テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
雲雀side
内定を貰った俺たちは適当に講義に出たり、
遊んだり。
もうすぐ来る卒業。
渡「なぁKNT」
風「んー?」
渡「お前、どこ行くの?」
風「えー、教えない。内緒」
教えてくんなきゃ会えるもんも会えねぇのに。
KNTはいつも教えてくれない。
KNTが教えてくんねぇなら
俺も教えねぇけどさ。
結局、好きにさせる。っていう
約束は果たせずじまいで卒業⋯か。
不完全燃焼だな。
今年で最後。
そう決めてる。
あの海に行くのは。
もうどれだけ待っても。
どれだけ泣いても。
どれだけ名前を呼んでも。
帰ってくることは無い。
だから、もう諦める。そう決めた。
社会人にでもなれば、
毎日会うことはなくなるし
少しは吹っ切れるだろうと思って。
この前会った、セラおとアキラには
死ぬほど心配されたけど。
恋人に戻れなくてもいい。
親友として近くに居れるなら。
思い返せば色々あった4年間だったな…。
まず最初は、奏斗が俺を忘れた。
その場から逃げたけど
なぜか追いかけてきた奏斗に
友達になってくれと頼まれて。
次は、奏斗が彼女を作った。
その事実がつらすぎて泣いたし、
ブロックなんかして連絡を絶った。
順調に進んでるのかと思いきや、
俺があげたブレスレットが原因で
変な噂流されて別れた。
辛そうな奏斗を見てられなくて 思わず逃げたら追いかけてきて。
また親友になった。
高校とデジャブか?!って思った
奏斗の倒れた事件。
花火大会。
全部。全部。
いい思い出。
4年間ひたすらに待ってみた。
俺の事好きになってくんねえかな。
何かの手違いで好きになってくんねぇかな。
そう思って過ごしてた。
もちろんそんなことある訳もなく。
振り向いて欲しい奴がいる。
そんなことを言われて。
マジで俺勝ち目ねぇな。って思って。
もういっその事、親友のままでいいや。
そう思って。
だけど。
だけどさ、最後くらい砕け散りたい。
渡「KNT」
大学4年。
あのまま付き合っていたら5年日の記念日。
あの海にKNTを誘った。
人生最後の俺からの告白。
どうとでもなれ。
そんな気持ちで。
先に海に着いた俺は、
告白されたあの日のことを思い出す。
好き⋯⋯。
雲雀⋯。
初めて名前で呼ばれたっけな。
⋯で、アネモネの花束貰って。
⋯確か、花言葉は
《あなたを愛します》
だっけな。
なぁ、奏斗。
お前、今幸せ?
俺は、お前が笑ってれば
それでいいって思ってる。
だけど最後に悪足掻きをするのであれば
もう一度俺の事好きになってくんねぇかな。
今度は絶対離さねぇからさ⋯。
思い出せば思い出すほど涙が止まらなくて。
目の前に広がる青い海に、
そのまま飛び込んでしまいたいくらい苦しくて。
渡「⋯な⋯かな⋯と⋯」
こんな声、波の音に掻き消されて。
夢の中で何度も呼ばれていた
『雲雀』という名前を。
最後に、もう最後にするからさ。
直接、呼んでくんねぇかな。
そんなお願いしたら笑われるかな。
奏斗⋯⋯。
好きだよ。好きでした。
今も愛してます。
ザーッという波の音が途切れた時。
風「⋯⋯⋯雲雀」
聞きたかった。
けど聞けなかった。
俺の愛おしい、
俺を呼ぶあいつの声が後ろから聞こえた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!