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〈nakamu side〉
ヒューッ、ヒューッ
Kn 「なかむ?きこえる? 」
ジジッ
? 「償えることじゃないのよ」
頭に響く声。記憶が混同していて、自分の意識がどっちにいるのかがわからない
ヒューッ、フーッ
曖昧な意識の中、あざが火傷のように広がっているのを感じる。それでもなお俺は絡まってしまった記憶を解くために踠く
Br 「なかむ、だめだ戻ってきて!!」
なぜ?
俺はきっとこの記憶を忘れてはならなかったんだ。だから今こうやって苦しんでいるんだろう
もうお前らに迷惑をかけたくない
俺がここから抜け出さなくては今までも、これからも足手纏いのままだろ?
そんなの嫌なんだよ
? 「もうちょっと、あとちょっとだよ」
幼子の声がする。それは以前、夢の中で出会った男の子のようだった
しかし以前の姿とは異なり今は推定5歳児ほどに見えた
Nk 「君は誰なの?」
? 「わすれちゃったの?」
Nk 「思い出せないんだ
君は何か知っているんでしょ?」
? 「じゃあぼくがたすけてあげる! 」
? 「なかむ、自分が何をしたのかわかっているの!?」
バシッ
Nk 「ごめんなさぃ、おかあさん、、」
母 「謝っても償えることじゃないのよ」
母「なかむに力を持たせることはできないわ」
そう言ってお母さんはぼくに魔法を施し始めた全身の力が抜け、内側から失くなっていく何かに鳥肌がたつ
Nk 「やだ!やめでっ、ぐるしぃっ、」
母 「こうでもしないとあなたは
また傷つくことになるわ」
母 「いい子だから、お眠りなさい」
Nk 「ゔぅっ、、」
フッ
ぼくはそこで夢の中へと連れて行かれた
そんな眠りの中でも微かに聞こえたお母さんの優しい声を朧げながらそれでもはっきりと覚えている
母 「ごめんね、でも大丈夫。
お母さんがなかむの代わりに行ってくるから」
思い出した、
それから母は帰ってくることはなかった。母がいなくなってから何週間かした後に聞いてしまったんだ
幼い俺の過ちを代わりに償うために処罰を受けて、その後自殺をしてしまった。と
そして周りの人がおくる俺への視線が
母を亡くした幼子への同情ではなく、人外を見るような痛い視線だったことを
ごめんっお母さん、、
肝心なところが思い出せない。
1番重要な俺が犯してしまった罪を
? 「まだわからないの?」
Nk 「君は一体なんなの?」
? 「ぼくはなかむだよ 」
Nk 「何その冗談、おもしろくないよ」
nk 「ぼくは罪を犯して眠らされた幼いころのきみだ」
nk 「でも眠り続けるのも疲れちゃってさ
だからもう少し思い出して?」
Nk 「君のために思い出すなんて癪だな。 」
Nk 「そもそも眠らされていたのなら起こしてはいけないんじゃないか?」
nk 「じゃあ、思い出さなくていいの?
みんなの足手纏いになりにいくとでも?」
Nk 「、、、。いや、俺は思い出したい」
俺のために、みんなのために思い出すんだ。
nk 「それじゃあ、もう少し頑張ろうか」
目を覚ますと先ほどいた家屋の前にいた。
Nk 「ここは、今俺の体もいるはずだけど?」
nk 「これは過去の記憶を映像化しているんだ
現世じゃない。」
なぜか足がすくんでしまう
ああ、俺は今怖気付いているのか。過去を知ることに恐怖心を抱いているんだ
nk 「なにしてるの、いくよ」
…………………………………………………*
広々とした屋敷内をただ2人で歩いて行く
普段は日のあたりのよく暖かい日が差し込むその屋敷は、妙な静かさが漂い、冷ややかとしていた
Nk 「どこに向かってんの?」
nk 「なかむがさっきいた場所だよ 」
nk 「あそこがトリガーなんだ
だから混同する記憶の中で僕と再開した」
Nk 「ベッドルームか、
そこでいったい何があったんだ?」
nk 「みればわかるよ」
そう言って特に会話も展開せずにただ黙々と
どこまでも続きそうな廊下を歩いて行く
息の詰まる時間に耐えてようやくベットルームのある階にきた。
Nk 「っ、、?」
今まで感じた違和感がようやく確信に変わる
この階数だけ異様に雰囲気が悪い、魔力のない俺が感じるなんて一体何が、、、
不快感を覚えながらもベッドルームの目の前までくる
nk 「もう異変には気づいてるみたいだね
中に入れば答えがわかるよ」
ドアノブに手をかけると、中から幼子の声が聞こえる。それも懐かしい声だ
? 「おちついてっ!」
? 「なにこれ、どうなってるのっ?」
? 「だめだって、なかむ!!」
ハッとしてドアノブから手を離す。中にいるのは幼い頃の俺らだ、、、。
nk 「なにしてんの、 知りたいんでしょ?」
扉を開けると凄まじいほどの圧力を感じる
本能が拒否反応を示している。なんだこれ、魔力のオーラ?
過去に学校の授業で『魔力暴走』についてをやったことを思い出した。
魔力暴走とは主に精神面で強い圧力を受けた時に起きるもので、パニック状態や興奮状態で起こりうる魔力の急速増加によるキャパオーバーのことだ。
思春期に起こりやすく、起きてしまった場合は張本人の魔力が尽きるのを待つか、格上の魔術師によって封じ込めるなどして対応することが必要であるのだ
その時に載っていた教科書欄外の周りへ及ぼす影響の条件と今のこと状態が重なった気がした
Nk 「ぐっ、、ふぅっ」
呼吸が困難になるほどのオーラによる圧力に目を開けることが困難だ。俺ですらこうなら、
こんなの魔力のあるみんなからしたら相当な負担になるのは間違いない。
nk 「よくみて思い出して」
そう、俺はもう逃げないと決めた。
みんなのために変わるんだ
思い出すんだ
圧力に負けじと逸らしていた目で焼き付けるように今起きていることを確認する
…………………………………………………*
あぁ、なんでこんなことに