この作品はいかがでしたか?
110
この作品はいかがでしたか?
110
『ん….何処、此処….』
遅れて理解した、自分は乙女ゲーの世界に転生した事を。
さて、まずは状況確認あるのみだな。
近くにあった鏡を覗く、そこには、赤髪のロングで左目が青色、右が黒のオッドアイの美形少女が映っていた。
(ほぉん????コレ自分??神様優遇し過ぎじゃね….?)
一旦鏡から目を離し、周りを見ると机の上に何かあることに気付いた。
『なんだろ、コレ….』
ペラっとめくるとこう書かれていた、
{やぁ!レンちゃんだよ!コレは僕からの言伝用の紙だから貴女が見終わったら直ぐに消えるから安心してね!
まず最初に貴女が望んだスキルなどはもう付与しといたから後で確認してみてね、周りの状況などにも不備は無い筈、全部要望通りにしたからね。次にライバルちゃんとヒロインちゃんの家系名を書いておくから見といてね〜}
ヒロイン:シザー家
ライバル:ヴァイス家
(ヴァイス…ハワイ語で白、か…)
要望通りって事はちゃんと悪役令嬢の方にしてくれたはず。「限りなく悪い事をする方の令嬢が良い」って言ったからね、私は。
こう見えて、乙女ゲーは一切手をつけていなかったからある程度の知識は小説でつけました。
コンコン
『はーい?どうぞ?』
ノックの音が聞こえた為条件反射で返事をしてしまった…
「アイリス様、お食事の用意が出来ました。今日から学院に入学でしょう、遅刻は許されませんよ。」
(アイリス…ねぇ、あんまり元の世界での名前と変わりなくて助かった)
『分かりました、直ぐに行きます!』
さて….これから忙しくなるぞ….!
(ふぇぇ…!?デッカッ!こんなお屋敷に住んでんの私!?)
中は中世のお城みたいに天井にシャンデリア、真ん中には長方形のウッドテーブル(かなりデカい)
椅子も背もたれが長いウッドチェア、背もたれから座る所まで赤いクッションで覆われて座り心地は良さそう。
テーブルの上には等間隔に置かれたキャンドルと凄い豪勢なステーキや、サラダ、更にはよくお茶会とかにあるケーキなど置いてある金属製のタワー。
あまりの世界観の違いに入口で突っ立っていると背後から、
?「アイリス?どうしたの、入口で突っ立って…」
『ッ!?』
バッと声のした背後へ向くと、
…クロノアさんが居た。しかも燕尾服で。
『クロ、ノア…さん…?』
Kur「…?え、急に敬語はどうした…?いつも兄さんとか呼び捨てとかじゃない。兄さん心配。」
(え、ちょっと待っていま“兄さん”つった?
…あ、そうか配役か)
神様にお願いした一つに、乙女ゲーの配役を自分の願い通りにしてくれないかと頼んだのをすっかり忘れていた。
『いえ…特に何も無いですよ、兄さん。ただ朝食を食べに来ただけですから。』
Kur「あ、そう?なら俺も一緒に頂こうかな。良い?」
『はいっ!』(即答)
憧れの実況者さんとご飯が食べれるのだ、断る道理が無いッッ‼︎
…そう言えば神様のメモにこの世界の詳細が書かれていたな。
随分長々としていたからまとめるとこうだ。
ヒロインとライバル(悪役令嬢)はお互いに差別の対象となる髪色をしているが、ヒロインだけ愛されていくのが妬ましくてライバルは、ヒロインを学校での嫌われ者にしようと様々な嫌がらせや、濡れ衣を着せてくるようになるそうだ。まぁ乙女ゲーあるあるだね。
差別の髪色は、*赤髪*・白髪(はくはつ)だ。
そして魔術の属性などはこう、
・<古代属性>
・<派生属性>
・<新生属性>
の三つ。
<古代属性>:詳細
・水流
・焔
・疾風
・大地
古代属性が出る者は、物凄く”稀“だそうだ。
というかライバルがコレの“大地”属性が適性属性なのだそう…(引
<派生属性>:詳細
・月光
・暗黒
・迅雷
・氷刃(ひょうが)
・金属
などなど、沢山派生した属性があるのでこの世界で一番メジャーな属性はこの属性らしい。
<新生属性>:詳細
・灼熱
・瀑布
・真空
・領土
古代属性の劣化版ではあるが、レアな属性。使える魔術師はそれなりに少ないという。
(コレは….まずフラグで古代属性を使えるか、新生属性を二つ持ちとか….中々に俺つえー状態になりそうな….、いや、そんなん面倒臭いし、尚且つチーターにはなりたくない(真顔)
