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その日の夜中にSNSの着信があり秋山菫からかと期待してトイレで中身を確認するとそうではなく、マリアの末裔こと春岡鉄雄からだった。先日と同じように別アプリで作成した原稿を一分ごとに連続投稿してきた。
彼からのメッセージは意外な内容だった。要は奥さんの過去を許すことができず、離婚を目指すというもの。彼らは夫婦で市役所の職員。働きづらくなるのでは? と心配になるが、鉄雄の意志は固いようだ。
夫とその恋人への徹底制裁を決意した今、鉄雄の決断は追い風のように感じられた。少なくとも彼は離婚を求めて行動する同志。仲良くして損ということはあるまい。
今日 23:25
人妻キラーさん、先日は相談への回答をありがとうございました。絶対に別れない方がいいというアドバイスをいただいて、その直後は僕も妻と話し合って素直に過去の罪を認めれば許そうと考えていました。
でも東星から取り上げたUSBメモリの中の映像を結局全部見てしまい、その後は許そうという気持ちがこれっぽっちもなくなってしまいました。今はあれほど憎んでいた茶道部の連中に感謝しているくらいです。貴重な証拠を残しておいてくれてありがとう、という意味で。
高三の夏休み、僕は井海佳乃に浮気をでっち上げられたせいで恋人だった聡美にも会えず、ずっと自宅で公務員試験の勉強をしていました。でも夏休み中、当の聡美は茶道部の連中と浮気三昧だったのです。しかも四人でその場にいない僕の悪口で盛り上がりながら。
やつらは聡美の初体験の瞬間も録画していました。場所は例によって学校の和室。窓はすべて遮光カーテンで塞がれています。赤池数希か小田潤が押し入れの中に隠れて押し入れに空けた穴を使って隠し撮りしたようです。ということで聡美の初めての相手はよりによって僕を恐喝しようとして逆に階段から突き落としてやった永野大椰でした。
〈鉄雄君が井海さんにしてるひどいことをいろいろ教えてくれてありがとう。大好きだったけど、おかげで別れる決心がついたよ〉
《別れる? あいつ大喜びするだろうな》
〈大喜び? なんで?〉
《だってただ一之瀬と別れるだけなら、あいつノーダメージじゃん。一之瀬と別れたって今まで通り井海とやりまくるだけ。痛くもかゆくもない。鉄雄本人のためにもしっかり仕返ししてやった方がいいと思うぜ》
〈仕返し?〉
《浮気し返してやるんだ。そうすればあいつも自分がどれだけひどいことしたか思い知るだろうよ》
〈あまり気が進まないな。赤池君にもそうしろって言われたけど……〉
《一之瀬は鉄雄がおまえのこと教室でどう言ってるか知らないもんな》
〈知らない。なんて言ってるの?〉
《頭がよくて性格がいいって》
〈へえ。それはうれしいな〉
《でも貧乳すぎて全部台無しだって》
〈なっ……!〉
《それでも許せるか?》
〈許せない!〉
《だよな。思い知らせてやろうぜ》
〈でも……〉
《おれは一之瀬のおっぱい好きだぜ》
〈本当?〉
《ほんとさ》
〈あん……〉
ビデオカメラの角度が悪くてよく見えませんが、大椰が聡美の胸をまさぐっているようです。大椰が聡美の半袖ブラウスとタンクトップ、ブラジャーを一気に脱がせましたが、聡美は無抵抗。映像には背中しか映っていませんが、胸を隠さず大椰に見せているようです。
《やっぱりおれ好みのおっぱいだ》
〈うれしい〉
《いいよな?》
〈い、いいよ……〉
と答えた三分後には聡美はメガネだけ残して全裸にされて、布団替わりに並べられた座布団の上に寝かされていました。
和室の畳の上には二人の衣類が乱雑に脱ぎ散らかしてあります。大椰もパンツ一枚残して裸。執拗に聡美の胸ばかり手と指と唇と舌を駆使して攻めています。
〈どうしてそこばっかり?〉
《一之瀬の中で一番好きな場所だからな》
〈永野君、大好き〉
大椰がパンツも脱ぎ捨て、聡美の下腹部に顔をうずめます。
〈ひゃっ!〉
《濡れてる》
〈恥ずかしい〉
《挿れるよ》
〈うん……〉
二人は正常位で合体しました。大椰は慣れたように腰だけを使って出し挿れを続け、空いた両手で聡美の胸を揉みしだきます。聡美は性器の結合より胸の愛撫の方で感じているようでした。
〈痛い〉
聡美の声に大椰が手を離すと、
〈そっちじゃない〉
と説明されて、大椰はまた聡美の胸に手を伸ばします。
《もう少しだから》
〈何が?〉
《射精するまで》
〈中には出さないで〉
《分かってる。おお?》
大椰は素早く引き抜き聡美の下腹部に放出しました。数ヶ月後、僕が聡美と初めて結ばれたとき聡美のその部分は無毛でしたが、当然そのときはまだ黒い茂みがありました。
《処女卒業おめでとう》
〈血が出た?〉
《普通にな》
聡美は微笑んでいました。空元気などではなく誇らしげにさえ見えました。僕に仕返しできたという満足感と達成感からでしょうか?
