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ピピピピピ!!!!!!
けたたましく鳴り続ける目覚まし時計を止めて、気怠い体を起こす。
「はぁ…」
起きて早々ため息をつく。
昨日は余計なことを考えたくなくて、無理矢理目を瞑った。
佐久間…きっと変に思ったよな…
先日、目黒がカナダ支社から一時的に日本に帰国する、と営業部の渡辺部長から聞いた。
なんでも本社とカナダ支社とで新規プロジェクトが立ち上がるから、だそうだ。
『阿部、ちょっと良いか?』
営業部の経費精算の処理をしていると、社長付秘書の深澤さんに社長室に呼ばれた。
『社長、なんでしょうか』
『忙しいところすまない。新たに立ち上がるカナダ支社とのプロジェクトについては知っているか?』
『軽くですけど…まぁ、はい』
『うちの経理部は調達購買も請け負ってるだろ?だから阿部にも加わって欲しいんだ。』
営業部は時折数字を上げるために無茶な金の使い方をするからな、と溜息混じりにそう言った。
『…分かりました』
『それだけだ。呼び出してすまなかったな』
『1点質問しても良いですか?理由は聞かないでもらえると助かります』
『なんだ?』
『この案件は、広報部も関わる可能性があるのでしょうか?』
『直接的にはないが、最終的には広報部にプロモーションを組んでもらうことになるからな。いずれは関わってくる予定だ』
『そうですか…分かりました。ありがとうございます』
社長に一礼し、社長室を後にした。
変な質問してるなコイツって思われたよなぁ…俺が広報のこと聞くの変だもんな。
俺は、元々目黒を警戒していた。
流石に態度には出さないけど。
きっかけは、目黒が中途、ラウールが新入社員で入社した時に先輩社員が4日間付き添いで各部署の業務の一連の流れをオリエンするという研修だった。
目黒の担当は俺。ラウールは康二が担当した。
目黒は話し方や行動がゆっくりではあるが、とにかく勉強熱心で物覚えも早かった。
研修後、残って質問攻めに合うこともあった。目黒はそれくらいやる気に満ち溢れていた。
研修最終日。
自分の仕事の残業をしながら目黒の質問に答えていると、広報部のミーティングが終わったであろう佐久間の底抜けに明るい声が聞こえた。
一瞬、声がする方に顔を向けそうになったが、敢えて気に留めないフリをした。
佐久間に気付かれないように息を潜める。
本能的に、何となく佐久間と目黒を引き合わせないようにしたんだと思う。
『それじゃ、おつかれさまでした〜』
佐久間は周りの社員に元気よく挨拶をして事務所から出て行った。
良かった…気付かなかった…
『じゃあ目黒、俺が聞く限り研修内容に関しては理解出来てると思…う……どうした?』
耳まで真っ赤にした目黒。
何だ?その反応は…
『えっ…いや、なんでもないです。4日間ありがとうございました。今後もよろしくお願いします。』
深々とお辞儀をして片付けをし始めた目黒。
(嘘だろ?)
俺の知る限り、佐久間と目黒の接点は今までなかったはず。
「はぁ…」
自分の事ながら性格悪いなって思うけど、目黒がカナダ支社に出向すると聞いた時、少しだけホッとした。
『ーーーーー!!元気だよ!もう定時だし上がるね!お疲れさま!』
バタバタと大きな音を立てて、そのまま女子トイレへ駆けて行った佐久間。
あの時耳まで真っ赤にした目黒と、耳だけじゃなくて首まで真っ赤にした佐久間が重なって見えた。
だから
きっと、俺は焦ってたんだと思う。
いつもはそんな軽々しく甘い言葉も吐かないし、異性に触れたりしない俺が。
佐久間をとられたくない。
隣にいて良いのは入社した時からずっと一緒にいた俺だ。
そんな蓋をし続けてきた自分の気持ちが少し溢れてしまったのだ。
『その好きが恋愛での意味でも、芸能人とかに向ける憧れの意味の好きでも、ドキドキするよね?特に目黒はあのルックスだし、男女問わず惹かれる人は多いかもね?』
『まだ目黒の事を知らない中で、恋愛の好きって決めつけない方が良いんじゃない?同じ会社だしね』
気持ちが少し溢れたからこそ、つい口にしてしまった意地悪な言葉。
目黒を見ないで欲しい。
俺だけを見てくれ。
本当は改札を出て行く佐久間の腕を掴んで「もう少し一緒にいたい」って言いたかった。
でも言えなかった。
今まで築いた関係性が崩れるのが怖かった。
「佐久間に謝らなきゃな」
今なら、勇気を出して気持ちを伝えれば、優しい佐久間なら答えてくれるかもしれない。
だけど、それが本当に彼女の幸せに繋がるのか?
勇気も無いくせに
そんなことを延々と考えてしまう自分に、ただただうんざりした。
🖤🩷の次に💚→🩷が大好物なので、つい書いてしまいました…
ROY

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みむら
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