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それは、蒸し暑い夏の頃だった
この日を昨日の事のように、鮮明に憶えている。
母親は、リビングに居た。
僕はランドセルを置き、こっそりと台所へ行く。
包丁を取り出し、後ろに隠し持つ。
…らぎ…ひいらぎ…柊!!」
!!
輝樹「柊!どうしたの?大丈夫?」
柊「…え、?」
輝樹「ボーッとしてたよ?最近多いね、考え事。」
柊「まぁ…うん。ちょっとね」
そこに居た母に向かって
後ろから
ゆっくりと手を振りかざす
思ったように刺さらなかったが、母は悲鳴をあげて
「痛い」と「助けて」を連呼した。
そんな事は気にせず、包丁を抜いては
また刺す。
顔も見たくなかったため、何度か刺した。
声が聞こえなくなった時、
リビングに入るための扉が開いた。
「おい、なにしてんだ!!」
父親が帰ってきたみたいだった。
気づけば、ここには肉塊が2つあるだけで
両親なんて帰ってこなかった。
部屋が赤く、鉄臭くなっていて
その臭いが鼻につく。
そのツンとしたにおいが
少し、好きだった
柊「…輝樹、今日の夕ご飯何がいいかな?」
輝樹「んーとね…チャーハン食べたい!」
柊「いいね!」
夕食の話をしながら、2人きりで帰る。
時刻は4時。
学校から帰り、家に帰る。
ドアを開けると、中からの涼しい風が体に触れる。
柊「暑かったー!」
リビングへ向かうと、兄が待っていた。
クロ「おかえり。」
輝樹「ただいま!」
柊「今日の夕食、炒飯ね!」
クロ「それは良かった。俺も食べたかった。」
兄はゲーム機を片手に会話を続ける。
柊「あれ、白戸は?」
クロ「あいつは買い出し。珍しく自分から行きたいって言ってたから、行かせた。」
輝樹「ええ、珍しいね…明日は大雪じゃない?」
柊「槍が降ってくるかもね…」
お兄ちゃん達については
また、いつか。
機会があれば話すね。
今日はここまで。
どう?ゆっくり寝れそう?
…そっか。
じゃあ、おやすみなさい。