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試験が終了後、次の日から俺はいつも通り冒険者ギルドに通い詰めている。

先日言われた採取依頼を達成、しばらく雑用やら受付嬢の人から言われた依頼をしまくった結果一週間ほどでDランクに昇格した。

その後はオーク、ゴブリンなどのD、Eランクの魔物を中心に毎日討伐を3ヶ月ほど続けて目標であったCランクに昇級を果たした。

王立フューチャー学園の入学試験まで残りニヶ月、俺の目的の原作イベントももうすぐとなった。

少しでも多く実戦を経験するため今日も休まず、冒険者ギルドに向かう。


「ふむ」


俺は今依頼回覧板とみらめっこをしていた。

Cランクに昇格するまでずっとゴブリンとオークを討伐し続けたが、そろそろ実践にも慣れてきた。

そのため、そろそろ強い魔物と戦いたいと思った。

しかし、クロスフォード領の周りには強い魔物はあまりいない。

偶にBランク相当の魔物がいるが、それはランク適正の冒険者にギルドから指名依頼が出される為、俺は受けられない。

そこそこ強い魔物は殆どがパーティが条件。

ソロの俺では受けられない。

ならパーティを組めばいいのではと思ったのだが、俺はずっと一対一の実践経験を積みたい為、ソロで活動していた。その結果、周りから孤高の存在と思われてしまい、誘われなくなってしまったのだ。

どうしようマジで。


「アルトさんすいません」

「はい?」


俺が考えていると、ふと俺に声をかけてきた人がいた。

確認してみると、そこにはいつもお世話になっている受付嬢…マリナさんがいた。


「マリナさんどうかされましたか?」

「はい……実はアルトさんにお願いしたい依頼がありまして……少しお時間いいですか?」

「依頼ですか……まずはお話を伺いましょう」

「わかりました。ではこちらに来てください」


俺はマリナさんに依頼の相談をされた。

まずは話を聞こうと思いマリナさんについて行く。

マリナさんに促されついていくとそこには机に座っているギルドでも一度も見たことがない男性が一人座っていた。


「アルトさんはそちらにお座りください」


俺はマリナさんに促され席に座った。

俺は初対面の男性と向かい合い座る。

男性は痩せ細っていて、ローブを着ている。

魔法使いだろうか?


「カ、カインさんご紹介します。Cランクのアルトさんです。そしてAランクのカインさんです」

「初めましてアルトです」

「ああ、初めまして」


マリナさんに紹介をされお互いに自己紹介をする。

なんかマリナさんが緊張している表情をしている。

何かあったのだろうか?

カインと呼ばれた男性は俺のことを見定めているような視線を向けてくる。

色々気になることが多いがとりあえず話を聞こう。


「あのマリナさん、ご用件はなんでしょうか?」

「……あ、すいません……まだ内容をお話ししていませんでした。今回アルトさんにお願いしたいのはワイルドウルフの討伐です」

「え?」


内容を聞いて驚いてしまった。

ワイルドウルフはBランク相当。

全身白い毛皮で覆われており、成人男性の三倍大きく、炎魔法を使う。

夜行性で縄張りに敏感、群れを作らず、単独で行動するのが特徴の魔物。

俺が受けられるようなレベルではないんだけど。


「ワイルドウルフってこの辺に出没したって情報はありませんが……まさか、現れたのですか?」

「はい。ここから馬車で移動してニ時間ほどの森林で目撃され、縄張りにしました。そのせいでそこを迂回路にしている行商人たちが通れないでいるのです。今回は至急討伐をお願いしたくお呼びしました」


これには驚いた。

基本自分のランクの一つ上までは依頼は受けられる。

一応俺はCランクのため受けられるが、驚いたのはそこじゃない。

なんで俺なんだという点だ。

冒険者ギルドにはお抱え冒険者というのが存在する。

それはギルドに直接雇われているBランク以上の冒険者で支部に二人配置されている。

理由は今回のような緊急の依頼、そして支部周辺の安全確保のため。

一応確認のため聞いておこう。


「すいません。確かギルドにはお抱えの冒険者がいたはずですか……俺ではなくてその人にお願いすればいいのではないですか?」

「それはですね。実は今、別の依頼を受けていていないんです。今回の依頼は至急解決したい事案でして。近くの他の支部から応援を頼んだのですが、来れたのはカインさん一名のみ。しかも後衛職です。そして現在のギルドで動かせる人材で、今回の依頼をこなせる前衛はアルトさんのみでして。できれば引き受けて欲しいのですが」


マリナさんはあらかじめ用意していたシナリオのようにスラスラと説明をした。

少し疑問は残るが、これは俺に上のランクの魔物に挑戦できるチャンスだ。

リスクはある。どうしようか。


「アルト君といったか?そんなに心配しなくても平気だ。私はワイルドウルフは何匹も討伐経験がある。前衛が多少できれば問題ない。安心して受けても平気だ」


カインさんは俺が悩んでいるのだと思い、安心させるためか話しかけてきた。

カインさんはAランクで経験が豊富。

多分一人でも討伐できるが、万が一ということもある。

今回俺が呼ばれたのは前衛を配置するためこ。

ただ、カインさんは俺の戦闘スタイルを知らない。

役に立つがわからないので念のため、言っておく。


「いえ、心配などではなく……実は俺の戦い方が少し特殊でお役に立てるか不安でして」

「特殊?」

「はい。全てに置いて短期決戦で戦うようにしてます。無属性魔法での身体強化をメインに、バレットでの妨害を補助にして戦っています。今までもずっとその戦い方をしてランクを上げてきました。ですので足を引っ張らないかどうか……」

「ほう…身体強化を使うことはまだわかるが、無属性魔法をメインで使う者がいるとは……」


俺が話した後、何かを考え込むカインさん。

そして、何か考えが終わったのか、俺に話をしてきた。


「たしかに戦い方が特殊なのはわかった。……一つ聞くが、ワイルドウルフに対して一対一で数秒時間を稼ぐことは可能か?」

「はい。それでしたら可能だと思います」


本当に数秒で良いならだ。

俺はどんな強者でも短時間なら相手はできる自信がある。

冒険者になってから実戦で魔物を瞬殺し続けたこと、そして本気のゼフ相手に部分強化を使わずにやりあえるようになったこと、と言うのが根拠だ。


「なら平気だ。五秒もあれば私はワイルドウルフを倒せるだけの魔法を放てるからな。もう一度言うが安心して受けてもらいたい」

「わかりました」


これはまたとないチャンスかもしれない。

リスクを犯して失敗しても、カインさんがいるし、Bランクの魔物はどのレベルなのかも知れるチャンス。

だから俺は引き受けることにした。


「若輩者ですが、よろしくお願いします」

「お願いします!」


俺の言葉に何故かマリエさんが反応した。

その後カインさんはまた俺を見定めるように見始める。

なんなのこのやりとり?

俺モブじゃん……〜ギャルゲの世界に転生した俺は超不遇当て馬ヒロイン救済のため、奮闘する〜

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