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世界創造の伝承
世界がまだ存在しなかった時代。
空も海も大地もまだ形を持たなかった。
そこに現れた存在がいた。
最初の歌い手、セイレーン。
彼女はただ一人で闇の世界に歌った。
すると、歌に応えて世界が生まれた。
海。
空。
風。
光。
命。
全ては、セイレーンの歌から生まれた。
しかし世界は完全ではなかった。
争いが生まれ、命が傷ついた。
その時セイレーンはもう一度歌った。
歌は、壊れた世界を作り替える力を持っていた。
つまり、セイレーンの歌は
・世界を創る
・世界を壊す
・世界を作り直す
力を持つ。
人間の王たちは恐れた。
「この力があれば世界は誰でも作り替えられる」
そこでセイレーンは神として崇められながら
同時に封印された。
神話は改ざんされ、教皇庁は真実を隠した。
だが、セイレーンは完全には消えなかった。
血は、人間に混ざった。
ごく稀に生まれる、歌う者。
その者は世界の理を揺らす。
ダイスケの母は、その血を引く一族。
だが、完全なセイレーンではない。
そして、ダイスケは数百年ぶりに生まれた
最も純粋な歌い手。
つまり、ダイスケの歌は
神話と同じ力を持つ。
公国・大公城。
その日、城は緊張に包まれていた。
帝国からの使節団が来るという知らせが入ったのだ。
そして、 その中心人物は。
帝国皇太子、ラウール。
大広間。
レン、リョウタ、ショウタ、リョウヘイが並ぶ。
ダイスケはレンの隣に立っていた。
扉が開く。
帝国の騎士たちが整然と入ってくる。
その中央。
白。
金の髪。
静かな目。
ラウールだった。
🤍初めまして
落ち着いた声。
その視線が、ゆっくりとこちらに向く。
そしてダイスケで止まった。
🤍君が、セイレーンだね
空気が凍る。
レンが一歩前に出る。
🖤皇太子殿下、ここは公国です
🖤失礼な発言は―
ラウールは軽く手を上げた。
🤍失礼
だがその視線はダイスケから離れない。
まるで観察するように見ている。
🤍なるほど、確かに…美しい
背筋が少しぞくっとした。
この人はダイスケを人として見ていない。
“力”として見ている。
ラウールは静かに言った。
🤍歌を聴かせてもらえないか
部屋がざわめく。
❤️それはできません
リョウタが即座に断る。
🤍そう
ラウールは特に怒る様子もない。
むしろ穏やかだった。
そして、ダイスケに言う。
🤍君は知ってる?教皇庁の奇跡の正体を
🩷…え?
ラウールは続ける。
🤍神ではない、セイレーンの歌だ
広間が静まり返る。
🤍神などいない
🤍奇跡を起こしていたのは君たちだ
レンが眉をひそめる。
🖤それがどうした
ラウールは静かに笑う。
🤍簡単な話だよ
🤍世界は嘘で動いている。ならば
窓の外の空を見上げる。
🤍作り直せばいい
そして、ダイスケを見る。
その瞳には確信があった。
🤍セイレーンの歌があれば
🤍王を操れる、民を操れる、戦争すら必要なくなる
ダイスケは思わず言った。
🩷それは支配だよ
ラウールは首を横に振る。
🤍違う、秩序だ
静かな声。
でもその言葉は、重かった。
🤍君は優しい。だから世界を知らない
一歩近づく。
🤍人間は愚かだ。争い続ける
🤍だから、導く存在が必要だ
ラウールの手が少し伸びる。
🤍俺と来い。世界を変えよう
レンが前に出て、ダイスケの前に立った。
🖤断る
その声ははっきりしていた。
🖤ダイスケはお前の道具じゃない
ラウールはしばらく黙っていた。
そして、ふっと笑う。
🤍なるほど、面白い
今度はダイスケを見る。
🤍セイレーン、君はどうする?
心臓がドクンと鳴る。
ダイスケはレンの手を握った。
そして答える。
🩷行かない
🩷俺の歌は、人を操るものじゃない
ラウールの瞳がわずかに細くなる。
だが怒りはない。
むしろ、楽しそうだった。
🤍そう。なら
踵を返す。
🤍いずれ、君は理解する
扉の前で止まり、最後に言った。
🤍世界は優しさでは変わらない
そして去っていった。
広間に沈黙が落ちる。
ダイスケは息を吐いた。
レンが横で言う。
🖤大丈夫か
🩷うん…
でも、胸の奥がざわざわしていた。
ラウールの言葉。
あれはただの脅しじゃない。
本気で世界を変えようとしている。
そして、きっとまた来る。
今度は、もっと強引に。
#snowman