莉乃葉「あった……。」
私は生前お姉ちゃんに言われていた箱を取りだした。
莉乃葉「… ”誰もがやり直せる子供だけの自由な世界 ”…?なにそれ……?」
莉乃葉(ん、、?なにか紙が落ちて……。……!!!!!)
莉乃葉「これ……って……!!!!!」
私が見た紙…
そこに書かれていた計画とは…
「邪魔者の恋華を車で轢き殺す。車がダメならば薬で眠らせて絞殺。」
莉乃葉「…っ…。」
莉乃葉(お姉ちゃんは…殺された…?でも…誰に…????お姉ちゃんをいじめてた人…?許せない……お姉ちゃんを奪って……お母さんたちの笑顔を奪って…許さない…許さない…っ…!!!!!)
案内人「あら、どうしたの?莉乃葉?」
莉乃葉「…案内人さん…。この世界では ”やり直し ” が出来るんですよね?」
案内人「…ええ。出来るわ。」
莉乃葉「…なら、やらせてください。」
案内人「…”代償”を払わないといけなくても?」
莉乃葉「代償…?」
案内人「…代償として払うものは貴方が選んでいいわ。その代わり…。」
莉乃葉「その代わり…?何ですか…?」
案内人「…代償を支払った人間は代々 ”案内人 ” となるのよ。」
莉乃葉「…それって…もうお母さんたちの世界には戻れないってことですか?」
案内人「…どうするかどうかは貴方が決めていいわ。」
莉乃葉「…分かりました。1度家に帰って考えて来ます。」
案内人「…ええ。」
莉乃葉「…代償…か。」
私は家に帰って案内人さんに言われたことを考えていた。
莉乃葉(たしかに過去にさえ戻れば…お姉ちゃんのことを救える…。だけどその代償で…私はもうお父さんたちと一緒に居られない…。)
莉乃葉「……。」
「お父さんとお母さんへ
今から私はお姉ちゃんの復讐をしてきます。遠いところに行くのでしばらく帰って来れません。心配しないで。必ず戻ってくるから。お母さん。今まで私の事ホントの娘みたいに可愛がってくれてありがとう。さよなら……」
案内人「…決断したのね?」
莉乃葉「はい。」
案内人「…家族とちゃんとお別れした?」
莉乃葉「置き手紙してきました。あとごめんなさい。この世界の紙を置いてきました。」
案内人「…!…そう…。それくらいの覚悟なのね…。」
莉乃葉「…はい。もう戻れないこと覚悟しているので。」
案内人「…そう…分かったわ。ではこっちに着いてきて。」
莉乃葉「はい。」
案内人「今から貴方をお姉さんが生きていた世界線へと送ります。」
莉乃葉「……。」
バタバタバタバタ…。
麗羅「莉乃葉…っ…!!!!!」
莉乃葉「…え…麗羅…?」
麗羅「…管理人さんに聞いた…。本当に…行くの…?」
莉乃葉「…うん。ごめん。私はどうしてもお姉ちゃんを助けたい。お姉ちゃんを殺した人を許せない。」
麗羅「…そっ…か!でもこれだけは約束して…?たとえ私たちの記憶がなくなって、莉乃葉が管理人として戻ってきたとしても。私達の絆は絶対に切れないって…!たとえ莉乃葉が覚えていなくても私たちが覚えていなくても必ず思い出すから…。だから…だからあっちに行っても元気でいて…!!!!!必ず戻ってきて…。」
莉玖「…待ってるからな」
莉乃葉「…ありがとう。」
案内人「…ではそろそろ送ります。」
莉乃葉「はい。」
案内人「…無事を…祈っているわ。」
きゅいいぃぃぃぃん……。
莉乃葉「……。」
???「……葉…乃葉…」
???「莉乃葉っ」
莉乃葉「…!」
恋華「もうー。ちゃんと聞いてるー?大丈夫ー?」
莉乃葉「お姉ちゃん……。お姉ちゃん……っっ…!!!!!」
ぎゅううう……。
恋華「わっ……?!どうしたの…?大丈夫……?」
莉乃葉「お姉ちゃんだ…っ…ほんとにお姉ちゃんなんだ……っ……。」
恋華「……?どうしたの?大丈夫???」
莉乃葉「これからは私がお姉ちゃんをずっと守るからねっ!」
恋華「……??ありがとう?」
キキキキキキキキキキキーー!!!!!
莉乃葉「お姉ちゃん!!危ない!!避けてっ!!」
恋華「…えっ……?!」
バアアアアアアアアン……。
恋華「…っ…?!」
莉乃葉(ホントに来た…!!!!!もし私が助けてなかったら今頃お姉ちゃんは…。)
恋華「怖かった…。あんな事が有るんだね…。ありがとね。莉乃葉。」
莉乃葉「ううん。当たり前だよ。」
莉乃葉(今度こそ私がお姉ちゃんを守ってみせるんだ……!!!!!もう二度とあんなふうに悲しい思いは誰にもさせない…!!!!!)
???「……。」