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奏斗side
また夢を見た。
今度はハッキリと顔が見える。
⋯ひば。
相手は誰か分からないけど、
ひばが楽しそうに笑ってた。
そして、愛おしそうに笑っていた。
隣にいるのは⋯誰⋯。
そう思った時その誰かから『雲雀』と
発せられた。
なんか僕の声に似てね?
いや、でも、僕⋯雲雀なんて
呼んだことないし。
マジわかんない。
起きた時、ひばの顔を見て
思わず『雲雀』そう呼びそうになった。
夢の中で誰かがそう呼んでいたから。
僕でも呼んだことないのにっていう
夢の誰かへの対抗心的な。
ひばは次の日には体調は戻ってたし、
普通に死気になっていた。
また会えない時間が続いていた頃
風の噂でひばが内定を貰ったことを知った。
そして、ここからが僕の本当の就活。
ひばと同じ会社に就職する。
話したら馬鹿じゃねぇの?って
言われると思うけど
僕は最初からそう計画してたから。
ひばからの連絡もなく2ヶ月が過ぎた9月。
僕も内定を貰った。
すぐにひばに連絡すると
【飲もうぜ、僕の家で】と言われ
会う約束が出来た。
酒もつまみも買ってある程度
お酒が入ったところで僕から切り出す。
⋯あの夢のこと。
風「⋯そう、夢。なんか顔は見えないけど
︎ ︎ ︎ ︎ ︎男子2人で、海で楽しそうに話してたり
︎ ︎ ︎ ︎ ︎祭り?かなにかで腕引っ張って
︎ ︎ ︎ ︎ ︎歩いてたり」
全部を話していくうちに分かった。
ひばは何か知ってるってこと。
聞いてる時の顔が悲しそうにしたり、
嬉しそうにしたり。
その夢の中の人達ね。
めちゃくちゃ
風「⋯幸せそうだった」
それだけ言って僕は眠りについた。
そのまま眠っていると体がフワッと浮く感覚。
なんか⋯⋯⋯懐かしい。
なんでだろう。
そしてまた、あの夢を見る。
今日は初めての夢。
ひばが誰かをお姫様抱っこしている所。
かと思いきやまたあの海。
そしてハッキリしてくる誰か
わからなかった顔。
それは⋯
それは⋯僕⋯だった。
愛おしそうにナベを見つめて
『⋯好きだよ、雲雀』そう言っていた。
なんなんだよ⋯。
僕とひばはそんな昔に出会うはずはない。
だって⋯
あの時、大学で⋯。
その時にふと思い出す。
あの日、ひばが僕に声をかけた日。
『奏斗』確かにそう呼んでいた。
そして、知らない人から呼ばれて
『誰?」と聞き返せば悲しそうな
つらそうなそんな表情をして走っていった。
⋯ひば。
なにか隠してんの?
てか、僕⋯なにを忘れてる?
この夢は⋯⋯なに?
夢の最後。
僕はひばの頭をクシャっと撫でていた。
僕にそうされるひばは
嬉しそうで幸せそうだった。
そこで途切れた。
そして見覚えのある天井と部屋。
ひば⋯の部屋か。
ひば⋯はまたソファーで
寝かしちゃったのか⋯という罪悪感。
と共にあの夢の不思議さ。
あれは本当に僕なのか。
ならなんで⋯。
ひばに聞く?⋯いや⋯でも。
そんな格闘をしている時
ふと目に入る1枚の手紙。
読んでいたという形跡もないけど。
少し気になって。
悪い⋯と思いながらも手に取れば
僕の字で【未来の僕へ】そう書かれていた。
なんだ⋯これ。
未来の僕ってなに?
てかなんでひばが⋯。
便箋から中身を出すと、
びっしりと2枚分書かれていた。
読んでいくうちに分かる。
あの夢は僕とひば⋯だ。
そして、どんどんと繋がっていって思い出す。
僕とひば⋯いや、僕と雲雀は恋人だ。
思い出した。
僕は⋯僕は忘愛症候群ってやつになって、
それで、それで雲雀を忘れた。
だからこの手紙を忘れる前に雲雀に渡した。
僕に渡してくれって。
だけど、ひばは渡さなかった。
⋯ごめん。雲雀。
ごめん。
早く雲雀が見たくて。
部屋を出てリビングに急ぐ。
そうすればソファーに寝ている雲雀。
そしてまた、思い出す。
この顔⋯。
僕はこの顔⋯この顔を見て
雲雀を好きになったんだ。
好きだよ⋯雲雀。
早く伝えたい。
でも、いつまた忘れるか分からない。
だから⋯。
ごめん。
このままで居させて。
そっとひばりの頭を撫でると、
少し嬉しそうに微笑んだ。
しばらくそうしていると
「⋯んっ⋯」と声が上がって
バッと手を離した。
風「おはよ、ひば」
そして僕はいつも通り、
雲雀の親友として挨拶をする。