テラーノベル
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駅前のコンビニまで来たところで、勇斗が足を止めた。
🩷 「ちょっと待ってて」
💛 「は? 何で」
🩷 「いいから」
勇斗は返事も聞かずに店内へ入っていった。
仁人はその背中を睨みつけた。
💛 「……何なんだよ、マジで」
敵校のトップ。
普段なら、視界に入っただけで面倒くさい。
それなのに、さっきから勇斗は仁人を放っておかない。
助けを求めた覚えはない。
礼を言うつもりもない。
なのに。
——どうして、あいつは。
数分後、勇斗が戻ってきた。
片手には、温かいお茶と小さな袋。
🩷 「はい」
💛 「……何」
🩷 「お茶。あと、これ」
差し出された袋の中には、消毒液と絆創膏が入っていた。
仁人は目を瞬かせた。
💛 「……いらねぇ」
🩷 「じゃあ捨てる?」
💛 「……」
🩷 「俺、使わないし」
💛 「お前が買ったんだろうが!」
🩷 「うん」
💛 「じゃあお前が使えよ!」
🩷 「俺、怪我してないもん」
あまりにも当たり前の顔で言うものだから、仁人は言葉に詰まった。
勇斗はお茶を仁人の手に押しつけると、隣のガードレールに腰を預けた。
🩷 「……さっきの奴ら、知ってる?」
💛 「知らねぇ」
🩷 「そっか」
💛 「何だよ」
🩷 「いや。最近、西陵の奴らが狙われてるって聞いたから」
仁人の表情が変わった。
💛 「……誰から」
🩷 「うちの奴」
💛 「何でお前が、そんなこと知ってんだよ」
🩷 「さあ?」
勇斗は曖昧に笑った。
🩷 「まあ、俺も気になってたし」
💛 「……意味分かんねぇ」
🩷 「うん。俺も」
その答えが、妙に引っかかった。
勇斗は普段、何でも分かっているような顔をしている。
喧嘩のときも、仲間といるときも。
誰にも本音を見せず、いつも余裕そうに笑っている。
そんな男が、自分のことを気にしている。
それも、敵である自分を。
仁人はお茶のペットボトルを握りしめた。
💛 「……借りは返すから」
🩷 「え?」
💛 「今日のこと。学ランも、これも。借りは返す」
勇斗は少し驚いた顔をした。
そして、ふっと笑った。
🩷 「じゃあさ」
💛 「何」
🩷 「今度、一緒に飯食おうよ」
💛 「……は?」
🩷 「それでチャラ」
💛 「頭おかしいんじゃねぇの!?」
🩷 「えー、いいじゃん」
💛 「よくねぇよ! 何で敵校の奴と飯食わなきゃなんねぇんだよ!」
🩷「ってか、その風潮作ったの先輩たちだろ、」
🩷 「俺、お前と飯食ってみたい」
その言葉に。
仁人は、一瞬だけ黙った。
雨は、いつの間にか小降りになっていた。
コンビニの明かりが、勇斗の横顔を照らしている。
冗談を言っているようには見えなかった。
けれど、そんなはずはない。
こいつは佐野勇斗だ。
敵校のトップで、喧嘩が強くて、意味の分からない男。
自分とは、何もかもが違う。
💛 「……絶対、嫌だ」
🩷 「そっか」
勇斗はあっさり引き下がった。
それから、仁人の頭をぽん、と軽く叩いた。
💛 「っ、おい!」
🩷 「じゃあな、吉田」
💛 「二度と触んな!!」
🩷 「ははっ。気をつけて帰れよ〜」
くしゅんと、大きなくしゃみをすると勇斗がニヤニヤしている。
🩷「だーから言ったろ」
💛「うるさい!」
勇斗はそう言って、駅とは反対方向へ歩いていった。
仁人は、その背中をしばらく睨んでいた。
手の中には、温かいお茶。
肩には、勇斗の学ラン。
袋の中には、消毒液と絆創膏。
どれも、返せば済む話だ。
そう思っているのに。
💛 「……何なんだよ、あいつ」
呟いた声は、雨音に紛れて消えた。
💛「あ、学ラン…」
返さねぇといけねぇじゃん…
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コメント
2件
jntさんツンデレでかわよい
あ〜〜もう!何このエピソード、尊すぎん??😭💕 勇斗、怪我してないのに消毒液と絆創膏買ってくるとことか、敵校のトップなのに仁人のこと気にかけてる感じとか…「俺、お前と飯食ってみたい」ってストレートに言っちゃうのズルすぎるでしょ!仁人の「借りは返す」からのツンデレっぷりもたまらん♡ ラストの「返さねぇといけねぇじゃん」で終わる感じ、続き気になりすぎてヤバい!次話いつ??早く読みたいよ〜!🌸
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