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コフリー「……。」
コフリーは、何気なく棚の上に置かれた髪飾りを手に取る。華美な装飾こそないが、持ち上げた髪飾りは紛うことなき、美しさを放つ。
コフリー「主に似たのだろうか。」
髪飾りは何も答えない。
コフリー「…馬鹿げたことを言ったな。」
コフリー「…貴方との約束をまだ一度も私は果たせてない。」
コフリーは目を細める。
コフリー「…必ず成功させる。」
そして一人、静かに決意を固めた。
ジーク「あっづ…もう限界だ休もう。」
アリィ「なんだかデジャブな気がするけど、それじゃあそうしよっか。」
アマラ「あれまぁ限界がきちまったか。」
ジーク「屋根とか見えてるだけで、実はないんじゃねぇの?」
アリィ「んなアホな。」
アマラ「…うん、こりゃ逃走が厄介になりそうだ。まぁでも、コフリーの仕事だしいっか。」
ジーク「うわ丸投げ。」
アマラ「人には得手不得手というものがある。…これなら早めに決行出来そうだ。」
アリィ「”私達”はね。」
アマラ「分かってる。お前は?」
そう言ってアマラはジークの瞳をまっすぐ見据える。
ジーク「……。」
アリィ「ジーク、遠慮はしなくていいから。」
ジーク「なら、もう少し時間が欲しい。」
アマラ「分かった。お前が1番危険な仕事だし、言う通りにしよう。」
アリィ「今どこまで?」
ジーク「総人数は分からないが…18。全員問題ない。」
アマラ「…お前が盗賊だったらと思うと怖いな。勘違いするなよ?褒めてるんだ。」
ジーク「そりゃどうも。」
アマラ「……お前は将来大物になりそうだな。」
アリィ「相当気に入られたねこれ。」
ジーク「むず痒い。」
アリィ「慣れてそうなのに。」
アマラ「ほんとにな。悪魔を1人で根こそぎ狩り尽くして、国境死守してた化け物なんだからこれくらい慣れてるものかと。」
ジーク「なぁどんどん尾ひれがついてる気がするんだが。」
アリィ「事実じゃん。チームを組んでたって言ったって…肝心な時役立ってる話聞いたことないよ?ジークから。」
ジーク「…〜〜。ぁあもう!とにかく、褒められるのは、俺だって嬉しいけどそれで崇められるのは嫌いなの!」
アマラ「へぇ…。」
アマラは目を細め、ジークを眺める。その表情にジークの言葉が詰まる。
ジーク「…お前その顔怖いから見せない方がいいぞ…。」
アマラ「え?あぁ…。またやったか、すまん。でもお前女性にその発言は失礼だぞ。」
ジーク「今にもヒトを捕食しそうな奴でない限りは言わねぇよ…。」
アマラ「捕食…ね。」
アリィ「まぁまぁ。それより道端で座るより、宿の方が休憩しやすいよ。そろそろ宿をとろう?ほら、もうこんな時間だし。」
アマラ「コフリーがくれた時計かそれ。便利だなぁ。」
ジーク「ずっと明るいから、時計がないと時間感覚が狂うな。」
アリィ「貰って正解だったね。それじゃあ行こう!」
2つベッドが置かれた部屋の中、2人は顔を合わせ横になり話す。
ニェヘマ「ニャヘマ。」
ニャヘマ「うん?どうしたの?」
ニェヘマ「もしかして元気ないのかなって。」
ニャヘマ「うーん…そうかも。元気は元気なんだけど…なんだか胸騒ぎがして。…ねぇニェヘマ。」
ニェヘマ「うん?」
ニャヘマ「…もしどうしようもなく、危険なことがあったら…弟と妹達を守ってあげて。」
ニェヘマ「ニャヘマ…」
ニャヘマ「お兄ちゃんでしょ?」
ニェヘマ「こんな時だけお兄ちゃん扱い?」
ニャヘマ「あら?誰も私のお兄ちゃんとは言ってないんだけどなぁ〜?」
ニェヘマ「はいはい。」
ニャヘマ「今日は張り合わないの?」
ニェヘマ「真剣な話をしているのは分かってるからね。死んだりなんてしたら許さないよ姉さん。」
ニャヘマ「可愛い家族を置いてくほどの罪人じゃないって私は。」
(だって…)
ー守るものがあって置いていかれる痛みは誰よりも知ってるから。
ニェヘマ「ニェヘマ?」
ニェヘマ「……。」
返事は無い。ただただニェヘマは、小さな寝息をたてている。
ニャヘマ「…これ以上、不幸な目に合わせたりしないから。」
そう言って、ニャヘマはニェヘマの髪を撫でた。