満足感と達成感を隠さないのは大椰の方も同じ。ただしこちらは誰かを見下すような下品な笑顔。きっとここにいない僕を、ざまあみろと心の中で嘲笑しているのでしょう。もちろん、新たに手に入った性処理のおもちゃをこれからどう使いこなしてやろうか、という身勝手な考えもあったに違いありません。
最後に大椰が隠しカメラの方に近づき、聡美の純潔を踏み荒らしたばかりの邪悪なものが生々しくアップで映され、僕は思わず顔を背けました。映像はそこで終わり。でも僕の怒りはそこから始まりました。
僕が聡美の貧乳を馬鹿にしていたと聞いたことが永野大椰が彼女を落とした決め手になった? 聡美が胸の小ささに劣等感を感じていたことを僕は知っていたし、それについてどうこう言ったことはありません。むしろ、今度の女は貧乳だと教室で馬鹿にしていたのは茶道部の連中の方です。あのときはまさか聡美のことを言っていたのだとは夢にも思いませんでしたが。
だいたい聡美の初めての相手が東星一輝ではなく茶道部の連中だったと知って、最初は脅迫されて無理やり関係を持ったのだろうと思い込んでいました。でも実際は嘘こそたくさんあったものの、脅迫や強要はまったくありませんでした。簡単に落とされすぎです。聡美に浮気されて僕がどれだけ傷ついたことか。それを思い知るべきなのは彼女の方です。
〈痛い〉
聡美は僕との行為中にそう言ったことは一度もありません。彼女が痛みを感じないように僕が注意してそれをしてきたからだと思っていました。実際は違いました。僕の性器が小さかったこともあるでしょうが、一番は僕と結ばれるまでの数ヶ月のあいだに性交痛を一切感じなくなるくらいまで彼女の性器が連中によって使い古されてしまっていたからでした。
〈恥ずかしい〉
そういえばこう言われたこともありません。きっと僕と結ばれる前に彼女の性的羞恥心が完膚なきまでに破壊されていたせいです。そうとしか思えません。
今日 23:26
でも腹は立ちますが、今まで書いてきたことでとどまるなら僕も離婚までは考えなかったでしょう。
夏休み中、彼女は連中と次のような会話をしていました。その頃にはすでに彼女は三人のおもちゃになり、複数人を同時に相手することもありました。場所はまた学校の和室。もう隠し撮りでもなく手の空いた誰かが交代して堂々と撮影していたようです。
そもそも聡美は茶道部の部員でもなかったのに。茶道部の顧問の教員は何をしていたのでしょう? 問題児たちを相手したくなかったからか、部活中一度も見回りに来ませんでした。
聡美は小田潤と騎乗位で合体して、リズミカルに腰を上下動させています。二人とも全裸。聡美の下腹部はすでに無毛です。一方、上半身裸の大椰が横から手を伸ばして彼女の胸を弄んでいます。カメラは彼女の正面にあり、撮影しているのは赤池数希でしょう。
《浮気してるっていう背徳感と罪悪感が快感につながるんだって鉄雄のやつが言ってたけど、一之瀬はどう思う?》
〈ほ、本当かも……〉
《一之瀬には公務員試験の勉強で忙しいと言いながら陰では女とやりまくってるんだぜ。ったく、いい度胸してるぜ》
〈鉄雄君、そんなで試験受かるのかな?〉
《受かるわけねえだろ。馬鹿だから高卒で就職するのに》
〈彼は母子家庭で生活が厳しいから就職するって言ってたけど〉
《ああ、鉄雄の母親か。生活苦しいからたまに体売ってるってよ》
〈最低!〉
《ヤリマンの息子がヤリチンになった。そんなのが受かるほど公務員試験は甘くねえよな》
〈あんなやつ、試験に落ちて泣いちゃえ〉
《いいぞ、もっと言ってやれ!》
〈試験に落ちて泣い――ああ、イクっ!〉
