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透き通るような白い肌
光を失った瞳
指の隙間を抜けてゆく髪の毛
画面の向こうの君の姿が目に青く焼きついて離れない
少し触れただけで消えそうな君はまるで シャボン玉
そういう女の子になりたいー
そんなことを考えながら見渡した部屋はもので溢れていた
私には似合わなかったフリフリのワンピースや使いこなせなかったメイク道具が視界に入る
容姿がどれだけ大切かなんて今更
本棚に飾られた女の子のフィギュア
すらっと細い手足と整った顔は2次元特有のものだった
机に向かえば文房具より多い化粧品は心の隙間を埋めてくれる
乾ききった部屋には加湿器を置いた
壁に立てかけられた鏡に映る自分の姿は決して見られないほどのものではなかった
悪くいうと今までの自分を否定することになる
決して現状に満足している訳では無い
動画でよく見るあの子もプリクラに群がるあの子もスタイル良くてかわいくて、私もあんな風になりたい
𓈒 𓏸 𓐍 𓂃涙(みず)が溢れた
お風呂の水かさが変化を告げた
成長期が終わり食べる量が減ったら案外あっさり痩せた
それから私は自分にお金を使った
今まで追いかけてたアイドルも好きな人のために始めたゲームもどうでも良くなるくらいの多額を自分に費やした
今まで使っていたものは 全て買い換えた
溢れた愛情は排水溝へ流れ戻らない
もう逃がさないの、逃げられないの