テラーノベル
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そして、名前が呼ばれた。
「加山紘一君。」
時間が止まった気がした。
視界の端で、山谷がこちらを見ている。
反対の隅で、青山が眉間に皺を寄せたまま固まっていた。
野口は静かに目を伏せている。
私は立ち上がった。
「賛成。」
その一言で、議場はざわめき、時代の歯車が音を立てて動いた。
私は、とうとう踏み込んでしまった。
この霧の向こうに、何が待っているのかは、まだわからない。
だが、一度動き出したこの流れは、もう戻れない。
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