ピク垢にあげなかったnmmn
再投稿
没作品
※knkz,kzkn 左右非固定
801.腐表現
多分付き合ってない。ご想像におまかせ。
もしかしたらピクシブにもあげるかも。
あげたらご報告します
してないのにあったら無断転載です。
チョコレートはミルク味
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「かなえ」
「ん〜?」
くろなんの収録が終わり、帰ろうと支度をしていると後ろから声をかけられ適当に返事を返す。
「ん、これ」
そう言われ目の前に出されたのは 茜色のリボンで結ばれている黒い箱だった。 なんだこれ。クリスマスプレゼント?とも一瞬思ったが今はまだ11月だ、12月は予定がいっぱいだから早めの〜…とも思ったがまずクリスマス当日はくろのわオフコラボが予定されているため わざわざ早めに渡す必要も無い。だがクリスマス以外にプレゼントを渡す行事もなければ意味もない。というかこれ僕宛のか?もしや僕を誰かの鳩にしようとしてる?
突然 見せられた箱に困惑していると葛葉が先に口を開いた。
「あーー…ほら、バレンタインのやつ」
「え、あ」
え
ひとつ、もしかしてと思い当たるものが浮かび上がってくる。
「もしかして、これバレンタインのお返し?」
「あーーそんなところ」
いやなんだその返事。余計に困惑するが?
2月14日、確かに僕は今年のバレンタインデー葛葉にチョコを渡した、と言っても渡したのはAmaz○nで良い機材がないか探そうとした時にたまたま目に入った美味しそうなチョコクッキー。 葛葉が好きそうだなと思いポチッたが 正直お返しが来るとは思わなかった。
予想外の事に驚きと困惑が隠せないが あのめんどくさやがりの葛葉がくれるのはそうそうないことなので有難く受け取る。
「ありがとう。普通に嬉しいし受け取るわ。」
「いやー俺もバレンタイン貰った時はホワイトデーにきっちり返すつもりだったんだけど」
返し迷ってるうちにホワイトデーすぎてたわ。
そう言う葛葉に思わず吹き出す。
いや、悩みすぎだろ。どんだけだよ笑
「ちょっとちょっとカナエさーん」
「人が丹精込めて作ったのに吹き出すなんて、性格悪くないッスかー?」
「ごめんごめん笑」
「え、てかこれ葛葉の手作りなの?」
「いんや、中身はAmaz○nで適当ポチッたのと箱はりりむ」
なんだAmaz○nか、と一瞬気分が下がったが、冷静に考えれば葛葉の作ったものなんてどういう形で出てくるのかすら想像できない、安牌を選んでくれただけ感謝すべきか。
「もう俺の気持ちを込めてカートに入れたから、クソ美味いぞ、星1000くらい。」
「マジか、ちなみに気持ちって何込めたの?」
「憎悪と憎しみ」
「嬉しくねぇ〜笑 」
チョコを貰いそのまま廊下でだらだらと雑談をしていると帰宅しようとしていた時間より大幅にズレてしまっていることに気づく。
「ヤッバ、もう帰らねぇと」
僕がそう考えたの同時に葛葉も配信のことを思い出したらしく慌てて走り始める。 そうだ、今日はこのチョコの事を配信で話してやろうか、多分葛葉は恥ずかしがるだろうな〜笑
葛葉が帰宅しようとしているのを見て僕も今日の配信のことをスマホ片手に考え始めていると、さっきまで もう帰らなくてはと焦っていた男が少し進んだ先で立ち止まっていることに気づく。
「ん?葛葉帰んないの?」
「あー…いや、その…」
言葉選びに迷っているのか、葛葉が目をキョロキョロ泳がせながら あーだのうーだの言葉をこぼす。
一体何を伝えようとしているのか、検討もつかない。
「あーー…その、」
「チョコ、本当はおれがつくったやつ。」
「…は?」
「あーーー!!!やっ…ぱうそ!!忘れろ忘れろ!!」
「は、いや、え?」
突然の告白に動揺が隠せない。このチョコを?葛葉が?作った?? 顔を真っ赤に染め叫ぶ葛葉を引き留めようとするが手を掴む前に逃げられてしまう。
「……」
にやり、思わず上がってしまう口角を手で押さえつける。今日は帰ったらヴァロ配信でもしようと思っていたがやっぱりやめた、このことについて擦り切れるくらい擦ってやろう。
「…ふふ、ありがとう。くずは」
誰もいない、物音のひとつもしない廊下にその言葉は小さい音量とは言えど、よく響いた。
____きっと、自販機の裏に隠れている 恥ずかしがり屋のツンデレヴァンパイアにもよく聞こえていることだろう。
コメント
7件
いい作品すぎて腹が立つわァ〜
続き欲しいくらいのいい作品なんだが?
没作品とは言えど 人には見てもらいたいもんよ。