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こりん
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#brfr
suzu🎲⭐️🎼⏳🪽🎺
232
✦ ─────── ✦
翌朝。
目を覚ました瞬間。
こさめは後悔した。
🩵「あたまいたい〜……」
身体が重い。
喉も痛い。
起き上がろうとしても力が入らなかった。
枕元の体温計を手に取る。
ピピッ。
38.8℃
🩵「むりかも〜……」
大学は休むしかなかった。
教授への連絡だけ済ませて、再び布団へ沈み込む。
スマホには何件か通知が来ていた。
だが確認する気力もなかった。
◌ ───── ◌
昼休み。
💜「あれ、こさは?」
❤️「来てねぇな」
🩷「珍しいね」
いるまはスマホを取り出した。
💜『休み?』
送信。
既読は付かない。
少しだけ眉をひそめる。
授業が終わる頃になっても返信はなかった。
💜『大丈夫か?』
それでも返事は来ない。
❤️「風邪じゃね?」
💜「かもな」
そう言ったものの。
胸の奥が妙に落ち着かなかった。
◌ ───── ◌
夕方。
結局一日中返信はなかった。
💜「……」
スマホを見る。
既読なし。
なつなら放っておけと言うだろう。
らんなら心配しすぎだと言うかもしれない。
けれど。
💜(まぁ様子だけ見るか)
気付けば駅を降りていた。
◌ ───── ◌
インターホンを押す。
反応はない。
もう一度押す。
静かだった。
💜「おい」
電話をかける。
数回のコールの後。
🩵『……もしもし〜』
掠れた声が聞こえた。
💜「お前何その声」
🩵『だいじょうぶ〜』
💜「大丈夫じゃねぇだろ」
🩵『ちょっとねつあるだけ〜』
💜「何度」
沈黙。
💜「こさ」
🩵『……38.8』
💜「は?」
💜「馬鹿かお前」
◌ ───── ◌
数分後。
玄関のドアがゆっくり開いた。
🩵「いらっしゃい〜……」
💜「うわ」
🩵「うわって〜……」
💜「顔真っ赤じゃねぇか」
🩵「だいじょうぶ〜」
💜「大丈夫な奴はそんなフラフラしてねぇ」
🩵「してる〜?」
💜「してる」
💜「とりあえず中入るぞ」
🩵「はーい……」
玄関で靴を脱ぎながら、いるまは小さくため息をついた。
誰がどう見ても重症だった。
💜「病院行ったか?」
🩵「行ってない〜」
💜「薬は」
🩵「飲んだ〜」
💜「飯は」
🩵「食べてない〜」
💜「馬鹿だろ」
🩵「なんで怒るの〜……」
💜「怒るわ」
◌ ───── ◌
冷蔵庫を開ける。
見事に何もない。
💜「コンビニ行ってくる」
🩵「いいよ〜……」
💜「よくねぇ」
即答だった。
🩵「でも〜……」
💜「寝てろ」
🩵「はーい……」
こさめは観念したようにソファへ沈み込んだ。
◌ ───── ◌
三十分後。
お粥とスポーツドリンクを抱えて戻る。
こさめはソファでうとうとしていた。
💜「起きろ」
🩵「んぅ……」
💜「少し食え」
🩵「いらない〜」
💜「食え」
🩵「やだ〜」
💜「子供か」
半ば無理やりスプーンを持たせる。
渋々食べ始めたこさめを見て、いるまはようやく少し安心した。
🩵「……おいしい〜」
💜「コンビニだぞ」
🩵「それでも〜」
弱々しく笑う。
その顔を見た瞬間。
胸が少しだけ締め付けられた。
◌ ───── ◌
食べ終わる頃には、こさめの動きはさらに鈍くなっていた。
💜「薬飲め」
🩵「うん〜……」
💜「飲んだら寝ろ」
🩵「いるまくん〜」
💜「ん?」
🩵「ありがと〜」
💜「いいから寝ろ」
🩵「優しいね〜」
💜「普通」
🩵「ふふ〜」
熱のせいだろう。
いつもより少しだけ素直だった。
いるまは布団を肩まで掛け直す。
💜「ほら」
🩵「ん〜……」
💜「ちゃんと寝ろ」
🩵「はーい……」
◌ ───── ◌
数分後。
静かな寝息が聞こえ始めた。
💜「……」
眠るこさめを見つめる。
昔からそうだった。
困っていたら放っておけない。
泣いていたら気になる。
元気がないと落ち着かない。
それが当たり前だったから。
特別だなんて思ったこともなかった。
こさめの前髪が額に張り付いている。
無意識に手を伸ばしかけて。
💜「……」
途中で止めた。
代わりに小さく息を吐く。
💜(早く治せよ)
そう呟いて立ち上がった。
◌ ───── ◌
玄関へ向かう。
その時。
後ろから微かな声が聞こえた。
🩵「……いるまくん」
寝言だった。
💜「……」
振り返る。
こさめは眠ったまま。
けれどどこか寂しそうな表情をしていた。
💜(なんだよ)
胸の奥が少しだけざわつく。
理由は分からない。
ただ。
明日には元気になっていてほしいと思った。
✦
気付いていなかった。
当たり前だと思っていた感情が。
少しずつ形を変え始めていることに。
✦
コメント
1件
あいさん、第28話読みました! こさめが熱でしんどそうなのに、いるまくんが「馬鹿かお前」って言いながら看病してくれるの、もう胸がぎゅっとなりました…。コンビニ粥を「おいしい〜」って笑うこさめと、それを見て安心しつつ胸が締め付けられるいるまくんの距離感、すごく好きです。最後の寝言で「いるまくん」って呼ぶシーン、切なくて何度も読み返しちゃいました。当たり前が特別に変わっていく気配、すごく丁寧で素敵です🌷