《言ってと言ったらイッた。今のリアクション、最高だったぜ》
〈えへへ〉
聡美は褒められたみたいに照れて笑っていましたが、大椰の言う最高というのはおもちゃとして最高という意味で、人として最高という意味ではありません。
いや、人としてと言うなら、夏休み中必死に試験勉強していた僕に試験に落ちて泣いちゃえとはどういうこと? 百歩譲って僕の悪口は耐えてもいいとしても、女手一つで苦労して僕を育ててくれた僕の母親を連中といっしょに侮辱するのはどういうこと?
あんなクズどもの言うことはやすやすと信用して、恋人だったはずの僕の言い分は聞こうともしない。何よりそれが僕には許せませんでした。
駄目押しとなったのが次の会話のやり取りでした。相手はまた永野大椰。聡美の目の前にカメラがあるようです。二人とも素っ裸。聡美は四つん這いで後ろから大椰に突かれていますが無表情。
《ずっと痛がってたけど、だいぶ慣れてきたみたいだな》
〈でも気持ちよくはないよ。普通に前の方でしない?〉
《おいおい、おれが好きでこっちの穴に挿れてるみたいに言うなよ。鉄雄は変態だからいつも井海の肛門を犯してるんだ。おれだって一之瀬の嫌がることはしたくない。仕返しのためにあいつと同じことをやってるだけなんだぜ。一之瀬は仕返ししたいのか、気持ちよくなりたいのかどっちなんだ?》
〈両方かな〉
《分かった。じゃあ一回出したらそうしてやるよ》
〈うれしい!〉
目まいのするような会話。大椰は彼女の肛門の中に射精すると、そのまま膣の方に挿れ直します。拭きもせず。もちろん避妊具もつけていません。汚いと正直嫌な気持ちになりました。
そのとき気づきました。どの映像でもやつらが一度も避妊具を使っていなかったことに。やつらの避妊は外に出すこと。生理直後などは避妊せず腟内に放出することもありました。
連中が退学したあと彼女は僕に行為することを許しましたが、避妊具は強制しました。それは結婚してからも同じ。強制を解除したのは人生でたった二回の子作り期間だけでした。
女性の体を守るためだから当然のことだ、とそのことを不満に思ったことはありませんでした。この映像を見てしまうまでは――
聡美は不潔だと思っていない様子。快感に身を委ね、あっあっあっと小さく声を上げ始め、その声は次第に速く、そして大きくなっていきました。
《気持ちいいか?》
〈うん!〉
《だけど鉄雄とやるなら気をつけろよ》
〈どうして?〉
《あいつ見境なく女に手を出すから、いつ性病になってもおかしくない。あいつとやるならしっかりゴムをつけさせることだ。いや、あいつが自分からつけるわけないな。必ず一之瀬がつけてやればいい》
〈つけ方知らないよ〉
《あとで教えてやる》
〈ありがとう。ほかにした方がいいことある?〉
《ほかに? 風俗だとプレイの前に男のあそこを熱いお湯で洗うそうだ》
〈熱湯消毒?〉
《熱湯はかわいそうだろう》
爆笑する二人。それからまもなく聡美は絶頂に達し、イクイクイクイク! と絶叫しました。そんな聡美を見て、大椰も興奮したようです。
《中出ししてえ》
〈大丈夫だと思うけど……〉
《じゃ出す》
おおっ! と大椰が咆哮しました。腰を男の手で押さえられているとはいえ、聡美は無抵抗で大椰の精液を膣内に受け入れました。なぜか満足げな表情。
両方の穴を大椰の精液で汚されて嫌気が差したのか、残りの二人は聡美に口で奉仕させ精液を飲ませていました。
和室の押し入れには避妊具の箱が何箱も隠してあって、大椰は約束を守り聡美にゴムのつけ方の講習をしました。残りの二人も喜んで実験台になっていました。最後にゴムをつけたまま、三人で代わる代わる聡美の膣を犯して講習は終了。
