は渡辺に甘い目黒。

お弁当も作ったし、$誌も袋に入れたし、足もテーピングしてるし。

渡辺は、巻き終わった目黒に抱きつきキスをする。

仕方ないなぁと笑う目黒。

目黒ー俺は両手が塞がってるから、気をつけて歩いて？

渡辺ー分かってる。

目黒ーエレベーターまで、頑張って。

渡辺ー分かってる！

目黒ーあっ何？その言い方。

渡辺ーごめんって。

昨日、散々説教されて。

今朝は、溺愛の鬼復活である。

内緒にしようとしたことを、激しく後悔している。

目黒ー行くよ。

渡辺ーん、ありがと。お婆ちゃん好みのお弁当作ってくれて。

目黒ーどういたしまして。

渡辺ーいい天気で良かった。

目黒ー日焼け止めとかちゃんとした？

渡辺ーん、大丈夫。

渡辺は助手席で、膝に乗せた$誌の自分と目黒が載っているページの端を折り曲げている。

その横顔は優しい。

渡辺ーお婆ちゃん！

老婆ー坊、久しぶりじゃの。あんさんも久しぶりじゃな。

目黒ーご無沙汰しています。

渡辺ー俺の仕事、持って来た！

老婆ー坊、足どうしたんじゃ？

目黒ー挫いて隠して無理して歩いて、見事に腫れてます。

老婆ー隠して得なことあったかの？

渡辺ーない。

目黒ーどうしても、ここへ来たかったから内緒にしてました。

老婆ーほんに、坊は可愛いのぅ。

渡辺ーお婆ちゃん！

老婆ーさ、入んなせ？

目黒ーお邪魔します。

渡辺ーお婆ちゃん、お弁当作ってきた。