そして俺は5分も経たないうちに叱られた。
通りすがる度にお尻にタッチしてみた。
阿部ちゃんが耐えかねて声をあげる。
💚「もう、セクハラ!」
🖤「ほら、円満円満」
抱きしめて顔を覗くと、既に憮然とした表情だ。
🖤「ね、怒らないで?」
素知らぬ顔で、自分史上一番甘い顔と声。
阿部ちゃんが3秒くらい蕩けた顔でフリーズする。
目にハート浮かんじゃってるよ?
本当に年上なんだろうかこの人、可愛いったらない。
軽くキスしたら阿部ちゃんが我に返った。
マンガで魔法が解けたようなリアクションで、ほんとに『はっ』て言った。
可笑しくて思わず笑ってしまう。
🖤「どこ行ってたの?」
💚「どこも行ってない」
かぶせ気味に否定する。
面白くなってきた。今日はこれからお互い仕事だけど、夜はまた一緒。
どうやって遊ぼうかなと思ってたら、阿部ちゃんがふいに一瞬真顔になってから首に腕を回してきた。
🖤「どうした?」
💚「めめ」
阿部ちゃんと目が合って、思わず固まる。
ファンサとも撮影とも違う目つき。
ふんわりしていて、甘くて、ちょっと熱を帯びていて。
まるでケーキの上の飴細工のような目。何を言っているかわからないと思うけど、俺が一番わからない。
とにかく、そんな目でこっちをじっと見てくる。
視線が外せない、外せないどころかしっかり捉えられて自分の意思でなんて離れられない。
ヘビに睨まれたカエル、いや飴細工に囲われたケーキのイチゴだ。
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