「どう答えるのが正解?」
なのに彼女はそんな風にオレに聞いて来る。
いや、そうじゃなくて。
ただあなたの気持ちをオレは知りたいだけなのに。
「さぁ?それは自分でじっくり確かめるしかないね」
だから、あなた自身でそれを確かめてほしい。
あなたにオレがどれだけ真剣なのか。
じっくりオレの想いを受け止めてほしい。
「じゃあ、ホントに悪い男なら追い返さないと」
なのに、やっぱりまだ彼女は心を開かず、同じように答えをはぐらかす。
「じゃあ、今日はどちらのオレか楽しんで♪」
なら、オレもあなたから知りたくなるまで、その時まで待つだけ。
きっとまだオレがあなたに何を言っても信じないだろうから。
あなたの気持ちもまだどれだけオレに傾いてるのかわからない。
ちゃんとオレを好きになってもらわないと意味ないから。
「お待たせ。出来たよ」
そしてオレと何気ない話をしながらいつの間にか完成させたらしく声をかけてくれる。
するとテーブルの上には、いかにも作り慣れた感じのハンバーグやらサラダやらが並んでいる。
「おっ、すごっ」
思わずその豪華さに声が出る。
「どうぞ。召し上がれ」
「いただきます」
オレの為だけに作ってくれた料理。
嬉しすぎなんだけど。
「うんまっ!」
やっぱり最初はメインのハンバーグ。
食べた瞬間、美味しさに声が出る。
「よかった♪」
「マジ、ウマい」
「そんなおいしそうに食べてくれるなら作りがいある」
「だってホントにウマいし。さっきの話マジ約束ね」
「ん?何が」
「ご飯作ってくれるって話」
「あぁ、その話?」
「あれマジのお願いだから」
「ノリかと思った」
やっぱりか。
なんとなくそんな気がした。
オレの言うことなんでもかんでも冗談とか思わないでよ。
オレはいつでもあなたに本当のことしか言ってないのに。
「ノリなワケないじゃん。こんなウマいならマジ毎日食いたい」
「お世辞上手いね~」
「オレめんどくさいの嫌いだからお世辞って言ったことないんだよね~」
それでもやっぱりなかなか信じない彼女。
「その分のお返しのご馳走は期待しといて」
あなたがオレの為に作ってくれた分、その分は美味しいモノご馳走してちゃんと返すから。
オレもあなたが喜んでくれる顔が見たい。
「なら、その時はうーんと奮発してご馳走してもらうから」
「まかせといて」
あなたが望むならどんな高いモノだってご馳走してあげる。
あなたがこうやって笑ってくれるなら、オレはどんなことだってする。
その後ご飯を食べ終わっても、まだ彼女といる理由がほしくて。
「もう少し一緒に飲まない?」
「まだ飲み足りない?」
「まぁ。もう少し今日は飲みたい気分」
理由はホントはなんでもよかった。
あなたとまだいれる理由があれば。
だけど、その理由ならまだ自然に一緒にいれるはず。
そしてあわよくば酒の力も借りて、彼女と今以上少しでも距離を縮めたい。
「なら、なんかおつまみ作ろっか?」
「え、いいの?」
「うん。簡単なモノで良ければ。まだなんか食べれる?」
「もちろん。なんでもいい」
「オッケー。じゃあ、ソファーに座って先に飲んでて」
「うん。ありがと」
そう言って彼女はまたキッチンに行って適当につまみを作り始めてくれる。
こんな風に要領よく料理やつまみを作ってくれたりして。
自然なこんな普段見ること出来ない姿を見れるのが幸せで。
こんなどっちつかずの関係のオレにここまでしてくれるくらいなら。
もしこの人が自分と付き合ってくれたりしたら、こんな風なことをずっとオレの為にしてくれるんだよな。
手料理作ってくれる約束をしたとはいえ、そこに彼女の気持ちがあるのかはわからない。
ただ自分の料理を作るついでに作ってくれるだけかもしれない。
もしかしたら彼女は家族と同じ感覚で作るのかもしれない。
でも、どうせならオレを想いながらオレの為にまた作ってほしい。
こんな姿をもっと見ていたい。
もっと彼女を独り占めしたい。
もっと彼女にオレを見てほしい。
こんな勘違いしてしまうことをしてもらうと、どんどん彼女への気持ちがまた止まらなくなる。
もっと彼女にしてほしいことが増えてしまう。
どうしたらあなたはもっとオレを意識してくれる?
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