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「ふふ、浮かせなくていいよ。まったく、いちいち可愛いんだから……」
最後は独り言のように、呆れたように笑った彼の言葉に甘えるように
すとんと普通に体重を預けて座る。
その瞬間、私の細い腰に彼の逞しい腕が回され、完全にホールドされた。
「か、叶人くん…っ、その、まだ心臓がドキドキしてて……変な顔してたらごめんね」
「謝ることなんてないって。すごく、可愛い顔してるよ……?」
「え…っ」
「それに、俺だってさ。頭の中、さっちゃんのことばっかり考えてて、今もドキドキしてるし」
「私の、ことで……?」
彼を潤んだ目で見上げて首を傾げると、彼は私の頬を愛おしそうに撫でながら言った。
「大事なさっちゃんの初めてをもらうんだから。俺が汚しちゃわないかとか、そんなことばっかり考えて緊張するもんだよ。できるだけ、怖がらせたくないし」
「叶人くんは、優しすぎるよ……こんな無茶なお願いを聞いてくれてる時点で、充分心広いし優しいけど……」
「全然普通だって。ほら、ぎゅーしよ?」
「んっ……」
叶人くんの徹底的な優しさのおかげで、強張っていた身体が段々とリラックスしてくる。
私は彼の広い胸に、素直に強く抱きついた。
彼の胸板は厚くて、男らしくて、すごく温かい。
包まれているだけで、猛烈な安心感が押し寄せてくる。
「叶人くんの匂い…すごく、好き……」
「……っ…今、この状況でそれ言うの反則」
言った瞬間だった。
彼の大きな手が、私の顎をクイッと強引に持ち上げ、再び激しく唇を奪われた。
「んん……っ!?」
小鳥が啄むような細かいキスを何度も何度も繰り返され
それだけで頭がクラクラと目眩を起こしそうになる。
「…んんっ…あぁっ…♡かなと、くん……っ」
叶人くんの唇は驚くほど柔らかくて
触れるたびに私の理性と思考を、ドロドロに溶かしていく。
彼の手が背中を滑り、細い脇腹を愛撫するように撫で上げるたび
私の身体はビクビクと小さく震えた。
口から漏れ出てしまう甘い吐息を、もう自分の意志では止められない。
「……そんな顔されたら、もう俺、我慢できないかも」
「…だ、だって……っ、叶人くんの手…気持ち良い、から……」
「…じゃあ、もっと気持ちよくしてあげる」
彼の器用な指先が、私のブラウスのボタンにかかり、上から一つ一つ、丁寧に外していく。
前が開かれ、涼しい空気に肌が触れる。
その冷たさとは裏腹に、ドクドクという狂おしい鼓動が全身に響き渡っていた。
彼の温かい手のひらが、鎖骨から徐々に滑り降りていき───
#TL
瀬名 紫陽花
14,533
#BL
多 動 症 .
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