テラーノベル
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「すっかり行楽シーズンねぇ」
テレビを見ながら女神様が言った。
テレビには温泉が映っていた。
「温泉に行きたいね」
美子も言った。
「近くにはないからねぇ」
「あ、露天風呂」
ぼくは言った。
露天風呂の横に紅葉した楓が映っていた。
旅番組が終わって、女神様は本を読みはじめる。
観光地が載っている雑誌だった。
行きたいのかな、と思った。
その隣で美子はお風呂がテーマの絵本を読んでいた。
外に出て、神社の裏に行く。
大きな植木鉢にそこそこ育った楓がある。
だいぶ葉が紅くなっていた。
「よいしょ」
ぼくはそれを持ち上げる。
そしてお風呂の窓あたりに持っていく。
明るいうちにお風呂を沸かした。
「女神様、美子、お風呂沸きました」
「あら、今日は早いのね」
「明るいうちのお風呂もいいよね」
さすがに一緒にお風呂には入らないからどう思ったかわからない。
でも、二人はいつもの倍くらいの時間お風呂に入っていた。
どうやら喜んでもらえたみたいだ。
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