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#狂愛
柏木さくら
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臣桜
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ふと目が覚めて、窓に目を向けると カーテンが閉まっていて、部屋にはルームライトの薄明かりだけが点いていた。
デジタル時計を見ると、夜の7時46分。
…思いの外 よく眠ってしまったみたいだ。
横を見ると、陸斗はいない。
ドアの開く音がして、部屋に入ってきた陸斗と目が合った。
「あ、ごめん。 起こしたんじゃない?」
そう言いながら、陸斗はコンビニのレジ袋をテーブルの上に置いた。
「私、結構眠ってしまってたんだね」
「疲れたんだよ。ゆっくりすればいいじゃん。近くのコンビニで適当に夕飯買って来たんだけど、こんなんでいいかな」
陸斗はレジ袋の中から おにぎり何個かとサラダや数種類のホットスナック、ペットボトルのお茶数本を取り出した。
「あと ほら、プリンとか食べやすいんじゃない? それと、明日の朝食用にサンドイッチだろ、コーヒーは部屋で沸かせるみたいだし。残ったら 冷蔵庫で保管しとけばいいや」
私はまた、陸斗がポケットに突っ込んだ朝食券のことを思い出し 不快な気持ちが蘇った。
熱く抱き合ったさっきの時間が、今はまるで 幻だったかに思える。
「なんか食べる?」
「私、まだあんまりお腹空いてない」
「じゃ、俺 適当に食べるね。 お先に!」
そう言って、陸斗はチキンをがぶりと齧かじった。
なんだか…居づらい。
「私、ちょっとシャワーを浴びてくるね」
私はベッドから出て、浴室に向かった。
「ゆっくりしてきていいよ。
あ、浴槽にお湯を溜めて入ってもいいからね」
陸斗の声を背中で聞きながら、私は浴室のドアを閉めた。
「はぁっ」
溜息をつき、ふと自分の顔を鏡に映す。
冴えない顔だ。
どうしてだろう…今までみたいに 甘い時間を過ごした後も、前のように自然に振る舞えない。
ガウンを脱ぎ、浴槽に入ってシャワーの蛇口をひねると、熱めのお湯を顔にあてた。 拭いきれない不安や、嫌な予感を流すように。
シャワーを浴び終えた私は、大きめのバスタオルに濡れ髪を染み込ませ、それを体に巻き付けると そっと浴室のドアを開けた。
背中を向けた陸斗がベッドの上に座っている。
誰かにメールをしている。
コメント
1件
うわ、この空気感やばい…。熱く抱き合った後の「幻だったかも」って感覚、すごくわかる。朝食券のことを引きずったまま、シャワーで流そうとしても拭えない不安。そして背中越しにメールしてる陸斗。この距離感、すごくリアルで胸が締め付けられたよ。次が気になる…!