Br視点
いつもどおり彼とお散歩をしている
綺麗な桜がたくさん並んでいるこのあたりは彼と過ごした思い出がたくさんつまっている
けど、もうここに来ることはないかもしれない
なぜなら彼に別れを告げなければならない日がきてしまったから…
『っ……』
本当は別れたくない
まだ一緒にいたい、離れたくない
けど、タイムリミットがきてしまった
なぜなら僕は病気になってしまったのだ…
治るのにかなりの時間がかかるらしいし、もう少し進んでいれば死にいたるかもしれなかったものだった
それを彼に伝える勇気はでなかった
きっと彼に病気のことを伝えてしまったらきっと毎日僕のお見舞いに来たりして自分の時間を削るはず…
けど、そんなことをしてほしくない
なら、別の人と楽しく毎日を過ごしてほしい…
そう思ってしまったんだ…
だから…今日告げなければいけないんだ…
……
『Knさん、別れよ』
彼はとても驚いだ顔をしていた
その瞬間に自分は目を逸らしてしまった
そりゃそうだよな…別に喧嘩をしたわけでもないし、毎日が楽しくなかったというわけでもない
僕たちの今までの生活で「別れる」という言葉は存在しないと思っていただろう…彼も…きっと…
自分勝手だなぁ……僕…
そっと目線を彼に向ける
Kn「…わかった」
今にも泣きそうな彼
抱きしめたい
けど…
もうそんなことは許されない
そんな彼を見てるのも辛く、口を動かす
『じゃー、行くね。今までありがとう。さよなら、Knさん。元気でね!』
そういって早歩きでここを去る
もうここには来ない
来る理由もない
彼もいなければ、ここに来ると思いだしてしまう
振り向かない
振り向かない…
気づいたら涙が溢れ出していた
〜約二年後〜
もちろん僕は病気の治療のため、今も病院に入院をしている
もうそろ良くなるらしい
薬の副作用とかで筋力が落ちて車椅子生活だったが
リハビリとかもやってるから少しずつ歩けるようになってきた
そういえばもう別れて結構たったんだな…
もう一度、彼の顔を見たい…
けど、そんなこと許されないか…彼を泣かせてしまったのだから…
「Brさん、少し外に歩きに行きませんか?」
先週から看護師さんと病院周りを歩いてみようという話になった
ゆっくりだけど
わかったと返事をして準備を始めた
このあと彼と出会うことも知らずに…
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