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2人は、季節を超えて、ゆっくりと成長していった。
中学生になったある日、凛は突然倒れた。
原因不明の高熱、原因不明の心拍数異常。
医師にも説明のつかない“心因性の発作”。
敬太は、凛の病室を訪れた。
そのとき、何の脈絡もなく、彼の中に……
“過去の記憶”のようなものが、断片的に浮かんだ。
鉄の檻。
白い部屋。
鍵を掲げて笑う少女。
そして……
泣きながら”さよなら”を言った光の扉……。
凛の手を握った瞬間……
『美咲さん……?』
そう呟いた自分に、敬太は驚いた。
凛の目が、見開かれる。
「……良規、くん……?」
時が、ゆっくりと動いた。
誰かの名前を呼ぶようにして、2人は初めて再会した。
転生の記憶は、全てではない。
けれど、その“想い”は確かに彼らの中にあった。