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ーピッ…ピッ…ピッ…ピッ…ー
(はぁ,またか…)
私は自分の腕に繋がる管を見てため息をついた。
今からまた私は検査をしないといけないのだ…。
(もういい加減嫌だなぁ…)
私の名前は璃羅。(りら)
私は長い事病院に入院している。
コンコンコン……
「はい。」
「バイタル測りますね。」
ピピピピ…
「はい。正常ですね。」
「あの…私はいつになったら出れますか?」
私がそう聞くと申し訳なさそうな顔をして看護師は答えた。
「それは…貴方が頑張れば…きっと治ると思う!だから、ね…一緒に頑張ろ…?」
(…そんなこと言われたってなぁ…)
「じゃあ…また来るね」
「あ、はい…」
(はぁ…もう治らないのかな…)
私は治らない病気と,代わり映えしない病室に嫌気が差していた。
「…(気分転換に散歩にでも行こう…)」
(わぁ…病院にこんなところがあったんだ…)
私は暫く歩く内にふと森があることに気がついた。
(ちょうどいいや…少しここで1人になっていよう…)
「ねぇ,僕も隣,座ってもいい??」
私が物思いに耽っていると,1人の少年が声を掛けてきた。
「あ…うん,どうぞ。」
(誰だろうこの子…最近入った子かな…見かけない子だな…。それにしても綺麗な瞳と髪の色だな…)
その子の髪の色と目の色を見て私は綺麗だと思った。
「ふふ。今僕の髪の毛と,目の色が綺麗だなって思ったでしょ?」
「っえ?!?!?!」
(心…読まれた…?!)
「僕はね,アルビノ…?って言うんだって,生まれつき左右の目の色が違って髪の色も白髪で産まれてくるんだ。」
(珍しい人もいるんだな…)
「でもね,僕は体が弱いんだ。」
(この子も体が弱いのか…私と同じだな…。)
「僕はね,いつもここのベンチに座るんだ。」
「そうなんだ。」
「うん,ここに居ると落ち着けるから。」
(その気持ち…分かるなぁ…。)
「ねぇ,お姉ちゃんはどうして入院してるの?」
「そっかぁ…お姉ちゃんは心臓が弱いんだね…」
「うん。」
「僕はね…小児がんなんだって。」
(こんなに小さい子が…神様って居ないんだな…。)
「ねぇ。お姉ちゃん…。お姉ちゃんがもし良かったらさ…僕と友達になってくれない?」
「良いよ。私なんかで良ければ、」
「やったぁ…!じゃあこれからは毎日ここで話そうね…!」
「うん。」
「そろそろ戻ろっか」
それぞれの病室へと戻り
私は日記を書いた。
「○月✕日
今日は院内を散歩した時に見つけた森のベンチで男の子と会いました。2人でベンチで話をして楽しかった。久しぶりにこんなに笑った気がする。明日が楽しみ。」
(よし…っと)
私は日記を書き終わり,布団の中へと潜った。
(こんな幸せな日々がずっと続くといいな…)
そう思いながら。
そして次の日ー
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