テラーノベル
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少しずつ。
離れようと思った。
期待しないように。
傷付かないように。
そうしなきゃいけないと思った。
だけど。
何年も好きだった気持ちは。
そんな簡単には消えてくれなかった。
◌ ───── ◌
朝。
大学へ向かう道。
💜「おはよ」
🩵「おはよ〜」
いつも通り。
隣を歩く。
小さい頃から変わらない距離。
変わらない時間。
それなのに。
変わってしまったものもある。
💜「そういやさ」
🩵「ん?」
💜「今度彼女と映画行くんだけど」
まただ。
また彼女の話。
いるまに悪気はない。
むしろ。
仲が良いから話してくれているだけ。
分かっている。
分かっているのに。
🩵「へぇ!」
🩵「何見るの?」
💜「アクション映画」
🩵「いるまくん好きそう」
💜「だろ?」
楽しそうに話すいるま。
その横顔を見ながら。
こさめは笑った。
◌
昼休み。
食堂。
❤️「こさ」
🩵「ん?」
❤️「最近頑張りすぎ」
🩵「何が?」
❤️「笑うの」
心臓が跳ねた。
🩷「俺も思ってた」
🩵「そんなことないよ」
❤️「ある」
🩷「あるね」
即答だった。
思わず苦笑する。
🩵「二人とも厳しいなぁ」
❤️「甘やかしたら倒れそうだからな」
🩷「今にも泣きそうだし」
🩵「泣かないよ」
そう言って笑う。
本当に。
泣くつもりなんてなかった。
こりん
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6,641
#brfr
suzu🎲⭐️🎼⏳🪽🎺
232
だって。
泣いたところで。
どうにもならないから。
◌ ───── ◌
午後の講義。
教授の話はほとんど頭に入ってこなかった。
窓の外を見る。
青い空。
流れる雲。
ぼんやり眺めていると。
スマホが震えた。
💜『ノート見せて』
思わず笑う。
🩵『自分で取って』
💜『忘れた』
🩵『馬鹿じゃん』
💜『助けろ』
🩵『仕方ないな〜』
やり取りは数秒。
たったそれだけ。
それだけなのに。
少しだけ嬉しかった。
昔からそうだった。
いるまは無意識にこさめを頼る。
飲み物を買う時も。
忘れ物をした時も。
何かあれば最初に名前を呼ぶ。
それが特別なことだなんて。
本人は少しも気付いていない。
そして。
こさめも当たり前みたいに応えてしまう。
誰より近くて。
誰より気を許している。
そんな関係だった。
🩵(……駄目だな)
また期待してしまう。
◌
講義終了後。
💜「ノート」
🩵「はいはい」
💜「助かった」
🩵「今度なんか奢って」
💜「嫌だ」
🩵「ケチ」
💜「うるせぇ」
自然に笑い合う。
そんな二人を見て。
❤️と🩷は顔を見合わせた。
❤️「なぁ」
🩷「ん?」
❤️「こいつら本当に幼馴染だな」
🩷「今更?」
❤️「いや」
❤️「いるま全然気付いてねぇなって」
🩷「……」
蘭は何も言わなかった。
言えなかった。
あまりにも。
いるまが気付いていなさすぎて。
◌ ───── ◌
放課後。
帰ろうとした時だった。
💗「いるま!」
彼女が駆け寄ってくる。
💜「おう」
💗「今日寄り道しよ!」
💜「いいけど」
自然に並ぶ二人。
恋人同士の距離。
💗「あ!」
💗「こさめくん!」
🩵「ん?」
突然名前を呼ばれた。
💗「いつもいるまがお世話になってます!」
ぺこりと頭を下げられる。
🩵「え?」
💜「何言ってんだよ」
💗「だって幼馴染なんでしょ?」
💗「すごいよね〜!」
悪意なんてない。
本当に。
一欠片もない。
だからこそ。
胸が痛かった。
🩵「こちらこそ」
🩵「いつも仲良くしてくれてありがとう」
笑う。
ちゃんと。
いつもみたいに。
💗「またね!」
💜「じゃあな」
🩵「うん」
二人が離れていく。
並んだ背中。
お似合いだった。
本当に。
悔しいくらい。
◌
❤️「帰るか」
🩷「帰ろう」
二人とも何も言わない。
優しさだった。
今はきっと。
どんな言葉も痛いから。
◌ ───── ◌
夜。
部屋のベッドに横になる。
静かな天井を見つめる。
🩵(幼馴染かぁ)
間違っていない。
実際そうだ。
小さい頃から一緒。
家族みたいな存在。
大切な人。
🩵(それだけなんだよね)
いるまにとっては。
それだけ。
分かっている。
ずっと前から。
それでも。
好きになってしまった。
🩵(諦めたいな)
ぽつりと思う。
だけど。
好きなまま。
諦める方法なんて知らなかった。
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変わらない関係。
変わらない距離。
変わらない想い。
変わったのは。
その想いを知ってしまった自分だけだった。
✦
コメント
1件
ああもう、こさめの気持ちが痛いほど伝わってきたよ……😭 いるまが無意識に頼ってくる距離感、それがまた切なくて。蘭たちが何も言わずに見守ってる優しさもグッときた。特に「変わったのは想いを知ってしまった自分だけ」って最後の一文、心臓ギュッてなった。片思いの苦しさを丁寧に描いててエモすぎる……次も絶対読む!!📖💕