テラーノベル
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2月前半にあった仮面舞踏会から、数ヶ月が経ち、夏になった。何故かあの日から何も起こらず、平和な日々を過ごした。
本来なら魔獣に遭遇したり、何かしら本編で起こっていたことが起きるはずなのに。嵐の前の静けさ、にならないといいが。
教師がドアの外を見て、「入ってきていいぞ」といえば、入ってきたのは転入生。名前はユーリ・アルファ。彼は作中に出てくる勇者だ。
将来出来る勇者パーティーのリーダー、
勇者 ユーリ・アルファ
聖人 ロイ・ファルテール(メルーデル)
策士 ロイド・シーシア
先鋒ミル・アーシャ
このパーティーだ。ルイスは国の王になっているため、パーティには入っていない。
ユーリ・アルファは魔法が使えない代わりに聖剣が使え、 将来勇者となり、魔王を倒す。ので結構な重要キャラだ。ユーリ・アルファはロイのハーレムの一人ではなく、友人だ。ちなみに小説のゲームバージョンでは攻略対象ではなく好感度を教えてくれるキャラだった。
“聖剣 自身から作り出す絶対に折れない剣、魔法を切る事ができる。この世界で唯一魔王を倒せる剣”
シャルロットの後ろにユーリ、ルカの後ろにロイ。
「よろしくな!」ニッコリと笑い、手を差し出すユーリの手をシャルロットが握り握手をする。
「よろしく、俺はシャルロット・メルーデル」
「僕はロイ・メルーデル、よろしくね」
「俺はルカっ…ルーカル・ファスト。ルカって呼んでね、よろしく」ユーリはロイと次に握手を交わし、ルカも交わす。
「最初に紹介されたけど、オレはユーリ・アルファ。よろしくな、シャルロット、ロイ、ルカ!」
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「あたしはゼナ・ウィンブレルだよ!」
「私はナターシャ・ウィンブレルです、ゼナの双子の姉です。」
たまたま席が空いておらず、遠くに座っていたゼナが休み時間に入った瞬間ナターシャと一緒に走ってきた。ゼナはロイに視線を向け、手を差し出し握手をする
「ロイ様も直接話すのは初めてだよね?よろしく!」近くの席に座り、嬉しそうに笑っている。
「よろしくお願いします。」ナターシャも微笑み、軽く頭を下げる。
「よろしくね!様なんて、付けなくていいよ?」
「そう?じゃあよろしく、ロイ!」
「うん。あ、そうだ。ルカ君も、様いらないよ」
「ん、分かった。」
この後、シャルロットが「じゃあ俺の様も要らないよ」と言ったら「シャル様気にってるんだよね、あとなんか可愛くない?シャル様の響き」と、返されシャル様固定になった。
ふと時計を見ると、もうすぐ休み時間が終わりそうで話しているロイ達の話を遮る。
「休み時間終わるよ!」
「やば!次移動教室じゃん、早く行かなきゃ!」急いで立ち上がるゼナとみんなにロイが首を傾げて「もし良ければみんなで一緒に行かない?」と提案を出す
「さんせー!教科書取ってくる!」
「あっ、待ってゼナ!私も取ってきますね」
ゼナ楽しそう去っていき、その後をナターシャが追いかける。すぐに教科書を抱え戻ってきて、そのまま移動教室先へ向かう
「魔法薬学って今日実践だっけ?」
「そうそう、魔法薬作るって!」
ゼナが胸前まで手を持っていき、親指を立て、笑う
「今お見せしたように、魔法薬数滴で物を染められる、魔法薬を作ってもらいます。」
手本として先に魔法薬を作った魔法薬学の教師が出来た魔法薬の入った小瓶を教卓に置いた。
「色は好きに選んでもらって構いません、教科書37Pを開いてください」
教師が杖を降れば生徒の目の前に調合器具が現れ、注意事項薬学コツを教卓前で教える。
全員静かに、時々話し合いながら魔法薬を作り、失敗したり成功する者が少しづつ現れ始めた。シャルロットはもうすぐ完成で、入れ物の火を止めた。ルカはこういう作業が苦手らしく、本当にギリギリで成功していた。
「よしっ、完成したっ!」
シャルロットの後ろの生徒は魔法薬が完成し、瓶に移された薬を持って大はしゃぎしていた。
「ちょっと危な、きゃっ!」
「え?」
ぱしゃっ、大はしゃぎしていた生徒は横にいた生徒にぶつかり、よろけてしまい瓶の口から出た魔法薬がルカの手が半分程防いだが、全ては防ぎきれずシャルロットの髪に掛かる。
急いでポケットに入っている小さな手鏡を取りだし、髪の毛を確認する。黒色の髪の根元から毛先は金色で染まっていた。