《たまにはゴムありもいいもんだな》
《でも終わったあとに捨て場所に困る》
《おれたちは基本ゴムなしということでいいよな?》
大椰の問いかけに、もちろんと聡美は答えていました。
今日 23:27
このとき僕が感じたのは怒りでなく絶望でした。行為前に必ずバスルームで熱いシャワーと石けんで念入りに性器を洗われるのも、挿入前に必ず避妊具の装着を強制されるのも、彼女が清潔好きでかつ望まない妊娠を防ぐためだと解釈していました。
実際は違ったのです。彼女は僕の性器を汚物と見なしていて、汚物から自分の身を守るための行動だったのです。
井海佳乃とは最後までしていないという僕の言葉を信じていなかったのでしょうか? 分かりませんがもう無理です。
そもそも汚物は彼女の方だろうという気持ちが湧き上がりました。肛門の汚れのついた男の性器をそのままデリケートな生殖器に受け入れるなんて僕の想像を超えています。彼女の過去を許そうと考えていましたが、僕に対する彼女の不当な扱いは今までずっと続いていたのです。
離婚したいのはやまやまですが、離婚すれば息子たちの監護者は母親の聡美となり、僕だけこの家を出ることになるのでしょう。僕は何も悪くないのに僕だけ罰を受けるようで理不尽です。
だからといって離婚を回避するために理性で聡美を許したとしても、彼女の本性を知った以上僕はもう彼女を抱けません。行為好きな彼女がセックスレスを受け入れてくれるでしょうか? そもそも仮面夫婦になろうという僕の提案を受け入れてくれるかどうかも不透明です。
今までの人生で味わったことのないような苦しみが始まりました。夜は一睡もできません。食欲もなく、自宅では何食わぬ顔で食事をしてはトイレで全部吐いていました。
彼女の復讐にはこんなふうに僕が苦しむことまで含まれていたのでしょうか? そうだとしたら彼女はサイコパスです。僕の手に負える相手ではありません。
すぐに長男の海が僕の異変に気づきました。海は十六歳。高校一年生です。
今朝、妻はもう出勤していました。中学生で次男の空はのん気にテレビを見ています。僕はトイレから出たところ。海はトイレに入りたいようでした。
「おやじ、昨日から真っ青な顔してるけど、体調悪いなら無理しないで仕事休んだ方がいいぜ」
口は悪いけど思いやりのある自慢の息子です。
「いや。仕事していた方が気が紛れるからいいんだ」
「嫌なことがあったみたいだな。おれでよければ聞いてやるぜ」
「いや、海まで病んだら困る」
「じゃあ、おふくろに相談しろよ。そのための夫婦だろ?」
正論です。でもそれができたら苦労しません。
「それはできないんだ」
「もしかして悩みはおふくろのこと? 二人は同じ高校で学年も一緒だったんだよな。自分は大卒なのに高卒のおやじと結婚してくれたんだろ? いいおふくろじゃねえか」
「感謝してるよ」
長男は短気なのが玉にキズ。さっそく癇癪を起こしました。
「ああ、じれってえな! 全部言ってみろよ! おれが真剣に相談に乗ってやるから!」
「ああ、ごめん。実は母さんが友達といっしょに父さんの悪口を言って笑い者にしてたんだ」
茶道部の連中が聡美から見てセフレだというなら、セフレとはセックスフレンドのことだからこの説明で合っているでしょうか。
「あの真面目なおふくろが? 何かの間違いじゃねえの?」
「今じゃない。高校の頃。それを最近知った」
海は心底呆れたようでした。
