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#監禁パロ
雪だるまひとひと💙
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💛side
冬休み。
街はクリスマスの飾りで彩られていた。
駅前には大きなツリー。
ガラス越しに映るイルミネーション。
冷たい空気の中、白い息だけがゆっくり溶けていく。
💜「寒っ……」
辰哉がマフラーに顔を埋める。
💛「手袋しろよ」
💜「忘れた」
💛「毎年だな」
💜「照、貸して」
💛「一組しかない」
💜「じゃあ片方」
呆れながら右手の手袋を外す。
辰哉へ渡す。
💜「ありがと」
その手袋は少しだけ大きくて、辰哉の指先が余る。
💜「照の匂いする」
💛「変なこと言うな」
💜「ほんとのこと」
笑う。
その笑顔を見ているだけで、寒さなんてどうでもよくなった。
二人で商店街を歩く。
たこ焼きを半分こして。
クレープを買って。
くだらない雑貨を見て笑って。
どこにでもいる高校生の恋人。
そんな一日だった。
💜「照」
💛「ん?」
💜「幸せだな」
立ち止まる。
イルミネーションが辰哉の瞳に映っていた。
💛「急にどうした」
💜「なんとなく」
少しだけ照れくさそうに笑う。
💜「今がずっと続けばいいのに」
その言葉が胸に残る。
💛「続くだろ」
そう答えた。
何の根拠もないのに。
未来なんて疑ったこともなかったから。
💜side
照は未来を信じている。
来年も。
再来年も。
その先も。
当たり前みたいに俺が隣にいる未来を。
その顔を見るたび思う。
守りたい。
この人の笑顔を。
ずっと。
理由なんて分からない。
でも。
胸の奥で何かが焦っていた。
帰り道。
信号待ち。
赤信号。
車が何台も横を通り過ぎる。
その時だった。
キキ―――ッ
頭の中だけで。
鋭いブレーキ音が響いた。
💜「っ……!」
思わず耳を塞ぐ。
💛「辰哉!」
照が肩を掴む。
💛「どうした!」
💜「今……聞こえなかった?」
💛「何が」
💜「ブレーキ……」
周りは静かだった。
普通に車が走っているだけ。
誰も驚いていない。
💛「……聞こえなかった」
辰哉は何度も辺りを見回す。
何もない。
本当に。
何もない。
💛side
その日からだった。
俺も見るようになった。
夢を。
暗い道。
赤いテールランプ。
冷たい雨。
誰かの叫び声。
そして。
キキーッ
目が覚める。
汗でシャツが張り付いていた。
💛「……夢か」
時計は午前三時。
眠れない。
胸騒ぎだけが残る。
翌日。
辰哉の顔を見るなり分かった。
同じだ。
眠れていない顔。
💜「照」
💛「……夢?」
辰哉はゆっくり頷いた。
💜「聞いてないのに分かった」
💛「俺も見た」
初めてだった。
同じ夢を見たなんて思ったのは。
でも。
夢の内容を話そうとすると。
不思議なくらい思い出せない。
💛「……変だな」
💜「うん」
覚えているのは。
胸が苦しかったことだけ。
💜side
夢の回数は増えていく。
昨日より今日。
今日より明日。
少しずつ。
少しずつ。
景色が鮮明になっていく。
白い天井。
電子音。
誰かが俺の手を握っている感触。
その手は温かい。
でも。
顔だけが見えない。
💛side
年が明けた。
一月。
雪が降る日。
学校帰り。
橋の上で立ち止まる。
雪が静かに川へ落ちていく。
💜「綺麗」
💛「そうだな」
辰哉は雪を見上げながら笑う。
💜「もしさ」
また、その言葉。
💜「俺が先に死んだらどうする?」
心臓が止まりそうになった。
💛「縁起でもないこと言うな」
💜「例えば」
💛「例えばでも嫌だ」
思わず声が強くなる。
辰哉は少し驚いたあと、小さく笑った。
💜「ごめん」
💛「……謝るくらいなら言うな」
沈黙。
雪だけが降り続ける。
どうして。
そんなことを聞くんだ。
どうして。
胸がこんなに苦しいんだ。
分からない。
何も分からない。
ただ。
見えない何かが。
ゆっくりと。
確実に。
俺たちへ近づいている気がしていた。
その夜。
眠りについた瞬間。
視界が真っ白になる。
聞こえる。
誰かの声。
誰かが泣いている。
そして。
今までで一番はっきりと。
あの音が響いた。
キキ―――――――ッ
ドンッ
世界が暗転した。
その瞬間。
俺たちは初めて。
同じ夢の中で。
同時に目を開けた。
コメント
1件
第12話、読ませていただきました…🤍 クリスマスのデート、幸せな空気がすごく伝わってきて、こっちまで温かい気持ちになったのに、後半のブレーキ音と“同じ夢”の不気味さが一気に染み込んできて、心臓がぎゅってなりました。特に「先に死んだらどうする?」の台詞、あれは重かった…。照くんの「続くだろ」が無邪気なだけに、その後の暗転が怖い。ラストの“同時に目を開けた”でゾクッとしました。続きが気になりすぎます…!