テラーノベル
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※キャラ崩壊あるかもです
※💙sideの話です
💙side
ス『1エン2エン3エン4エン』
スタッフのカウントと足音が響く。
今日は新曲の振り確認,みんなで案を出して,位置を調整したりして,黙々と振り確認をしていた。みんな熱のこもった気配で,何度もフリを確認する。
曲を使い,通し練習をして,曲が終盤に差し掛かった時だった。
💙「……っ,あっ」
ほんの一瞬の油断が隙をついた。
着地のタイミングが少しずれ,俺は顔を少ししかめた。
ああ,これ足首捻ったな,自分でもわかる。
でも少しのズレはスタッフもマネージャーも気づいていない,メンバーが多少気付いてるくらい。
痛みを我慢すれば踊れる,これくらい何ともない。
と言うか,こんな多少の怪我で,みんなに迷惑をかけられない。
そう判断した俺は,何事もなかったように,踊り続けた。
ス『では,十分休憩でーす』
「「「はーい」」」
スタッフの掛け声で,みんな一斉にしゃがみ込んだ,俺も足に負担をかけないような形で,座り込んだ。スタッフさんがスタジオを出た時,2、3人ほど,俺のところに寄って来た
🧡「しょっぴー,さっき足挫いてへんかった?」
🩷「結構グギってやってたけど,大丈夫?」
💙「そんな心配することじゃねえよ笑大したことないからな笑」
って笑って返し,俺は何事もなかったように話をずらした。
表面上は“いつもの渡辺翔太”を演じた,一応俳優業もやってるし,結構上手く行ったと思った。
でも遠くで話しているメンバーの中の1人,じっと見ていた人物が1人いた。
🩷「だあー!やっと終わったあー…」
💚「おつかれー…結構踊ったねえ…」
🖤「この後なんだっけ?」
💛「次は…」
ダンス確認が終わり,みんなで楽屋に戻る。
あれから1時間くらい通しでやっていたので,もうみんなクタクタだ,俺はすかさずソファーに座り込んだ。
意識しないように踊ってはいたものの,ステップを踏むたびに痛みが身体中に響く。
軽傷だと思ったのに,多分悪化してる,でもこの後の仕事まで空いてるし,怪我しているところが見たい。そう思った俺は
💙「ちょっと水買ってくるわ〜」
って軽く言って楽屋を出た
人目が少ない自動販売機に行き,近くに座り込み,靴を脱いだ
見てみるとくるぶしあたりが腫れていた
💙「こんな腫れてんのかよ…」
そりゃキツくなるわけだ…でもこんなのを気にしていたらなにもできない,俺は痛みを我慢するように,靴下を履こうとした,そしたら角から人が向かって来た
💙(は?こんなところ人なんて滅多に来ないのに…)
俺は焦って自動販売機の側に身を隠したが,向かって来た人は
❤️「やっぱりここにいた」
俺の幼馴染ーー宮舘涼太だった
俺は慌てて立ちあがろうとすると
❤️「……翔太,動かないで」
涼太は俺の前でしゃがみ込んだ,よくみると涼太の手には冷却スプレーと湿布,そしてテーピングを持っていた。
💙「え?いや待て,気にするほどじゃねえから。まじで,これくらい軽いって。」
俺は慌てて行ったが涼太は一言も発さず,スプレーを持ち,シュッと音を鳴らした。
冷たさに俺の肩がピクッと動いた瞬間,涼太がぽつりと口を開き
❤️「……翔太が“大丈夫”って言う時ほど,大丈夫じゃないの知ってるから」
一瞬,空気がが止まった気がした。
俺は言葉が出なかった,俺はなにも言えず,目線を逸らした。
❤️「ちょっとでも腫れてたらアイシング早い方がいい。これやんないで悪化させたら怒るからね?」
その声には優しさと強さが混じっていた。
俺は黙ってされたがままになった。
涼太は冷却スプレーをした後,丁寧に湿布を貼り,テーピングを巻いた。
俺の足に触れる涼太の指は不器用なようで,やたらと優しい感じがした。
少し沈黙の後,俺はボソッと
💙「……あーもう,こーゆーとこなんだよな,涼太」
って言った。涼太は俺が助けてって言わなくても,気づいてくれる。優しいけどムカつく
❤️「なにが」
俺の手当を終えた涼太が聞いて来た
💙「…何も言わねえで,全部察してくるの,やめてくんね?」
❤️「やだ」
即答。俺は思わず吹き出して笑ってしまった。
💙「即答すぎるだろ笑」
❤️「だって,どうせ翔太,迷惑かけられないとか言って,無理するでしょ」
その通りすぎるんだよなあ…
❤️「少しの怪我でも,俺に言って?翔太は大丈夫って思っても,翔太の体はダメって言ってるんだから」
💙「ははっ笑何だそれ笑」
でも,そんな気がする,俺は“いける,大丈夫”って思ってもめっちゃ腫れてるんだもんな
💙「……ありがと。マジで。助かった」
素直に出て来たその言葉に,涼太は頷くだけだった
❤️「ほら,いこ,みんな心配してる」
💙「おう。」
俺は涼太の手を握り,楽屋に戻って行った。
〜fin〜
※短くてすみません!
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