「高校の頃って何十年前の話だよ? あのさ、おれだって彼女がいるけどさ。あいつだって同じ。おれがいないとき友達におれのこと好き放題言ってるぜ。性格いいけど勉強できないとか、背が高いからちょっとキスしにくいとか。でも最後に〈好きだから全部許せちゃう〉って言ってるの知ってるからなんにも気にならねえな」
まさか息子の惚気話を聞かされるとは思いませんでしたが、意外にいい話でした。これも怪我の功名というのでしょうか。
「昔の動画かなんか出てきたのか? 見てやるから送ってみろよ」
「ショックを受けるから見ない方がいい」
「そんなにひどい悪口だったのか? 絶対に文句言わねえからさっさと送れよ。高校時代のおふくろなんて卒アルでしか見たことねえから興味津々だしな」
「絶対に文句言うなよ」
「男に二言はねえよ!」
「あとで送る」
「送らなかったら職場に電話するからな!」
そこまで言うなら仕方ありません。出勤するために玄関を出た直後に動画を一つ、海のアカウントあてに送信しました。
たいていの動画で僕は彼らにディスられていたからどれでもよかったのですが、分かりやすく〈試験に落ちて泣いちゃえ〉の動画を送りました。ふだん反応の早い息子ですが、今日に限ってなかなか返信が届きませんでした。
今日 23:28
海はやはり送られてすぐ動画を確認していました。動画の中で全裸の少女が複数の男たちと乱れた性に興じていました。海はまず腹を立てたそうです。送る動画を間違えた僕に対して。でも少女が僕の名を呼んだのを聞いて、動画の少女が高校時代の自分の母親であることに気づいたそうです。
海は僕より母親に懐いていました。そりゃそうです。父親よりも学歴も役職も年収も上。海にとって母親はこの家の大黒柱であり、彼にとっての高い目標でした。
その自慢の母親が僕以外の男たちとのセックスの虜となり、着ていた服を一枚残らず脱ぎ捨て、無毛にされた下腹部を晒しています。男の上で自ら激しく腰を振り、別の男には乳房をもまれ、また別の男にはビデオカメラで撮影までさせていました。しかもその場にいなかった恋人の僕の悪口を男たちと言い合い、試験に落ちて泣いちゃえと笑い者にしていました。
動画の中の聡美が絶頂に達した直後、海はもう行動を開始しました。まずリビングに行き、有無を言わせずテレビを消しました。当然、テレビを見ていた空は怒りましたが、僕から送られた動画を見せて黙らせました。
二人はそれぞれ自分たちの学校に電話して、体調不良により欠席すると連絡しました。それから市内にある聡美の実家に電話して、急用があるからすぐに来るようにと義両親を僕らの家に呼びつけました。義両親は驚いて飛んできました。
二人は動画を見せて、
「もう家族だと思えない」
「いっしょに暮らすなんて無理」
「今日からそっちで引き取ってよ」
と口々に言い放ちました。
息子たちの剣幕に押されて、義両親は当面の別居に同意しました。義両親は帰宅後、勤務中の聡美を召喚。事情聴取をしたそうですが、聡美がどう答えたかは聞いていません。
これらのことは全部僕の帰宅後に知りました。帰宅後に義両親が再度来訪し、深々と頭を下げられました。聡美は義実家の自分の部屋で呆然と座り込んでいるということです。
「別居には同意するが、これからも仕事には行かせてもらえないだろうか」
とお願いされたので、
「聡美さんに仕事を休めと言う権利は僕にはありません。ただくれぐれも職場では僕には近づかないようにと伝えておいて下さい」
と答えておきました。
僕がすべきことを全部息子たちがやってくれました。僕は駄目な父親です。今回の件では、息子たちの心をたいそう傷つけてしまいました。これからは息子たちの心に寄り添える父親でありたいと决意しました。