『….はぁ。』
Kur「…やっぱり何かあった?”また“その、髪の色で…。」
クロノアさんが溜息をこぼす私に向かってそう言ってくれた。
また、という事はこれまでにも髪の色で色々あったのだろう、仕方ない差別の対象なのだから。
『何もありませんよ。(ニコッ)
もうそんなに子供じゃありませんし、問題の一つぐらい一人で解決出来ます故。』
Kur「アイリスが良いなら良いけど….あ、ヤバい時間が来てる」
いつの間にか登校時間になっていたそう。
Kur「アイリス、は、スマと一緒に入学式だからもう少し時間があるよ。俺は準備とかしなくちゃだからもう先行くね。何かあったら言うんだよ、じゃ。」
『はい、クロノア兄さん、いってらっしゃい。』
Kur「…んー、短くしてノア兄さんで良いんじゃない?」
『・・・、ノア兄さん、いってらっしゃい。』
Kur「はい、いってきます(ニコッ)」
食堂の大扉を開けるクロノアさんと入れ違いに、茶髪に紫紺の瞳をした、自分より少し低い男の子が本を片手に入ってきた。
?「アイ姉さん、おはよう。」
『お“⤴︎っはよう….!えと…“スマイル”。」
smile「なんで姉さん声裏返ったの。いつも言ってんじゃん。」
『いや…まぁ、ナンデモナイヨ…(汗)』
smile「姉さん、食事はもう済んだ?」
『んーん、まだ。』
smile「じゃあ俺も一緒に食べる、どうせ同じ学校だから一緒に登校しよ。」
無愛想に見えて、凄いかわいi…ゲフンゲフン
意見や感情はハッキリ分かるのがスマイルさんの良い所なんだよなー。
(はぁ….とりあえず入学式の校長とやらの話は聞いてるフリ確定だなぁ〜…)
ボーっとしていたら机の向こうからスマイルが
、
smile「姉さん、食べよ。」
『わっ!?….ごめんボーっとしてた(笑)』
smile「…そんなんじゃ足いつかすくわれるよ(嘲笑)」
『だねぇ〜(笑)』
自分でもそう思うのでケラケラ笑っておく。
smile「笑い事じゃ無いと思うだが…」
『ん、お肉美味しい….!』
smile「って、もう聞いてないな!?」
『スマイルさんも早く食べて学校行きますよー。(パクッ)ん、コーンはバターコーンに限るな…!』
smile「….っ、いただきます…(パクッ)」
そして仲良く朝ご飯を完食いたしましたとさ!
とりあえず弟を連れて学園に無事到着した所までは良いんだけど….。
「ねぇ、あの髪色…」
「しっ!言っちゃダメよ!弟さんが可哀想だわ!」
「あれがシザー家の呪われ子か…」
うっっざぁぁぁ!?
この髪色だけでボロクソ言うなモブ生徒その一、その二、その三ッッ‼︎
まだ家族まで悪く言ってないだけマシだけどさッ!悪く言ったら許さないかんな!!
てか今誰かシザー家って言った?え?ヒロイン居るの?何処何処。
周りを見回したが白髪(はくはつ)の生徒は何処にも見当たらない。
『おっかしいなぁ…。』
smile「どうした?アイ姉さん。」
『いや、シザー家の令嬢って同じ学校通うよね?なのに姿が、見えない、なっと(ジャンプ)』
smile「・・・、アイ姉さん…..
*シザー家は姉さんの方*でしょう?赤髪のシザーと白髪のヴァイスで根の葉もない噂、たてられてるの知らない訳じゃないでしょうし。」
『・ ・ ・』
『は….?いや、ゑ…?』
smile「頭どっかに打ちました?現実逃避にしても白々しいですよ。」
『いや、別に、何処も打ってない…。』
弟がやけに冷たい気がする….悲し….
smile「….そんな事より、」
そんな事より!?あれ、なんか後ろから黄色い歓声が聞こえてきたような….
「きゃあああああああああッッ♡生徒会の皆様よぉぉぉ♡」
『チッ、うっせなぁ…(小声)』
smile「クロノア兄さんも生徒会に入ってるから、気付かれないように講堂に行こう、アイ姉さん。」
そう言うと手を掴み、さっさと歩きだすスマイル。
『あ、うん。…ってノアさんも生徒会面子なのか..!?』
衝撃的な情報を聞いてしまったな…
next__3.講堂でのトラブル
コメント
4件
あ、もう…好き()
なんだかんだ僕真白さんの小説大好きなんだよなぁ...最近見れてなかったけど、一気読みしちゃった☆ 応援してるね!