解説:
「B」では、登場人物がそれぞれ自分の内面世界(=パーソナル・スペース)に入り込んでいる様子がよく描かれています。「C」において主人公は自分にとって心地よい空想の世界に逃げ込みました。そこでは主人公が主人公ではなく、「彼」「私」として主体性を失っています。このような状態のことを心理学的には『逃避的思考』といい、これを現実で行ってしまうことが『自己喪失』『妄想』『虚言癖』『解離性同一性障害』といった精神障害の原因になりうるのです。
また「D」(第三部「Gold Rushes」第5章より抜粋。原文ママ)においては主人公は「自分が他人に愛されるわけがない」「自分は価値のない人間なんだ」という自責的な感情を抱えており、これが原因で周囲から孤立してしまい、その結果、主人公自身による「自分自身への否定(自己卑下)」が生まれてしまったのです。このように主人公の行動原理には自分を肯定できないことから来るネガティブな気持ちが大きく関与していることが多いようです。
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さて、これらのことから読み解くことのできる主人公の性格について解説していきましょう。
1臆病……人前で失敗することを恐れ、常に怯えているため失敗を避けようとしてしまう 2弱さを隠したがる……他人に対して強くあろうとすることで自分の弱い部分を隠したいと思っている 3自信がない……自分に能力があるとは信じられず不安を抱えている 4優柔不断……決断力が乏しく迷ってしまいなかなか答えが出せなかったり決めることができなかったりする 5内弁慶・外向性が低い……人と積極的に関わろうとせず自分以外の人に対して警戒心を露にしていることが多い 6消極的……積極性が乏しいため人から誤解されやすい 7卑屈……自分が優れているとは思えないために人に認めてもらうことを望む気持ちが強い 8甘え上手……相手に依存しやすく甘えたり頼ったりすることで優位に立ちたいという欲があり、また相手の好意を得ようと考えていることもある 9わがまま……自己中心的になりやすい傾向を持つ 10嫉妬深い……誰かの愛情を得ることに強いこだわりを持っており嫉妬しやすい傾向にある。特に恋人同士だと浮気などが許せないタイプであることも多い 12依存型……一人でいるより二人でいることの方が好きな傾向にあり、また一緒にいる人を好きになろうとする 13神経質・繊細……細かいことを気にして些細なことにストレスを感じる性質 14マイペース……あまり周りの目線などを気にすることなくマイペースで生きており周りに流されにくい 15飽きっぽい……一つのことを続けるのが得意ではなくすぐ飽きてしまう 16感情的(喜怒哀楽)……怒りや悲しみなどの感情が激しくなる傾向があり情緒不安定に陥りやすい傾向がある。ただし喜びが大きい場合は興奮状態にもなることがあり、その場合は躁鬱に近い症状を呈することもあり得る 17気分屋……機嫌が良い時は明るいのだが、悪いときは何を言っても無視してしまうことが多い性格になる 18気まぐれ……いつもニコニコ笑っているような人に見えることが多いが実はそうではないことがある 19自信家……自分の能力に対して大きな自信を持ち他人には頼らず自分で何でも解決しようとする 20楽天家……常にポジティブシンキングをしており自分がこうと思ったら絶対曲げない性格である 21内弁慶……外では猫を被っており内弁慶な性格になることが多い。つまり普段はお淑やかな性格だが一度怒ったら手がつけられないという極端な部分があるということ 22自惚れが強い……自分以外の人間は基本的に信用していないため、常に疑り深く相手を悪く見るクセがあり相手を完全に見下している。また何かにつけて「自分はこんなに凄い」「俺は偉い」などと根拠もなく自分に言い聞かせることがある