「どうしました!」
騒ぎを聞きつけ魔法薬学の教師が駆け寄る。
「さっき作った染め薬がメルーデルの頭にかかってしまって!」慌てながらもしっかり説明する魔法薬を零した生徒が青ざめ、謝る。
「本当ごめんっ…」
「大丈夫だから、気にしないで」
「すぐに医務室へ行ってください!」
「すみませんでした、私がいながら」教師は頭を下げる
「気にしないでください」
「俺が医務室連れていきます」
「ありがとうございますルカさん、メルーデルさんをよろしくお願いします。本当は私が行かなければならないのに…」
再度頭を下げ、教室を出るルカとシャルロットを見送る。そのまま授業は中止し、最後に魔法薬を零した生徒には魔法薬の瓶は移したらすぐに蓋を閉めること、授業中は嬉しくても動かないこと。と伝えた。
「体調は悪くない?痛いところは、気持ち悪いとかは!?」
「大丈夫、本当になんともないよ。逆にこっちの方が酔う…」廊下でぐわんぐわんと肩を掴んで揺するルカにシャルロットは目を強く閉じでやめて、とか細い声で呟いた
_____ 「大丈夫だね。身体に害はないし生徒の作るものなら持って3日だね。」
「ありがとうございました」
「具合が悪くなったらすぐ来てね」
「はい」
医務室の先生にも大丈夫だと言われたが、流石に今日は一応休むように言われ、このまま寮に戻ることにした。
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「何がそんなに嫌なんだよ」
むすー、と顔を顰め髪の毛を睨んでくるルカに問いかける。
「俺以外に染められた髪の毛見るとさ…」
言い方…そう思いながらシャルロットはルカの細められた目を見る。
「あれは事故なんだから仕方ないだろ?それに3日で元に戻るし」
「…うん」
次の日は休みだったから、学外に出て買い物に来ていた。
(ルカに頼まれてた物も買ったし次の授業で使うやつも買った、あとは)
「すいません」
「はい?」
紙袋を持って壁に寄りかかっていたシャルロットに一人の男が話しかける。男はフードを深く被り、口元を上げている。それを抑えようとしているのか、手は強く握られ、今にも笑いだしそうだった。
「人を探してるんですけど…」
「…人?分かる範囲でなら手伝いますよ」
男はフードから見えた優しそうな顔で笑い、何故か歩き出した。
「ありがとうございます。見た目は、髪は金色、年齢は16歳」
クスクス、と抑え気味な笑いを零しながら話す男の話の内容に、嫌な予感がシャルロットを襲った。男が歩き出し、人気のない場所に近づいて行く時点で止まるべきだった
「メルーデル家次男にして、聖人、ロイ・メルーデル。」
(は…?なんでロイを…)
「…あの…っっんぐ」
「ご協力、ふふ。感謝致します、聖人様。」
いつの間にか背後を取られ、布らしき物を口と鼻に押し付けられて眠気に襲われる。全身に力が入らない、霞む視界で、最後に見たのは気味悪く笑う誘拐犯だった。
(こいつ、おれ、を、ろい、と)
15歳と16歳なんて対して変わりはない。それにメルーデル家で金髪、今の金髪になってしまったシャルロットに当てはまる。ロイとシャルロットを間違えたのだ。
どうして、メルーデル家ということかわかったのか。
『?キュ!』
『??キャンっ!?』
リルは散歩がてらシャルロットについて行き、ここで待ち合わせね。と言われた場所に来ていた。けれどシャルロットが待っているはずの場所に着いたリルは、誰も居ない事が不思議だった
誰も居ず静かで、リルは焦り、その場をクルクルと周り地面の匂いを嗅ぐ。少し遠くで、暗い路地の入る前、シャルロットが持っていたバックと買い物の紙袋だけが落ちていた。リルは急いでバックを咥え、ルカの元へ走った。
「つまんなぁい。」
「聖人サマは世界を救い幸せに暮らしました、とかつまらなくなぁい?」
「そんな在り来りな物語、誰が見るの?」
「自分はぁ、そういうお話きらい。だから、面白くしてあげなきゃねぇ」
「まずは、どうしよっかぁ」
綺麗な黒髪に、二つの色が入った瞳。動きも、瞬きもしない一つの頭を抱きしめながら、ふふっと笑みを浮かべる。
「けど、聖人サマって自分の趣味じゃないからコレクションには要らなーい」
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16話 エンド 12⁄7
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