この作品はいかがでしたか?
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ライトアップされて照らされた街の中をそぐわない2人が少し駆け足で人混みをくぐり抜けて行く。
「っ、竜崎、何処まで行くんだ」
月が白い息を吐きながら聞くとLは月の方を振り向きもうすぐ着きますよと言って足を速めた。
「そんなに急がなくてもいいだろう…」
「もうすぐクリスマスが終わってしまいますから。せっかくならクリスマスに見たいというものです」
月は前を急ぐLと会話を交わす内に恋人みたいだな等と色んな事を考えるがすぐさま、僕と竜崎が恋人?ありえないありえない、と早くなる鼓動を誤魔化しながら頭を振った。
「……着きましたよ」
「…!…綺麗だな…」
息を整えながらLと月は色とりどりのストリングライトで飾られたクリスマスツリーを見る。辺りには沢山の恋人達が甘い雰囲気の中クリスマスツリーと共に写真を撮っている。Lが何か言おうとした時雪がちらほら降り出した。
「雪……ホワイトクリスマスだな 」
月が空を見上げてホワイトクリスマスなんて何年振りだろう、と楽しそうに言った。
「…そうですね。……月くん」
「ん?何…?」
月が振り向いて不思議そうに少し首を傾げて問う。
「貴方が、好きです」
そう言われて差し出されたのは淡い紫色の花束。月は驚きながらも嬉しいという気持ちが溢れ出てずっと貫き通してきたポーカーフェイスを守る事なんて忘れていつの間にか泣いていた。
「…す、すみません、そんなに嫌でしたか…?」
「…違う、くそ、泣くつもりなんて、無かったのに」
零れ落ちた涙が止めどなく月の頬を伝う。
「…僕も、お前がすき、だ」
「いつの間に、こんなの用意してたんだ」
涙が止まり月は受け取った花束を見ながら聞いた。
「…前からずっと月くんに渡したいと思っていたんです。今日漸く渡せました」
「竜崎って意外にロマンチスト?」
「…意外には余計です」
「冗談だよ。…綺麗だね、嬉しいよ。何ていう花?」
「エキザカムという花です。月くんにはぴったりかと思いまして」
「へぇ、花言葉とかあるの?」
「ありますよ。…ご自分で調べてみてください」
ライトアップされたクリスマスツリーに照らされながらLが柔らかく微笑む。月はそれを見ながらああ、自分はこの男と出会った時から絆されていたのかもしれないなと考えながら自分の唇をLのそれに押し当てた。
エキザカムの 花言葉
「あなたの夢は美しい」
「愛のささやき」「あなたを愛します」
コメント
2件
Lが花言葉も調べてイルミネーションを見ながら告白するなんて意外にロマンチストだ…、
ここまで読んでいただきありがとうございました。良い作品が書けるかは分かりませんがリクエスト等あれば気軽にどうぞ…!